破壊神のフラグ破壊 作:sognathus
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目の前には扉があり、部屋の中からは何やら争うような音が聞こえます。
暫く様子を見ていると程なくして音は止み、目の前の扉が開き始めました。
そこで彼らが会ったのは……。
第1話 「災難と悪夢」
「!?」
クワイ=ガンは扉を開けて出会った目の前にいる人物を見て驚いた。
(一体誰だ? 扉の向こうからは生き物の気配はしなかったはずだが……)
「マスター、こちらの方は……」
クワイ=ガンと共にいた弟子のオビ=ワンも困惑の表情を浮かべていた。
「おやー、これはまた随分妙なところに着いたものですねぇ」
ウイスはもの珍しそうな顔で自分たちがたどり着いた先の周りを見渡す。
「お前、いくら適当な移動でもせめて地上限定とか到着地点くらいまともに設定しろよ……」
ビルスはウイスの時空移動の設定に少々ご不満な様子だった。
今度は外ではなく、何処かの施設のような場所だった。
「あなたは……元老委員の方ですか? 驚きました。私達以外に特使として来ていた方がいたんですね」
「は?」
クワイ=ガンはビルス、特にウイスの服装と雰囲気を確認するなり彼らが元老院から派遣された特使だと結論付けた。
見たところ自分達を敵視はしていいないし、存在も知らなさそうだった。
となれば結論はこれくらいしかない。
目を丸くして呆けにとられた顔をしている長い耳の亜人も初めて見る種類だが、彼も見たところ落ち着いているし知性は高そうだ。
ということはこっちの青い顔の人物の付き人か従者といったところだろう。
クワイ=ガンは論理的思考で一瞬でこれらの結論を導き出すと、目の前の二人に厳しい口調で話し始めた。
「議員、ここは危険です。お守りしますので一緒に着いて来てください」
「……こいつは一体何を言ってるんだ……?」
今までにない急展開にビルスは困惑した声を出した。
「取り敢えず着いていってみませんか。何だか面白そうですし」
ウイスは思わぬアクシデントを楽しんでいる様子だった。
「議員早く! 時間がありません。このまま此処にいては通商連合の総督達に逃げられてしまいます!」
ブツブツ言い合うビルス達に先程より鬼気迫った声で行動を促すクワイ=ガン。
師匠の決定を理解したオビ=ワンもビルス達誘導する仕草をした。
「議員、こちらへ」
「分かった。分かったからそう急かすな」
「はいはい。お待たせして申し訳ありません♪」
ビルス達がクワイ=ガンに連れられて進んでいると、前方に何やら白い骨のような細い体をした人形が群れをなしてこちらに向かってきた。
「なんだあれ」
ビルスが目をパチクリさせて目の前に現れた人形のような物を見つめる。
「バトル・ドロイドだ! 議員後ろへ!」
クワイ=ガンとオビ=ワンがビルス達を直ぐに自分たちの後ろへ庇うと、バトル・ドロイド達はそれと同時にこちらへビームで射撃してきた。
クワイ=ガン達はドロイドのその攻撃を素早く取り出した光状の剣を使い超人的な反射神経で次々と受け止め、偏光して弾き返した。
「人間にしてはやるな。でも剣を使わないと防げないのか」
「でも彼らの反射神経はどちらかというと予知能力に近いものを感じますね。これはこれで優れていると思いますよ」
ビルスとウイスはそんな風に自真面目に自分達を守ってくれている彼らを尻目に、相変わらず緊張感のない様子でそんな事を話していたのだった。
「議員片付きました。行きましょう」
掃討し終わったクワイ=ガンが行動の再会を促す。
しかし――
「おい、まだ1体動いているぞ」
「む」
クワイ=ガンがビルスが指差した方向を向くと、受けたダメージが軽かったと思われるバトル・ドロイドが鈍い動きをしつつも銃の照準をこちらに合わせようしていた。
「……」
クワイ=ガンは慌てた様子も見せずにそのバトル・ドロイドに向かって手を突き出すと、気のような見えない力を放った。
するとその力を受けたバトル・ドロイドは、まるで強力な暴風でも受けたかのように吹き飛んで壁に激突し、それきり動かなくなった。
「議員、助かりました。ありがとうございます」
「いや、別に礼なんていいよ。それより先に行こう」
「ほ~、なかなかスタイリッシュな使い方ですねぇ。感心します♪」
「は……? あ、はい。どうも……」
オビ=ワンは、戦火の中を潜り抜けているというのに先程から緊張も怯えた様子も見せないこの二人に妙な違和感を感じ始めていた。
それから暫くしてクワイ=ガン達は固く閉じた大きな扉の前へとたどり着いた。
「ここだ。この扉の先に総督達が」
ジュッ!
そう言うが早いか、クワイ=ガンは先程の剣をまた取り出すと今度はそれを剣の高熱を使って扉へと深く差し込み、無理やり道を作り始めた。
「なんか時間かかりそうだな。なんなら僕が――」
時間がかかりそうな作業にビルスが協力を申し出ようとした時、彼らの背後で金属が床を滑るような音がした。
「っ! ドロイディカ!」
クワイ=ガン達は直ぐにその存在に気付いて素早くまたビルス達を庇い彼らの前に立った。
ドドドドドッ!!
新たに現われた丸みを帯びた赤いボディのドロイディカと呼ばれた敵は、先程ビルス達を襲った敵より格段に強いようだった。
自らを防御用のエネルギーシールドで包みながら、固定式の二門のビーム砲をまるで機関銃のように間断なく撃つその姿は攻守ともに隙がなかった。
「議員、残念ですがここは一旦退きましょう!」
敵の猛攻を何とか凌ぎながらクワイ=ガンはビルス達に撤退を提案してきた。
それに対してビルスはわけがわからないといった顔で問い返す。
「は? なんでだ?」
「なんでって……これは攻撃が激しすぎます! 正直守りに徹するのが精いっ――」
『精一杯』と言おうとした時だった。
ビルスが「じゃあ僕が手伝ってやるよ」という言葉と共にクワイガン達の前へと進み出た。
彼は赤色の死の光が自分に向けられる前に指を一本敵に向けると軽く弾くように動かした。
ガシャン!!
先程クワイガンがバトル・ドロイドに向けて放った力より明らかに強い力でドロイディカ達は弾き飛ばされ、そのまま勢いが衰えることなく壁に激突して粉々になった。
「……」
「……」
クワイガンとオビ=ワンは二人揃って呆然としていた。
「後はこの扉か。爆破とか派手に壊さない方がいいんだよな?」
ビルスは未だに言葉を失って立ち尽くしている二人の前を通り過ぎると、今度は先程までクワイ=ガンが懸命に道を開こうとしていた強固な扉の前に立った。
「……ん」
ビルスはまるでノックでもするかのようにコツンと扉を叩いた。
ゴッ……! グシャッ!!
その扉は明らかにノックどころのレベルではない衝撃に受けたらしく、一瞬でひしゃげたかと思うとそのまま残骸となって奥の部屋へと吹き飛んだ。
「……」
「……」
扉の奥の部屋には背の高いカエルの様な両生類っぽい顔をした人型の宇宙人が二人いた。
彼らはビルス達がここへ来るまでの様子を監視モニターらしきもので確認していたらしく、その顔は恐怖に歪み赤色の涙と小便を垂らしながら震えて立ちすくんでいた。
「こいつが総督って奴?」
ビルスはまだ棒立ちで言葉を失ったままのクワイ=ガンに、つまらない物を見つけたというような顔をして訊いた。
自分が映画が好きなので今度はスタウォーズにしました。
全部で現状6作品ある映画ですが、恐らく作品的にはエピソード1の時代内で完結してしまうでしょう。
まどマギ編よりかは早く終わりたいですね。
できれば3話くらいで終わりたい!