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(世良)このままやったらまんぷく食品は危ないで。
まんぷくラーメンのような画期的な商品を開発せなあかん。
(福子)考えてみたら どうですか。(萬平)えっ?
世の中のみんなが びっくりしてパッと笑顔になるようなものを発明するの。
お前には かなわないな。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
世の中のみんなが びっくりしてパッと笑顔になるようなものを発明するの。
お前には かなわないな。
そして 源にも知ってもらいたい。
源?
何かを発明する時の萬平さんです。
覚えてないって言うんですよ あの子。
(源)まだ小学生やってんで。
まんぷくラーメン作った時のことなんか忘れてるわ。
え~。 ほら あなたと幸と2人で袋詰めしてたやない こう…。
覚えてるんは ラーメンのかけらつまみ食いしたんがうまかったな いうぐらいや。
あの子に 仕事の大変さと楽しさを教えてあげて下さい。
あ~。 ああ…。
即席ラーメンの国内販売はもう頭打ちだ。
輸出も伸び悩んでる。
外国では もう売れないんですか。
やっぱり その国その国での好ましい味というのがあるからな。
フフッ…。ん?
ごめんなさい。ちょっと 思い出してしもて。
何だ。前に 萬平さんと世良さんでアメリカに まんぷくラーメンを売りに行ったでしょ。ああ 2年前だ。
私も一緒に連れてってもらいました。ああ そうだったな。
「お湯と丼と箸さえあればできるまんぷくラーメンです」って張り切って売り込みに行ったのに…。
アメリカには 丼も箸もなかったんだ。そう!
何や?
あっ。えっ。何すんねん!
アメリカには 丼と箸がないって もうそんな簡単なことに気付かないなんて私たち。
世良さんがそんな食べ方は安っぽく見えるってブツブツ言うてたの もう おかしかった。
ハハ…。思い出しました?
お前は すごいな。えっ?
すごいよ 福子。
えっ?ハハハハハハ。
これだ。(真一)これ?
こういうラーメンを開発したいんだ。
(神部)こういうラーメンって…。(岡)紙コップに入ったラーメンですか?
容器に入ったラーメンだ。(森本)容器?
これまで 僕たちはまんぷくラーメンに縛られ過ぎていた。
今まで出してきた新商品は結局は 袋入りで味を変えただけ。
粉末スープを別にしただけ。それじゃ駄目だったんだ。
ちょっと待って下さい 社長。
まんぷくラーメンを容器に入れて売るんですか?
まんぷくラーメンじゃない。麺や味も変える。
でも ただ容器に入ってるだけで…。
最初から容器に入っていれば丼がなくてもお湯を注ぐだけでそのまま食べられます。
そのまま食べられる。
こんな商品 今まで どこにもなかった。そうじゃないか。
神部君 商品開発部の若手を集めて新商品開発チームを作ってくれ。
若手ですか?そうだ。 これは 社運をかけた挑戦なんだ。
せやったら ベテラン社員の方が…。
ベテランは既成概念に とらわれてしまう。
今まで作り続けてきた 即席ラーメンのイメージを捨てるのは難しいだろう。
若手の柔軟な頭が必要なんだ。
僕自身にも新しいことを気付かせてくれるような。
確かに。 これを どうにかしろ言われても僕は戸惑うな。
そうですね。
分かりました。 すぐに集めます。
うん。
へえ~ 吉乃ちゃんも万博に行ってきたの?
(吉乃)そう。(克子)もう3回目よ。
(鈴)はあ~ よう あないに人の多い所に3回も行けるわね。
せやかて 幸助さんと森本さんが一緒に行こうって2人で勝手に決めてしもたんやもの。見て。
(タカ)あ~ 麻美ちゃん かわいい。
(克子)これ 森本さんとこの息子さん?いや~ ちょっと見いひんうちに大きくなったんやね。
そらそうよ。 麻美の1つ下やもの。
森本さんの奥さん かわいらしい。
まあ それにしても相変わらず仲がええわね この2人は。
(チャイム)名木さんだわ。
こんにちは 先生。
(忠彦)ああ。僕がやります。
(鈴)あの人は 男の人やの?(克子)新しいお弟子さん。
(タカ)名木さんっていうの。いかにも今どきの人って感じやね。
せやけどちゃんと 美大 出てるんよ。
そこで臨時講師やった忠彦さんに憧れて弟子入りしたの。
お父さんの絵が大好きなんやて。まあ 私は嫌い。
あんな 男だか女だか分からない格好して。
あれが 今の若い人のファッションなんよ。
出来てきましたね 先生。
君には どんな絵に見える?
カラスで… カラスで カオスとエロスが表現されてるんやと思います。
カラスで カオスとエロス?ちゃいますか。
ああ いや…どんなふうにとってもらっても構わない。
いろんな解釈があった方が うれしいよ。
あの絵は何や マスター。
(アキラ)香田忠彦画伯の絵や。
おお 忠彦さん。いつから画伯になったんや。
(アキラ)知らんの?今や売れっ子やで 香田忠彦画伯はな。
(世良)ふ~ん。 何の絵や これは。
それは分からん。分からんのかい。
(しのぶ)せやけど それが芸術いうもんでしょう。
こないだ来たお客さんなんかな あの絵を30万円で譲ってくれ言うたんやで。
30万!?(アキラ)そうや。(しのぶ)香田忠彦の絵なら当たり前の値段やて。(アキラ)そういうことや。
(世良)確かに ええ絵や。(しのぶ)は?
さっぱり分からん言うてたくせに。
僕にも描いてくれて忠彦さんに頼んだろかな。
いや 立花君を通して福ちゃんから言うてもろた方がええな。
そんな しょうもないことを萬平さんに頼んだら いかん。
まんぷく食品は 今 大変なんやで。
まんぷくラーメンに代わる新商品が出来へんいうて 新聞にも書かれてたわ。
知ってるわ。せやから 僕がハッパかけたんや。
画期的な商品を開発せえ言うて。画期的?
まんぷくラーメンの時みたいな こう世の中の人が腰抜かすような新商品や。
そんな簡単に出来るんやったらな 誰も…。(世良)おっと もう行かな。
外で 運転手を待たせてるんでな。ごっつぉさん。
490万円です。お~ 結構するな。
ほな 500万円。 釣りは いらんで。
なんちゅう太っ腹な男や 僕は。
相変わらずやなあ 世良さんは。
死ぬまで なおらんで。
開発チーム?℡(神部)社長から言われたんです。
(神部)商品開発部の若手を集めろって。それで そのメンバーに立花… あっ…。
源を入れたいんです。
源を?℡僕は 源を生まれた時から知ってます。
源が まんぷく食品に入社してきた時はほんまに うれしかったです。
ああ 自分も年を取ったんやなって実感させられましたけど。
フフフ…。℡せやけど…。
今の彼にはがっかりしてるところもあるんです。
社長の 立花萬平さんの息子なんやから誰よりも ぬきんでたものがあると期待していました。 せやけど…。
覚えてるんは ラーメンのかけらつまみ食いしたんがうまかったな いうぐらいや。
℡すいません こんな失礼なこと言うて。
ええのよ。 言うてちょうだい。
源を育てたいんです。育ってもらいたいんです。
将来 まんぷく食品を担ってくれるような人間に。
℡奥様には 僕の気持ちちゃんと伝えておきたかったんです。
社長に気ぃ遣うて源 選ぶわけやないって。
ありがとう 神部さん。
ほんまはね 私からお願いしたかったことなのよ それは。
えっ…。
よろしくお願いします。
源に 萬平さんが本気で何かを作る姿を見せてやって。
分かりました。
商品開発部の西野紀之です。商品開発部の久坂隼人です。
商品開発部の戸塚洋子と申します。
商品開発部の 立花 源です。
お前もチームに入ったのか。はい。
新入社員も一人いた方がいいと思いまして。
立花にも 早く戦力になってもらわないと困りますから。
そうか… いいだろう。
よろしくお願いします。
西野君は 大学で何の勉強を?食用油の研究をしてました。
久坂君は。生物科学です。
まんぷく食品が いずれ医薬品の開発もすると聞いて入社…。
久坂。それは申し訳なかったな。
医薬品の開発はもう少し先になるだろう。
戸塚は 農学部の出身です。
新商品開発チームには女性もいた方がいいと思いまして。
うん そうだな。よろしくお願いします。
いいだろう。このチームでやっていこう。
(神部)ありがとうございます。もう知ってるとは思うが僕が これから作りたいものは これだ。
最初から容器に入っているラーメン。
つまり 丼がなくてもここにお湯を入れればすぐに食べることができる。だが 容器に入っている麺が今までのラーメンと同じものでは意味がない。
中身も新しいものにする。
あえて言えばまあ ラーメンでなくてもいいぐらいだ。
今 僕が言ったこと以上のことはまだ何も決まっていない。
とにかく 今まで世の中のどこにもなかった画期的な商品を作るんだ。だから 君たち若手に集まってもらった。
既成概念を捨てろ。
今までの常識に とらわれるな。
君たちなら できる。
(3人)はい。
はい…。
萬平さんは もう60よ。
また まんぷくラーメンの時みたいなことやろうっていうの?
年なんて関係ありませんよお義母さん。
そうよ。萬平さん 張り切ってるんやから。
大丈夫やの? 源ちゃん。
お父さんと家でも一緒会社でも一緒って。
大丈夫や おばあちゃん。仕事は仕事 うちはうち。
(鈴)そうそう。 仕事をうちに持ち帰らないでよ 萬平さん。
えっ?もう会社があるんやからまんぷくラーメンの時みたいにもう うちの中をラーメンだらけにしないで。
ああ 分かってますよ お義母さん。
あ~ なんて楽しみ。
萬平さんと源が一緒になって新しいもの作るやなんて。


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