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地上と宇宙を結ぶ輸送システム H-IIBロケット

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2018年11月8日 更新

「こうのとり」7号機がISSから分離しました

「こうのとり」7号機がISSから分離しました

宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機(HTV7)は、アレクサンダー・ゲルスト宇宙飛行士が操作する、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)により放出ポイントに運ばれ、11月8日午前1時50分にSSRMSから分離し、ISS近傍から離脱するためのスラスタ(小型のエンジン)噴射を開始しました。

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H-IIBロケットとは

将来の宇宙ミッションへの扉を開く

日本はこれまで、さまざまな研究と実験を重ねながら、独自の技術でロケットを開発してきました。 なかでもH-IIAロケットは、信頼性の高い大型主力ロケットとして、多様な人工衛星・探査機を打ち上げるミッションを支えてきました。

このH-IIAロケットの打ち上げ能力を高め、国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送など、将来のミッションへの可能性を開くロケットが、H-IIBロケットです。

H-IIBロケットの主要な目的は、宇宙飛行士の生活に必要な物資やISS内の定期交換機器、実験装置・実験用サンプルなどの研究用資材をISSに運ぶ、宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV)を打ち上げることです。

H-IIAロケットとH-IIBロケットを併せて運用することにより幅広い打ち上げニーズに対応しています。

H-IIBロケットの特徴

1.能力向上の要:クラスター化

H-IIBロケットは、H-IIAロケットの技術を活かした、より能力の高いロケットです。液体酸素と液体水素を推進薬とする2段式ロケットで、本体横にはポリブタジエン系推進薬を使用した固体ロケットブースター(SRB-A)を装着し、加速を補助します。

H-IIAでは1基だった第1段液体ロケットエンジン(LE-7A)を2基搭載し、標準型で2本だったSRB-Aを4本装備します。また、第1段タンクの直径を従来の4mから5.2mに拡大し、全長を1m伸長することにより推進薬を約1.7倍搭載します。

このように、いくつかのエンジンを束ねる(クラスター化)方法は、すでに性能の確定しているエンジンを使用できるため、短期間かつ低コストで開発を進められるという長所があります。

2.効率的な開発を

H-IIBロケットは、HTVの打ち上げ時には、HTV専用のフェアリングを用いますが、それ以外の搭載機器や地上設備については、これまで運用実績のあるH-IIAロケットと極力同一の仕様・構成を踏襲し、信頼性の維持・向上と開発リスクおよびコストの低減を図ります。
また、発射設備をH-IIAと共有し、同じ種子島宇宙センター大型ロケット発射場から打ち上げられます。

構成

H-IIBロケット(試験機)主要諸元

全長(m) 56.6
全備質量(t) 531(ペイロードを除く)
誘導方式 慣性誘導方式
各段
第1段 固体ロケットブースタ
(SRB-A)
第2段 衛星フェアリング(5S-H型)
全長(m) 38 15 11 15
外径(m) 5.2 2.5 4.0 5.1
質量(t) 202 306(4本分) 20 3.2
推進薬質量(t) 177.8 263.8(4本分) 16.6
推力(kN)※1 2,196 9,220 137
燃焼時間(s) 352 114 499
推進薬種類 液体水素/液体酸素 ポリブタジェン系
コンポジット固体推進薬
液体水素/液体酸素
推進薬供給方式 ターボポンプ ターボポンプ
比推力(s)※1 440 283.6 448
姿勢制御方式 ジンバル 可動ノズル ジンバル
ガスジェット装置
主要搭載電子装置 誘導制御系機器 誘導制御系機器
レーダトランスポンダ
テレメータ送信機
指令破壊装置
※1: 真空中固体ロケットブースタは最大推力で規定

H-IIBロケット打ち上げ能力

代表的軌道 軌道高度例 打ち上げ能力
HTV軌道
(軌道傾斜角 51.6度)
約350km-460km 約16.5t

打ち上げ実績

エンジン燃焼試験

H-IIAロケット、H-IIBロケットには、第1段機体にLE-7Aエンジン、
第2段機体にLE-5Bエンジンを搭載しています。

液体酸素・液体水素を推進剤とするこれらのエンジンは、世界のロケットエンジンと比べても小さく、高性能です。

それぞれのエンジンは、ロケットに搭載されるまでに、地上で数々の燃焼試験を繰り返し、その性能・機能を確認します。

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