「きぼう」日本実験棟を含む国際宇宙ステーション(ISS)利用により得られた成果についてまとめた「人類への恩恵」第2版を掲載しています。
ISS計画は1984年に米国のレーガン大統領が先進国に呼びかけてスタートし、人類の活動領域を宇宙に拡大することや、宇宙の環境を使った新しい科学や技術開発を行うことを目的に、今日まで進められています。ISS計画では、基礎的な科学研究から、産業化につながる実用的な研究、技術開発、教育や文化的価値の発展など、様々な活動がたくさん行われています。
「人類への恩恵」第2版では、第1版で多く取り上げた「人類の健康」「地球観測と災害対応」「地球規模の教育」の最新情報に、「宇宙の経済開発」と「革新技術」を加えた5つの分野において、その意義をわかりやすく提示する活動を選び、社会生活に役立つ代表的な成果として紹介しています。
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※「人類への恩恵」第1版はこちらからダウンロードできます。
国際宇宙ステーション(ISS)は、世界中の研究者たちがその才能を活かして、他のどこでも成し得なかった革新的な実験に取り組むことを可能にする、類例のない実験施設です。ISS計画に参加している国々や宇宙機関にはそれぞれ独自の目的もありますが、ISSで得られた知見を人間社会の向上に役立てるという目標は一致しています。ISSから生まれる「大発見」は今後に期待するとしても、すでにいくつかの驚くべき素晴らしい成果をあげています。
人類の健康、革新技術、教育、そして宇宙からの地球観測の分野で、地球上の人々に恩恵がすでにもたらされています。人々の命が救われ、ISSから撮影された画像情報は災害救助に役立ち、新素材によって製品が改良され、教育プログラムは将来の科学者、技術者や宇宙の開拓者に良い刺激や着想を与えています。第2版に書かれた恩恵(効果)の中には、この分野を拡大しているものもあります。また新たな価値が生み出されている場合もあります。
第1版の発行以来、ISSに、これまでとはまったく違った形で参加する新たな利用者も現れました。商業資金で実験を行う製薬企業から、特別な研究機会や、宇宙へ物資およびクルー輸送等のサービスを提供する民間企業などで、彼らは地球低軌道において商業市場を開拓しています。そして、ISSが様々な分野の研究の場となり得たように、新たなビジネスを創出する場にもなり得ることを実証しつつあります。
本書は、これまでも、そして今後も、地球上の生命に影響を与え続ける、ISSでの研究によって得た科学技術および教育の成果をまとめたものです。ここに述べるすべての恩恵は、他に類を見ない宇宙実験施設としてのISSの潜在能力を示す一例にすぎません。ISSは今後も、地球に関する科学的知識を拡大させるとともに、人々の健康を増進し、先端技術を開発し、将来の科学技術者に希望を与え、啓発する場を提供し続けることで、これまで以上の成果を挙げ、経済の活性化と全人類の生活の質の向上に貢献することでしょう。
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