(cache)広瀬康一と岸辺露伴|SSなび【SSまとめブログ】
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広瀬康一と岸辺露伴

1 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:14:29.36 ID:G0DWIGMN0
西暦2013年3月。 
ぼくももうすぐ29歳になります。 

ああ、すみません。申し遅れました。 
ぼくの名前は『広瀬康一』 


生まれてから今までの間、S市杜王町でずっと暮らしてきました。 
今は妻の由花子と二人暮らしをしています。 

この町は本当に素敵な町です。 
一時期『殺人鬼』なんかもいて苦い時代もあったけれど、 
ジョースター家の三人、 
『仗助』くん、『承太郎』さん、『ジョセフ=ジョースター』さんの活躍もあって、 
ここ十数年は本当に平和です。 

そういえばこの三人と、承太郎さんの愛娘である『徐倫』さんが、 
ちょうど杜王町に集まっています。 

あの『ジョースター』の血筋がこんなに集まるなんて! 



でも、楽しい話はできないかもしれません。 
だってこの四人が数日前から、 

『行方不明』なんですから―― 


※『ジョジョの奇妙な冒険』のifストーリーです。 
徐倫と承太郎達がプッチを無事に『倒した』後の、想像のお話です。 

※一名限定で既存のスタンドが『成長』し、 
オリジナルスタンドとして登場します。 


拙い文章ですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。

2 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:15:12.34 ID:G0DWIGMN0

なんだ? 



これはなんだ……? 





『折り紙』 





折り紙……か? 



線が入っている。何度も『折り曲げた』のか? 







ここは『夢』の中……なのか?

3 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:15:57.43 ID:G0DWIGMN0

- 夜 広瀬家 - 



由花子「おなか……すいたわよね、お待たせッ。 

今日のメニューはね、エビのワイン蒸しに、ヒラメのムニエル。 

おいしいそうでしょう?それとね……、康一?」 



康一「……」 



由花子「どうしたの?」 



康一「あ、あぁ……ごめん。ちょっと気になることがあって……」 



由花子「あたしで良ければ……聞こうか?」 



康一「……」 



由花子「……」 



康一「……ありがとう。明日、聞いてもらえるかな」

4 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:30:41.75 ID:G0DWIGMN0

ボフッ 

康一は、ベッドの上に横たわった。 



気が気じゃないよ。 

仗助くんも含めたジョースター家の四人が、揃って『行方不明』だなんて…… 





承太郎さん達三人の泊まっている『杜王グランドホテル』 

に連絡をしたら、三人共数日前から部屋に戻っていないと言う。 



仗助くんの携帯に何度か連絡をしたけど、一度も電話にでない。 

いつまでも折り返しがないから自宅に電話したら、仗助くんのお母さんがでた。 

お母さんは、 

「どうせどっかで遊んでんのよ。こっちが心配し始めた頃になって、 

いつの間にか戻ってくるんだから」 

と言っていた。 



静は、仗助くんの家で今暮らしている。 

彼女はどう思っているのだろうか? 



お母さんの言うように『何事もなく』戻ってくればいい。 

そうだといいけれど、『嫌な予感』が拭いきれない。 

だって仗助くんだけじゃあなく、承太郎さん達までいないんだから。 



そうだ。明日、『露伴先生』に相談しに行こう。 

仕事も有給休暇をとってるし、ちょうどいい。

5 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:41:00.63 ID:G0DWIGMN0

- 杜王グランドホテル - 



ホテルマン「あッ!あれはミスタージョースター!」 



ジョセフ「……ん?どうしたんじゃ?」 



ホテルマン「4日間もどちらにいかれてたんですか!? 

何度携帯に電話しても出ないし……。 

一日以上外出する際は、事前に連絡をしてくださいよッ!」 



ジョセフ「んん~~?わし、何日も外出してたかのう?」 



ホテルマン「してましたよ!4日もッ!! 

(はぁ…まぁ90歳を過ぎてるじいさんだ。ボケてるのか?しょうがない…) 

ところで、空条承太郎さんと、その娘さんはどちらにいるかご存知ですかね?」 



ジョセフ「いやあ、知らんのう~~~」

6 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 19:51:13.12 ID:G0DWIGMN0

ホテルの自室へ戻ってきたジョセフは、 

バスルームでシャワーを浴びていた。 



ジョセフ「はて……4日か。そういえばわしはどこにいたんだっけ? 

なにか忘れている気がするのう……」 



シャワーを浴び終えたジョセフは、体重計に足を乗せる。 



ジョセフ「おおッ!一ヶ月でこんなに減量できたとはのう~。 

『一ヶ月で20k痩せれます!』の謳い文句が本当だったとは。 

日本の『ダイエット器具』は本物じゃなあ~~~」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



別に外見上は一ヶ月前と『変わっていない』。 

そう、痩せた風には見えないのに…… 

ジョセフの体重は一ヶ月前と比べ、 



『20k』減っていた。

7 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:02:50.00 ID:G0DWIGMN0

- 翌昼 露伴宅前 - 



康一「そういえば、露伴先生は『ピンクダークの少年』の連載が終わってから、 

この新しい豪邸に引っ越したんだよなァ~~。 

前の家も大きかったけど、その比じゃないや。売れっ子漫画家はすごいなあ~~」 



ピンポーン 



「(来たか……康一くん。待ちくたびれたぞ……)」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「……?誰もいないのかな? 

あれッ、でもよく見ると門の鍵は開いてる。部屋も明かりがついている……あっ!」 



露伴「やあ、康一くんじゃあないか。久しぶりだね、どうしたんだい?」

8 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:12:59.02 ID:G0DWIGMN0

康一「露伴先生ッ!お久しぶりです、髪の毛伸びました? 

ちょっと相談事があって……」 



露伴「相談かい?もちろん歓迎さ。それじゃあどうぞ、上がって……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「うわああーーッ!内部もシックな感じで、かっこいい邸宅ですねッ!」 



露伴「ありがとう。さあ、二階へどうぞ……」 



康一「あの、今更ですが……連載お疲れ様でした。 

今は次の作品の構想を練っているところなんですか?」 



露伴「ああ、そうだよ。『おもしろいマンガ』を書きたいからね……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「着いたよ。この部屋だ」

9 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:15:11.52 ID:G0DWIGMN0

露伴先生が扉を開けた。 



部屋の中は広くて、家具もほとんどなかった。 



だからそこに『人』がいるってすぐに気付いたんだ。 



部屋の中にいたのは…… 







行方不明中の三人だった。

10 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:26:03.46 ID:G0DWIGMN0

ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「え……?仗助くんに……承太郎さん!?それにその女の子は……」 



承太郎「……この子は徐倫。わたしの娘だ。 

康一くん、久しぶりだな。元気だったかい?」 



康一「え…ええ。あ、あの承太郎さん達はなぜ露伴先生の家に……?」 



承太郎「……」 



仗助「……」 



徐倫「……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「(こ…この『空気感』は……普通じゃあないッ!? 

ま…まずい。ここは逃げよう!この屋敷から早く……!)」

11 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:36:08.45 ID:G0DWIGMN0

露伴「さて……康一くんには過去に一度話したことがあったな。 

マンガ家というものは職業柄いつも、 

あらゆる『状況の可能性』を考えるクセがある、ってね」 



康一「……!」 



露伴「ここでこのわたしの考える『康一くんの行動』の可能性は三つだ。 

①この屋敷から逃げる 

②話し合いをする」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「そして三つ目は…… 

③三人は既に『ヘブンズドアー』で『操られている』と悟り、 

このわたしに攻撃を仕掛けてくる、だ」

12 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:48:24.30 ID:G0DWIGMN0

ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「ろ…露伴先生、い、今なんて……!?」 



露伴「『承太郎達がなぜこの家にいるか?』 

答えは……わたしがヘブンズドアーで『操っている』からだよ」 



な…何を露伴先生は言っているんだ? 

『操っている』? 

よくわからないぞ… 

だって、露伴先生はそんなことをする人じゃあない…… 

そうだ。一人称もいつもは『ぼく』だったのに、 

今日は『わたし』になっている。 

きっと別人だ!ここにいるのは露伴先生じゃあ…… 





露伴「康一くん」 



露伴の声を聞き、康一はハッとした。

13 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 20:58:17.07 ID:G0DWIGMN0

露伴「少し『混乱』しているようだから、 

赤ん坊に教えるように、優しく話をしてあげよう…… 

まず結論から言うと、君をわたしの仲間にしたい」 



康一「仲間……?ぼ、ぼくもヘブンズドアーで操るつもりですかッ!?」 



露伴「違う違う。…話は最後まで聞けよ。 

しょうがないな……徐倫。やれ」 



徐倫「ストーンフリーッ!!」 



康一「う、うわッ!?これは…『糸』!?」 



ストーンフリーの糸が康一の体を縛り上げた。 



露伴「いいかい康一くん、君に『黙秘権』をあげよう。 

つまり『黙って聞け』と、いうことだ」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「仲間という言葉が悪かったかな。 

わたしはね、尊敬している君を服従させ、『僕(しもべ)』にしたいんだ」

14 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:07:45.71 ID:G0DWIGMN0

康一「だ…誰かに操られているんですねッ!? 

露伴先生や仗助くん達を、操っている奴がいるん……」 



ドゴォッ!! 

クレイジーダイヤモンドの拳が、康一の顔面を殴った。 



康一「う…うあああっ……!!?」 



康一の口と鼻から、血がしたたり落ちる。 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「『黙れ』と言っただろうが。次は……『殺すぞ』」 



康一「うぅ……はぁ…はぁ……」 



露伴「話の続きだ。ではなぜ君を僕(しもべ)にしたいか? 

この杜王町は本当に美しい町だ。わたしも大好きだよ。 

しかし、退屈な町でもある。 

『吉良吉影』以降、ろくな『悪』が出てこない」

15 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:18:18.24 ID:G0DWIGMN0

露伴「『おもしろいマンガ』を書く為には、『リアリティ』が必要だ。 

『リアリティ』こそが作品に命を吹き込むエネルギーであり、 

『リアリティ』こそがエンターテイメント。わかるかい? 

悪がいなければヒーローは輝かない。 

戦争がなければ英雄は生まれない。 

ヒーローは君や、仗助、承太郎達がいる。 

しかしこの町には『悪』のリアリティが不足しているんだ」 



康一「……」 



露伴「ではどうするか?結論だ。わたしが『悪』になる。作品の為に……な。 

そして真の悪は、自身の尊敬する者を『屈服』させてこそ輝く。 

だから康一くん。『君だけ』はヘブンズドアーじゃあなく、 

心から……『服従』させたいんだよ。わたしはなああああァァァーーーーッッ!!!」

16 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:27:27.64 ID:G0DWIGMN0

ドドドドドド… 



康一「……それだけか?」 



露伴「んん?」 



ザワザワザワザワ… 

康一の髪の毛が逆立ち始める。 



康一「……それで話は終わりかと、聞いているんだ。露伴先生……いや『露伴』! 

おまえはただそれだけの為に、仗助くん達を操っているというんだな!!」 



露伴「わたしにとってはそれが『全て』だ。 

『おもしろいマンガ』を書き『読んでもらう』。それが全て……」

17 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:34:34.79 ID:G0DWIGMN0

ドドドドドド… 



康一「許さない……許さないぞ!露伴ッ!! 

『エコーズct2ッ!!』」 



康一は『ドヒュウウウ』の文字を床に貼り付け、 

それを踏んだ! 



ドヒュウウウ! 



徐倫「こ…この『パワー』!糸の捕縛を上回っている!?」 



康一は『文字』の効力により背後に吹っ飛ばされ、 

巻き付いていた徐倫の『糸』を振り切った!

18 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:43:58.48 ID:G0DWIGMN0

露伴「フン。たかが『糸』から逃れただけ。 

わたしたち四人から逃げ切れると思うのか? 

そして次喋ったら……おまえを『殺す』と言っただろうがあああァァァーーーッ!!」 



康一「その殺すって『声』……もらうよッ!!」 



ガシィッ! 



仗助「今のは……エコーズの『ct1』!!」 



康一「全員動くなッ!ct1が露伴の『声』を『文字』にした! 

そして屋敷の外に移動したぞ!いつでも文字を貼りつけることができる! 

そういう新名所もいいかもなッ!! 

町中の人間が知っている人気漫画家の、 

『殺人衝動の声』が繰り返し聞こえる場所ってのもさァーーーッ!! 

そうなれば露伴、おまえのマンガはもう『読まれなくなる』ぞッ!!」

19 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:49:50.53 ID:G0DWIGMN0

仗助「……グレート。他人の声も『文字』にできるなんてよ」 



露伴「しかし、文字を貼りつけたとして、 

君をしこたまぶちのめせば、それも解除されてしまうんじゃあないのかな?」 



康一「ああ、『解除されるかもしれない』。 

しかし、『解除されないかもしれない』……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「試してみるか?露伴……」 



露伴「……」

20 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 21:57:58.83 ID:G0DWIGMN0

康一「それが嫌なら……三人を『解放』するんだッ!!」 



康一の怒号が部屋に響き渡る。 



露伴「……フフ…フフフハハハハッ!……康一くん。 

少し図に乗り過ぎなんじゃあないのかな? 

わたしは『読者』を見捨てて君を攻撃することもできるんだぞ? 

そうなると君は非常にヤバいと思うんだがねェ~~ッ?」 



康一「……」 



露伴「フフフ……とはいえ、だ。わたしも貴重な『地元読者』を失いたくはない。 

それに、窮地に立ちながらもここまで道を切り拓いた君に『敬意』を表したい。 

そこでだ康一くん。一つ『ゲーム』をしようじゃあないか」 



康一「ゲーム……だと?」

21 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:06:00.73 ID:G0DWIGMN0

露伴「そうだ。今から10日後に『再戦』をしよう。 

場所はこの屋敷だ。わたしは『この部屋』にいる。 

君は何人スタンド使いを連れてきてもいい。 

それまでわたしはこの杜王町の人間に手は出さない。 

10日の期間で、わたしも『行きたいところ』があるんでね」 



康一「……10日後におまえを倒せば、三人を解放するというわけか」 



露伴「ああ、そうだ。しかし『倒す』というのは少し違うな。 

『倒す』ではなく……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴はヘブンズドアーで仗助、承太郎、徐倫に新たな文面を書き加え始める。

22 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:15:12.21 ID:G0DWIGMN0

「2013年の3月28日までに、 

①広瀬康一が岸辺露伴に、心からの服従を誓う 

②岸辺露伴を『殺す』 

このどちらかを果たせなかった場合、わたしは自殺します」 



康一「!?」 



露伴「……『殺す』だ。このわたしを殺しに来いよ……康一くん」 



康一「な……!?」 



意味が……わからない。 

10日後までに露伴を……殺す? 

殺さないと、三人は自殺する……だって!?

23 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:25:08.82 ID:G0DWIGMN0

露伴「そうそう、一つアドバイスだよ。 

『ジョセフ=ジョースター』は戦力外と考えておいた方がいい。 

この露伴には攻撃ができないよう既に『書き込んで』あるからな。 

まあ、落し物を探すくらいはできるかもしれんが。アハハハハッ!」 



康一「……」 



露伴「では……『了承した』と、みていいね?……また10日後に会おう、康一くん。 

たくさんスタンド使いを連れてくるといい。杜王町中から集めなよ。 

わたしはその期間、杜王町の人間には、決して手を出さないと『約束』する。 



君がわたしを『殺し』に来るのを、楽しみにしているよ……」

24 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:35:26.62 ID:G0DWIGMN0

・ 

・ 

・ 



康一「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ……!」 





気がつくと、ぼくは住宅街を走っていた。夢中で屋敷から逃げ出したのだ。 



「君がわたしを『殺し』に来るのを、楽しみにしているよ」 



確かに、露伴はそう言っていた。 





露伴の言う通り、『気絶』させるんじゃあダメだ。 

気絶させても、三人は助けられない。 

ぼくの目の前で、ヘブンズドアーで書き込んでいた。 



『殺さなくては』、三人を助けることはできない。

25 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:37:06.09 ID:G0DWIGMN0

まさか、こんなことになるなんて…… 

もうぼくの知っている『岸辺露伴』じゃあないのか。 

……そう思っていた。 







でも……偶然なのか?狙っていたのか?いや、きっと狙っていたんだ。 

『憶えて』いたんだ。 



10日後は…… 

10日後の3月28日は…… 







ぼくの『誕生日』だ。

26 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:38:10.17 ID:G0DWIGMN0

康一は道の真ん中で足を止めた。 

康一は何を信じればいいのか、わからなくなっていた。 





もう1年近く会っていないのに、露伴はぼくの誕生日を『憶えていた』。 

その露伴は、ぼくを『殺しに来い』と言った。 

なぜ?なぜなんだ?どうしてこうなったんだ!? 



「康一くん!特注のケーキを用意したんだッ!ぼくの家に遊びにおいでよ!」 

こう言ってくれても良かったじゃあないか。 



「君のスケジュールは既に書き込ませてもらった!ぼく主催の『バースデーパーティー』だ!」 

こう言ってくれても良かったじゃあないか。 





康一「うぅ……」 





きっと…きっと、10日後にはこう言ってくれるんでしょう……? 

「君を驚かす為のサプライズだよ!!康一くん!だって、ぼくと君は……『親友』じゃあないか!」 





そうでしょう?露伴…『先生』……

27 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:39:04.68 ID:G0DWIGMN0



「『殺し』に来るのを、楽しみにしているよ」 


28 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/21(火) 22:40:44.34 ID:G0DWIGMN0

康一「うっ…うう…うわあああああああああーーーーッ!!!!!」 







康一は泣いた―― 





辺りは住宅街、買い物に出かける主婦や子供の姿も見える。 



しかし康一は、自身の感情を抑えることができなかった。

33 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 01:25:26.51 ID:FJAIPEo

なんだこの引き込まれる導入は 

続きが気になるじゃないかァー!

34 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 11:15:32.37 ID:kjyZ69w0

これは……『夢』? 





『折り紙』 





…前と同じ折り紙か? 



この折り紙は『破けて』いるが…… 







なんなんだ一体……

35 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 11:16:38.81 ID:kjyZ69w0

- 翌朝 広瀬家 - 



由花子「(結局、康一は『話』をしてくれなかった。 

『明日、聞いてもらえるかな』と、一昨日言っていたのに。 

昨日昼過ぎに家に帰ってきたと思ったら、そこから部屋に籠ったきり……。 

『玉美と賢』がせっかく訪ねてきてくれたのに、それでも出てこなかった。 

なにかあったのね?こういう時に、あたしが支えてあげなきゃ……)」 



康一「由花子、おはよう」 



由花子「え?……康一!! 

……ねえ、昨日なにかあったの?大丈夫?」 



康一「ごめん、心配かけたみたいだね。もう『大丈夫』だよ」 



由花子「……そう。それなら良かったわ。 

ごめんね、すぐに朝食の用意をするから」 



康一「ううん、朝食はいらない。由花子に少し話をしたら、行くところがあるんだ。 

たぶん『一週間』くらいで戻れるとは思うけど……」 



由花子「い、『一週間』ですって!?」

36 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 11:29:45.48 ID:kjyZ69w0

ガチャ 



玉美「あッ、康一どのォーーーッ!」 シタ! 



康一「え?た、玉美?それに…『ジャンケン小僧』の大柳賢くん?」 



賢「康一さん、おはようございます」 



康一「ああ……おはよう。そういえば昨日はごめんね。少し疲れちゃっててさ……」 



玉美「とんでもねーッスよ。 

まぁ、それが気になって今日は朝から訪ねてきたんスけどね」 



康一「そうだったんだ……ありがとう。 

ちょうど良かったよ、二人に話があるんだ」 



玉美「え?あっしらにですかい?なんだろうなァ~~~」

37 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 11:38:02.09 ID:kjyZ69w0

・ 

・ 

・ 



ゴゴゴゴゴゴ… 



玉美「……ま、まさか露伴先生が!?」 



賢「仗助さんや空条承太郎さんも、露伴先生の手先だなんて……」 



康一「9日後に杜王町中のスタンド使いを集めることに関しては、 

由花子に任せてきたんだけど、ぼくはもう一人『あるスタンド使い』に 

協力をお願いしようと思っているんだ」 



賢「あるスタンド使い?それって……誰なんですか?」 



康一「ジョースターの意志を受け継ぐもう一人の人間。名前は…… 





『ジョルノ=ジョバァーナ』」

38 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 11:55:52.60 ID:yvGH3KNR0

ぼくは今、玉美と賢くんと共に『杜王グランドホテル』に向かっている。 

ジョルノが現在もイタリアにいるとは限らないから、 

『念写』で場所の『特定』をしてもらうんだ。 

露伴と直接関係のないジョルノの念写くらいなら、露伴への『攻撃』には含まれないはず。 



それにしても、この二人がジョルノ探しに同行してくれることになって、 

本当にうれしい。やっぱり持つべきは『友人』だね。 

正直、言葉が喋れるイタリアならまだしも、 

他の国だった場合はけっこう不安だから……。 



そうそう。この二人、実は仲がとても良いんだ。 

玉美の『ゆすり』のテクニックに、賢くんが興味を持ったのが 

仲良くなったキッカケらしい。 

波長が合うみたいで、しょっちゅう二人で会っている。

39 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:03:52.57 ID:yvGH3KNR0

- 杜王グランドホテル 324号室 - 



コンコン 



康一「ジョースターさん、電話した『広瀬康一』です」 



ジョセフ「おお~~~待っておったよ。さあ中へ……ん?そちらの二人は?」 



康一「仲間のスタンド使いの『小林玉美』と『大柳賢』くんです」 



ジョセフ「いつも『静』が世話になっとるの~~」 







康一「それで……早速なんですが、このカメラで『念写』を 

お願いしたいんです。名前は『ジョルノ=ジョバァーナ』です」 



ジョセフ「ああ、わかったよ。わしと同じ『ジョジョ』じゃな。 

……『ハーミットパープル!』」

40 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:04:43.27 ID:yvGH3KNR0



ジョルノ「まただ……今、何者かに『見られている』感触を味わった……」 


41 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:12:30.68 ID:yvGH3KNR0

ぼく、広瀬康一は… 



古い歴史と経済危機の国『イタリア』に、12年ぶりに来ていた。 





イタリアでは、欧州債務危機を機に『マフィア』が経済を牛耳る力を強めている。 



反犯罪団体『SOS Impr』によると、 



イタリア・マフィアの近年の年間取引高はおよそ1400億ユーロ(日本円で約14兆円前後)、 



利益は1000億ユーロを超えるらしい。

42 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:20:39.90 ID:yvGH3KNR0

- 南イタリア ネアポリス空港 - 



康一「念写してもらったいくつかの写真から、 

イタリアの『ネアポリス』にいることがわかったのはいいけど、 

細かい場所までは特定できなかった。ここからは、聞き込みをしていくしかないね」 



賢「ねえェ~、あの人に聞いてみません?なんかフレンドリーそうだしさァ~~」 



玉美「あの『ヘソが見える短い丈のセーター』の男か。 

確かに、なんか人が良さそうな気ィするなあ~~」 



康一「そう?じゃあぼくが聞いてくるよ。二人はそこで待ってて」 



康一は帽子を被った男に近づき、声をかけた。

43 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:32:40.30 ID:yvGH3KNR0

康一「あのーすいません。今、お時間大丈夫ですか? 

ちょっと『人』を探してるんですが……」 



男性「ん?おまえ日本人か?言葉すげーペラペラだなァーーッ! 

イタリア住んでた事あるのか?」 



康一「いや…その、習ったというか……。 

それで『写真』を見て欲しいんですが……」 



男性「あぁ、そうだったな。いいぜ。どれどれ……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



男性「……」 



康一「どうですか?見たことあります?」 



男性「……おまえ。この写真の人物とはどういう『関係』なんだ?」 



康一「関係ですかぁ~?知り合いというか…いや、もう知り合いではないかも……」 



男性「そうか……じゃあ死ね!覚悟はして来てんだろ?」 



ガアァァンッ!

44 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:42:35.19 ID:yvGH3KNR0

玉美「こ…康一どのォーーッ!!」 



男性「……てめーッ!?『スタンド使い』か!」 



ドドドドドド… 



康一「あ…あぶなかったッ!『ct3』で間一髪、銃弾を弾き返せた!」 



男性「野郎…!こんな場所だが、やってやるぜ! 

最近ジョジョは言っていた!『何者』かに見られている気がするとなッ! 

貴様がその要因とみたぜ! 

今度は弾き返せはしねええェェーーーッ!!セックスピストル……」 





ズンッ!

45 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 12:51:57.65 ID:yvGH3KNR0

『ACT 3 FREEZE!!』 





男性「か…体が!?……お…重いッ!?」 



玉美「(す…すげえ!これが噂に聞いていた『エコーズct3』!! 

『成長』した新しいエコーズ……!)」 



「ミスタ、なんだ今の『銃声』は……? 

ん?君は……」 



康一「ああ!?やったッ!着いたばかりでいきなり出会うなんて!」 



ジョルノ「君はたしか……『広瀬康一』くん?」

47 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:06:47.05 ID:yvGH3KNR0

- パッショーネの拠点 - 



ジョルノ「……話はわかったよ。 

君には12年前の『ポルポ』の件で恩がある」 



康一「そ…それじゃあ!?」 



ジョルノ「だが……ぼくも組織のトップとして、 

そう簡単にこの街を離れるわけにはいかない。そこで、だ。ミスタ」 



ミスタ「オ、オレかよおおお~~~ 

予想はしていたが……」 



ジョルノ「『グイード=ミスタ』を同行させよう。腕は確かだ」 



ミスタ「まぁ、というわけだ。よろしく頼むぜェーッ」

49 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:19:31.96 ID:yvGH3KNR0

・ 

・ 

・ 



康一「ところで、ミスタさんも日本語けっこう喋れるんですね」 



ミスタ「ああ~~割と日本通なんだよ。オレは数字の『4』が嫌いなんだが、 

日本の『忌み数』の文化に影響されているのもあるし(ちなみにイタリアの忌み数は『17』だ)、 

『キャプテン翼』も好きだしな。そうだ。このCD、康一も聴いてみねーか?」 



康一「曲名は……『恋する兵士』ですか。それじゃあ聴いてみますね」

51 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:23:39.19 ID:yvGH3KNR0

- 杜王町 - 



TV「……の荒野に、謎のクレーターができており……」 



由花子「痛ッ!?……もう、こんな時に虫歯ができるなんて。 

あと3日か。康一は今頃どうしてるかしら。そろそろ戻ってくる頃だと思うけど…… 

こっちのことはあたしに任せてね。みんな力になってくれるわ……」

52 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:33:48.00 ID:yvGH3KNR0

未起隆くんも。 

未起隆「『宇宙人』は礼儀を重んじます。 

仗助さんには10年前の鉄塔を初め、いつも助けていただきました。彼を助けたい」 



静も。 

静「父さんが……仗助が!みんなが!!そんな目にあってたのかよォーーッ!!? 

当然だッ!この静=ジョースターも喜んで協力するぜッ!!」 



間田さんも。 

間田「露伴先生との出会いはおれがキッカケなんだ。 

そんな話聞いたら……責任感じるよ。ファンとして、露伴先生の目も覚ましてやりたいしね」 



トニオさんも。 

トニオ「ユルセないッ!杜王町はスバらしい所。 

仲間もたくさんイマス。岸辺露伴は……調理場の『バイキン』のような男デスッ!」

53 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:35:35.54 ID:yvGH3KNR0

噴上裕也も。 

噴上「話はわかった。もちろん協力する。 

『岸辺露伴』をこの町で生かしておくのは、カッコ悪い事だぜェーッ!」 



音石明さんも。 

音石「『ロック』ってのは音量機器と共に進化していった音楽だ。 

だから他のジャンルに比べると、サウンドが非常に重要なんだ。 

町の『ノイズ』の排除だろ?もちろん手伝うぜ……(承太郎とだけはやりたくねーがな)」 



億泰も。 

億泰「露伴……!あのダボがァ~~~ッ!! 

二度もおちょくんなよッ!この虹村億泰をッ!!」

54 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:36:22.27 ID:yvGH3KNR0

由花子「億泰の家の『ストレイキャット』もいるわ。 

それに『あたし』だって……」 



ガチャ 



康一「由花子……ただいま」 



由花子「康一!!……おかえり。え…そ、その後ろの方は?」 



ミスタ「おおォ~~~奥さん美人じゃあねーかッ! 

安心しな、挨拶だけだ。すぐにホテルに帰るからよオオォ~~~ッ」 



康一「(はぁ……ぼくってノーと言えない性格なのかなあ~~)」

55 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 13:37:33.85 ID:yvGH3KNR0

- 数日前 ケープカナベラル - 



露伴「ここでその『プッチ』とやらを倒したのか。中々の神秘性を感じるな」 



徐倫「……」 



承太郎「……」 



仗助「……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「しかし、重要なのは『GDt刑務所』だ。あそこには、 

今わたしが『最も』欲している『スタンド使い』がいるからなああァァ~~~」 







それぞれの陣営が新たな仲間を加え…… 



約束の『3月28日』を迎える。 







≪to b continud≫

62 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/22(水) 17:01:45.99 ID:5/ufuEFAO

音石と億泰会わせたらヤバイ気が..

63 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 11:46:37.22 ID:TkN/X7X0

『登場キャラ一覧』 



広瀬康一 

広瀬由花子 

大柳賢 

音石明 

小林玉美 

静=ジョースター 

トニオ=トラサルディー 

猫草(ストレイキャット) 

虹村億泰 

間田敏和 

支倉未起隆 

噴上裕也 

グイード=ミスタ 





岸辺露伴 

空条承太郎 

空条徐倫 

東方仗助 

???? 

???? 

????

64 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 11:47:45.94 ID:TkN/X7X0

君のそういうところなんだよ、ぼくが君を尊敬するのは…… 



からかわれていると思うのは、無理もない。 



でも、それでも戻って確かめに来てくれた…… 





やっぱり君は 『親友』 だった!! 











康一「……ハッ!?」 ガバッ! 



由花子「ん……どうしたの康一?まだ午前4時よ……」 



康一「……い、いやなんでもない。起こしちゃってごめん……。 

(『夢』……か。今の場面は『チープトリック』の時の……)」

65 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 11:58:50.64 ID:TkN/X7X0

- 3月28日昼 露伴宅、正門前 - 



音石「億泰、久しぶりだな。 

その……なんつーかよォ~~以前はすまなかったな。 

おめーの『兄貴』を、よ……」 



億泰「ン?音石先輩じゃあねーっスか。 

もう10年以上前の話だろォ~がよおお~~~。 

それに、オレもあの一件で色々『学ばせてもらった』んスからねェー。 

あんたこそ、しっかり罪を償って、 

今は音楽活動に精を出してるそうじゃあねーっスか~~」 



音石「(オレはおまえにまた『殴られる』覚悟で来た…… 

それをこいつは、『学ばせてもらった』っつーのか? 

肩すかしをくったというか、人間がよくできた奴というか……)」

66 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 12:09:11.65 ID:TkN/X7X0

康一「みんな集まったね。 

ぼくがこんなこと言うのもなんだけど……本当にありがとう」 



玉美「へへ、水くせえっスよォーーッ」 



猫草「アギャッ!アギャ!」 



億泰「ン?どうした~ストレイキャット。 

……お、おっとォ!?」 



ミスタ「ん?おおッ!」 



フワ……ガシッ! 

猫草は空気の『ボート』を作り、億泰の手からミスタの手元に移った。

67 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 12:17:55.80 ID:TkN/X7X0

猫草「ンニャン♪」 



ミスタ「な、なんだァ~~~!?」 



間田「……ミスタさんにすっかり『なついてる』ね」 



噴上「(クンクン……猫が『ワキガの匂いが好き』という話は本当だったのか……)」 



ミスタ「植物とはいえ、猫かァ~。 

ガキの頃の『4』匹の子ネコを思い出すから、あまり好きじゃあねーんだよな。 

『寝てる時、ギターの練習をする隣人の学生』程じゃあねーけどよォ~~」 



ピクッ 



音石「……ああ!?てめー……今ギタリストを馬鹿にしたよなァーッ!!」

68 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 12:28:37.65 ID:TkN/X7X0

ミスタ「あ?おめー『ギタリスト』なわけ?」 



未起隆「ム……! 

ここはわたし『ギター』になった方が良さそうですね。『証明』しないと」 



賢「未起隆さん、さすがにそれは空気読めてないよ……」 



トニオ「『ケンカ』デスカ?こんな時にッ! 

二人共、タダじゃあおきませんッ!!」 



静「ちょっと、トニオさんも落ち着いて!」 



康一「ぷっ…………」 



静「……ん?康一サン?」 



康一「…ハハ……アハハハハッ! 

ごめんごめん……フフ。なんか…みんなを見てたら『ホッ』としたよ。 

露伴を『殺す』とか、そういうことを考えてたから……少し、気持ちがほぐれた」 



由花子「康一……」

69 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 12:40:40.09 ID:TkN/X7X0

ミスタ「(いや……康一は、おそらく露伴を『殺せない』。 

躊躇するのはいい、友達なんだから当然だ。 

しかし、その感情を持ってなお『殺すことを厭わない覚悟』。 

目的を遂げる為の覚悟が……足りないように見える。 

『漆黒の意志』だ。彼には、それが必要だ)」 



康一「ミスタさん、ぼくの顔に何かついてますか?」 



ミスタ「いや……なんでもない。 

(場合によっては、オレが露伴を殺すしかないな……)」 



音石「それじゃあ話していた通り、二手に別れて屋敷に侵入しよう。 

康一、由花子、ミスタは正門から先行。 

残りは三人の動向を見て続いて侵入。まずは一階の大広間まで進む」 



康一「それじゃあみんな……行こうッ!!」

70 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 12:52:56.95 ID:TkN/X7X0

・ 

・ 

・ 



ミスタ「しっかし、敷地の広さもそうだが『門』もバカでかいな。 

康一、右側を押してくれ。オレは左だ」 



康一「わかりました。……いつでもいけますよ」 



ミスタ「よし、開けるぜ。せーのッ…………ハッ!?」 



康一「門のところに……『スタンド』!?」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



ミューミュー「二人『さわった』な……『ジェイル・ハウス・ロック』」 



由花子「康一!ミスタ!あそこに女が二人いるッ!銃を持っているわ!」 



グェス「例えば今、ここから四発の銃弾を撃ったとする。 

おまえらは残り一発の弾丸を認識できない」 



ドバ!ドバドバ!ドバッ!

71 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 13:03:55.86 ID:TkN/X7X0

ボッゴォン! 



康一「ぐ…う……ッ!? か…肩がッ!?」 



由花子「なにィィイイイーーーッ!!? 

(康一の『ct3』なら弾丸程度弾き落とせるのにッ!一発くらった!?)」 



ミスタ「①康一がやられたッ!? ②いつの間にか女が二人いる!? 

③離れた!④銃を構えたぞッ!⑤ピストルズで狙撃だ! 

……って…『誰』をだ?誰を撃つんだ?オレは……? ハッ!?いつの間にか女が二人……」 



由花子「な……ミスタ!? 

いったいどうしたっていうのよッ!」 



グェス「『ミスタ』というのか。露伴のデータにはなかったスタンド使い。 

まぁ、何のスタンドかは知らないが……おまえも銃弾をくらえッ!!」 



由花子「……させない、『ラブデラックスッ!!』」

72 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 13:15:45.74 ID:TkN/X7X0

ドッパアアァアアーーーッ 



グェス「なッ!?銃弾が全て外れた!? こっ、これはッ!? 

銃口に『髪の毛』が!銃弾は『髪に沿って』拡散されていたのか!?」 



由花子「……うるせーぞ。あたしは今、康一の傷痕にしか興味がない。 

『折れなッ!!』」 



ギュバアアアァ! 



グェス「か……髪の毛が体に巻き付く!? や、やめろッ!!?」 



ボキボキ! バキィッ!! 



グェス「……あ…ぐはッ!?……ほ……骨が……」 ドサッ… 



ミューミュー「な……グェスッ!?ま…まずい!一旦距離を……!」 





ズンッ!

73 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 13:28:32.57 ID:TkN/X7X0

ミューミュー「お…重いッ!?」 



ドドドドドド… 



康一「あれ?あなた誰です?まぁ……そういう『声』が繰り返し聞こえたんで、 

とりあえず重くしますけど……」 



由花子「『ct1』の文字!『ちぢれ毛金髪女を重くしろ』 

のつぶやきを文字にして、自分の体に貼りつけたのね! 

そして……おまえも捉えたッ!」 



ギュバアアアァ! 



ミューミュー「か、髪が巻き付いてきた!?ま……待ってくれ!」

74 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 13:36:27.45 ID:TkN/X7X0

由花子「おまえも、露伴に操られているのよね? 

どうせ情報は聞き出せない。ここで再起不能になってもらうッ!」 



ボキボキ! バキィッ!! 



ミューミュー「……うぐえッ!?……あ……が……」 ドサッ… 



ミスタ「つ…強い!この『夫婦』はッ! 

一般人と思ってナメていたぜ……!!」 





由花子「康一……傷は大丈夫?」 



康一「うん……痛みでへこたれてなんていられないよ」 



バアアァァーン! 







≪グェス、ミューミュー 再起不能≫

75 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 13:50:07.83 ID:TkN/X7X0

- 一階 大広間 - 



音石「予想していたことだが……屋敷の敷地内には電気が一切通っていないな。 

バッテリーを多めに持ってきていて良かったぜ」 



ミスタ「露伴は二階の奥の部屋にいるんだったな。 

階段を昇った先に『三つの部屋』が見えるが、どこが露伴の部屋に通じているんだ?」 



康一「全ての部屋が通じています。 

だから、もしそれぞれの部屋に敵が分かれていた場合は……」 



音石「突入したはいいが、後ろからも攻撃される。 

つまり、『ハサミ討ち』の形になるわけだな……。それは避けたい。 

とはいえ、戦力はなるべく集中しておきたいな。 

誰がどこの部屋にいるかわかれば、対策も立てやすいんだが……」 



噴上「それなら、オレの出番だな」

76 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 14:03:11.43 ID:TkN/X7X0

噴上「静とジョースターさんに頼んで、三人の『荷物』を用意しておいた。 

これらを拝借して……」 



クンクン… 



噴上「……わかったぜ。承太郎さんは『真ん中』の部屋、仗助は『右』の部屋、 

そしておそらく……徐倫は『左』の部屋だ。 

(左の部屋だけ、なぜか『石鹸』のような匂いもするんだよなァ~~?)」 



音石「基本的には、一番の難敵である『承太郎』の部屋に戦力を集中するってとこかな。 

オレは、仗助のところに行かせてもらうが…… 

(承太郎を避けるのもそうだが、仗助へのリベンジも果たしたいしな。この機会によォ~~)」 



賢「ぼくも仗助さんの部屋に行く、少しでも長く足止めするよ。 

(……『あのジャンケン』以来、露伴と戦っても勝てる自信がないからなあ~~)」 



玉美「賢も行くのか?それならオレも一緒に行くぜェーッ」

77 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 14:18:07.35 ID:TkN/X7X0

由花子「それじゃああたしは、徐倫の部屋に行くわ。 

女には、『女の世界』がある」 



静「それならあたしも……と言いてーが、 

『アクトンベイビー』は今回の作戦の『要』だからな。 

あたしは行けない。由花子サン、どうか気を付けて……」 



間田「それじゃあおれとトニオさんは、この大広間で待機してるよ」 



トニオ「ワタシのスタンドは戦闘には不向きでス、スミマセン」 



ミスタ「よし!決まったな。音石たちも、時間を稼いでくれればそれでいいんだ。 

無理はするなよ。それじゃあ……行くぜッ!!」

78 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 14:26:31.57 ID:TkN/X7X0

- 露伴の部屋 - 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「いいか、他の奴らはできる限り『殺すな』。 

再起不能にまで追い込めばいい。康一くんを『服従』させる為の、駒だからな……」 



????「わかった。……『匂い』がまた近づいてきたな。 

報告だ。一階の大広間まで、奴らが来たぞ」 



露伴「……いよいよ来たか。 

楽しみだよ、康一くん。 

ファンタジー世界の『魔王』も、案外こういう気持ちなのかもしれないな。 

『勇者』の到着を、焦がれるように待つ……フフフ…フフハハハッ!!」

79 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 14:40:46.57 ID:TkN/X7X0

広瀬由花子は思い出す。 

屋敷に乗り込む前の、億泰との会話を。 





由花子「……『意外』?」 



億泰「ああ。なんつーかよォ、 

今回露伴に操られたのが、もしも『康一』で、 

『康一を守りたい』ってんなら、わかる。スゲーわかる。 

おまえさんは康一のことをマジに愛してるもんなァ~~ッ。けど、さっきの台詞。 

『杜王町を守りたい』ってのは、『意外』だぜェェ~~」 



由花子「……つまり『同じ』ことよ。あたしにとっては、ね……」 



億泰「グギギ…よくわかんねェーッ!」

80 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 14:51:16.53 ID:TkN/X7X0

・ 

・ 

・ 



徐倫「あなた一人なの?随分、自信があるのね。 

あたしの名は『空条徐倫』。スタンドの名は『ストーンフリー』。 

ねぇ、あなたの名前はなんていうの?」 



由花子「……『知っている』でしょう? 

露伴から、あたし達全員のデータを渡されているはずだもの」 



徐倫「もちろん。でもね……『合図』は必要よ。 

女同士。二人だけの戦い。つまり、これは『決闘』。始まりと終わりには合図がいる。 

だから始まりの『合図』を……言いなよ、あなたの口から」 



由花子「……そうね。あたしの名は…………ハッ!?」

81 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:01:35.62 ID:TkN/X7X0

シュルシュルシュル! ガシイィッ!! 



徐倫「フフフ……『油断』したわね。 

既にストーンフリーの『糸』は、這うように迫っていた。 

汚いかしら?でも、勝てばよかろうって思わない? 

あなたの頭部と、体の自由は奪わせてもらったわ。 

……オラァッ!!」 



ドゴォッ!! 



由花子「が…かはッ……!? 

(ま、まずい……!髪も体も……ほとんど動かせないッ!?)」

82 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:07:15.62 ID:TkN/X7X0

徐倫「そういえばあなた。夫の康一を高校生の時に、 

『監禁』したことがあるんですってね? 

どう監禁したのかしら?その髪の毛で縛り上げたのかしら?」 



ドガ!ドゴッ! 



由花子「う…く……ッ!?」 



徐倫「今はどう?少しは……その時の夫の気持ちがわかる? 

あたしは今、カキ氷をスプーンで潰してるくらいの気分だけどさあ~~」 



ドカッ!ドゴォ!!

83 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:14:27.73 ID:TkN/X7X0

由花子「ぐ……がはッ!?はぁ…はぁ……。 

か…勘違いすんなよこのビチグソが……!! 

あたしは康一に、こんな拷問なんかしていないッ!」 



ドゴォンッ!! 



由花子「あ…が……ッ!? 

(や…やばい、今のは『効いた』……だが、『口に入れた』わ。 

『目にもの見せてやる』……ッ!!)」 



徐倫「別に……どっちでもいいわ。拷問してようがしてまいがね。 

ん?『髪の毛』?髪の毛で……今ッ!『何か』を口に運んだなッ!? 

なんだ?何を口に入れたッ!?」

84 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:25:10.61 ID:TkN/X7X0

由花子「はぁ…はぁ……。『パスタ』よ。口に入れたのは……」 



モグモグ… 



徐倫「ぱ、『パスタ』だァ~~? 

どういうこと?最後の晩餐ってこと?」 



由花子「違う違う。 

ここだ、この口の中。よく見てみなよ……」 



徐倫「口の中……ですって?パスタでしょ? 

なにがあるっていうのよ?」 



ドドドドドド… 



由花子「これから『虫歯』が……飛ぶからよ」 



ボオォーン!! 



徐倫「……ハッ!?」

 

86 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:34:54.77 ID:TkN/X7X0

ガッ!! 



徐倫「う…うああああぁぁッ!!?目……目がッ!? 

左目に『歯』があああァァーーーッ!?」 



ドドドドドド… 



由花子「はぁ…はぁ……。主婦としては悔しいけれど、美味しいわ……。 

そしてようやく解いたわね、『糸』を。やれやれだわ」 



徐倫「て、てめーッ!!人の家系の台詞をパクってんじゃあないわよッ!」 



由花子「……一つ教えてあげる。 

あなたには『足りないもの』がある」

87 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:44:10.09 ID:TkN/X7X0

徐倫「『足りないもの』……だと!?」 



由花子「男は非効率的なものだったり、『遠くを見る』生き物。 

対して女は、何か一つの物事を『深く見る』生き物」 



徐倫「ず、ズタボロの体で何言ってんだァァーーッ! 

歯で撫でた傷一つで、有利に立ったつもりか!?『深く見る』? 

現実を全く『見えて』ねーのは……てめーだコラァァーーーッ!!」 



ドドドドドド… 



由花子「あなたに足りないもの、それはッ! 

思想!理念!頭脳!気品!優雅さ!勤勉さ! 

そしてなによりもォォォオオオオッ!!愛の……」 



徐倫「『ストーンフリーィィィィーーーッッ!!』」 



由花子「『深さ』が足りないッ!!!」

88 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:44:37.77 ID:TkN/X7X0

ギュバアアアァ!! シュルシュルシュル!! 

ガシィッ! ガシィッ! 



髪の毛が徐倫の体に巻き付く! 

糸が由花子の体に巻き付き、両の拳が由花子に迫る! 





由花子「うおおあああアアアァァァァーーーーッッ!! 

ラブラブラブラブラブラブラブラブ……ッ!!」 



徐倫「うおおおおおオオオォォォォーーーーッッ!! 

オラオラオラオラオラオラオラオラ……ッ!!」 





ボキボキ!ベキッ!ボキィッ!! 



ドガドゴ!ドカッ!ドゴォッ!! 





徐倫「オラァッ!!」 



ドゴォォンッ!! 





由花子「……!!『怯む』、と……!!…思う?これしきの…… 

これしきのことでよォォォオオオオ!! 

あたしたちはね、何事もなく…みんなでこの杜王町で暮らしていくわ。 

それじゃあね……『空条徐倫』」 





バキィィッ!!!

89 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:45:15.20 ID:TkN/X7X0

徐倫「が……がふッ!?……み…見事よ『広瀬由花子』…… 

そし…て……」 



由花子「……『ラブ・デラックス』。 

これが、あたしのスタンドの……『名前』」 



徐倫「そう……愛のある…『名前』……ね」 



ドサッ… 





由花子「はぁ…はぁ……はぁ……た、倒した……! 

けど、あたしももう…… 

クソッ…!しこた…ま……殴りやがって……」

90 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/24(金) 15:45:54.97 ID:TkN/X7X0

広瀬由花子は思い出す。 





康一との出会いを。 

ときめきを。 

恋心を。 

初めての口づけを。 



そして、美しい町『杜王町』の中で育んだ、康一との『愛』を―― 





由花子「あたしが…『守る』…んだ。 

『康一』を……。こ…の『町』…を……」 



ドサッ… 







≪広瀬由花子、空条徐倫 再起不能≫

93 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/24(金) 15:58:26.91 ID:BJMEYzxCo

乙 



まさかのダブルノックアウト

94 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 10:19:18.36 ID:rSl910d60

音石明は思い出す。 

屋敷に乗り込む前の、億泰の言葉を。 



「オレもあの一件で色々『学ばせてもらった』んスからねェー」 





……億泰のことを『アホ』だとか言う奴がいるが、そうは思わない。 

億泰は、賢く、豊かな人間だと……オレは思う。 



誰が言ったか、『楽しい思い出を作り、嫌な思い出を忘れる。 

記憶の構築と欠如がなければ、人生はこんなにも豊かなものにはならない』 



その通りだと思う。だが嫌な思い出を忘れるどころか、 

それどころかあいつは『学ばせてもらった』と言った。 

嫌な思い出を、欠如するのではなく、むしろ自分の糧にしたのだ。 

『反省』した人間は強い。 

やはり億泰は、賢く、豊かな人間だと……オレは思う。 





ではオレは……

95 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 10:30:01.10 ID:rSl910d60

音石「……ボロボロの状態から、ここまで成長したオレの『チリペッパー』。 

オレと仗助の『成長』。どちらが上か、確かめてやるぜ……!」 



大柳「音石さん?自信があるのか焦ってるのかわからないけど…… 

一人じゃあ、たぶん『仗助』には勝てない。仗助はちょっとした『百戦錬磨』だよ。 

あのさ、ぼくに作戦があるんだけど……」 



・ 

・ 

・ 



仗助「三人来たか。音石明に、玉美に、大柳賢か。んん~~~? 

おいおい、もう足に『きてる』んスかあ~~?音石先輩に玉美先輩よォ~。 

『お疲れ』ならよ、すぐに……寝かしつけてやるよ」 



賢「待ちな。戦うのはぼくだよ。仗助ッ!」

96 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 10:42:06.75 ID:rSl910d60

仗助「小僧、おめーと『ジャンケン勝負』してる暇はねェーッてよ」 



賢「じゃあさ『スタンド勝負』……しようよ!!」 



ドドドドドド… 



仗助「ああ~~?おめーの『ボーイⅡマン』で、 

オレの『クレイジーダイヤモンド』に勝てるわけが…… 

ンン!?……なんだその『スタンド』は?」 



賢「二人のスタンドを吸収し、『ボーイⅡマン』と『合成』した。 

名付けて……『ロックボーイチリペッパー!!』」 



音石「(だ、ださい……)」 



玉美「(か、カッコイイ……!)」

97 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 10:52:15.95 ID:rSl910d60

仗助「なるほど……スタンドを吸収されたから、 

あの二人は『足にきてた』ってわけか。 

チリペッパーのスピードとパワーを持ち、攻撃されれば『錠前』をつける。 

中々グレートだぜ。だが……『欠点』が二つある」 



仗助「一つ。スタンドはその者の才能だ。 

『チリペッパー』は確かに並外れたパワーとスピードを持っている。 

しかし、てめーが『音石以上』に扱えるわけがねェー」 



賢「……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



仗助「そしてもう一つ。これが『致命的』だな。 

『ザ・ロック』は罪悪感の大きさに比例して効果が増していく。 

だがオレはてめーらを血祭りにあげることに…… 



そもそも『罪悪感』なんか感じない」

98 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 10:58:23.09 ID:rSl910d60

賢「うおおおおッッ!!」 



仗助「これは『自業自得』だ、小僧ッ! 

おめーがイキがってなけりゃあなあああァァッッ!! 

『クレイジーダイヤモンド』、ドララララァーーーーッ!!」 



一瞬…… 

玉美は、何が起こったか理解できなかった。 

勇んで挑んだ『大柳賢』が、自分の顔の横をものすごいスピードで通過していき、 

壁に叩きつけられたのだ。 



ドグァオンッ!! 



賢「…あ…あぁ……う…うぅ……」

99 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 11:10:33.24 ID:rSl910d60

玉美「け……けええェェーーーーんッッ!!!」 



仗助「よええぇぇーなァッ!!『一撃』だッ! 

たかる蚊を振り払う程度の感触! 

この弱さはたしかに『可哀そう』だぜええェ~~ハハハハハッ!! 

……んん?合成は『解除』されたようだな…… 

じゃあ次は…おめーかい?音石……先輩よォ~~」 



ドドドドドド… 



音石「仗助……てめェーーーッ!!見せてやるぜ!本場のオレの…… 

『レッドホットチリペッパー』をォォーッッ!!」 



仗助「ドララララララァァーーーーッ!!」 



ドババッ! ドバババッ!!

100 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 11:24:02.63 ID:rSl910d60

ドガ!ドゴッ! ドグォンッ!! 



音石「か…はッ……!?せ…競り……負けただ…と……!?」 



ドサッ…… 

強烈なボディブローを受け、音石は地面に倒れ込んだ。 



仗助「一度オレを競り負かしたスピードとパワー! 

あれは『町中』の電気があって初めてできるようだな。 

『ノロい』ぜええェェーーーッ!! 

電気を『味方』にできないてめーのスピードじゃあ、 

『クレイジーダイヤモンド』は捉えられんよのォ~~ッ!」 



音石「こ、ここまで…力の差が……あるなん……て」 



仗助「『反省』だらけの人生だなァーーッ!ハハハハッ!! 

さァて……玉美ちゃんはどーすんだああァァ~~~?」

101 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 11:35:54.36 ID:rSl910d60

ドドドドドド… 



玉美「……てめーが罪悪感を感じるっつーのは、 

『そうなればラッキー』くらいに思っていた。それは賢も同じだ。 

賢は初めから、合成したスタンドじゃあ勝ち目がないとわかっていた。 

なのになぜ、賢は最初に挑んだのか? 

それは……てめーを少しでも『疲れさせる』為だ。 

それだけのためによォ……!!自分を犠牲にしてえええェェーーーッ!!」 



ダッ! 

玉美が拳を握りしめ、仗助に向かって駆け出した! 



玉美「賢はッ!後はオレ達に『任せた』って言ったんだよォォーーッ!!」 



仗助「ああ~~?チンケな錠前しかないオメーが『殴り』に来てんのか? 

ハハハハッ!こりゃケッサクだぜッ! 

玉美ッ!!テメーのスタンドが一番なまっちょろいぜ!何もできねーんだからなァ!! 

ドララララララァァーーーーッ!!」 



バギ!ドゴォッ! ドゴォンッ!!

102 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 11:47:03.73 ID:rSl910d60

玉美「ぐ…お……か…はッ……!?」 



仗助「玉美ちゃ~~~ン。強烈だろ~~?」 



玉美「はぁ……はぁ……あ、安心しろ……。安心…しろよ……! 

オレがお前を……必ず『守る』ぜ、け…ん……!!」 



仗助「ハハハハッ!もう息も絶え絶えだな。 

ん?なんだ、玉美の体に……『錠前』がついている? 

……ひょっとしてあれか?あまりに自分が弱過ぎて、 

『自分への罪悪感』でも感じたのかーーッ!? 

アヒャヒャヒャヒャーーーッ!!!」 







ズンッ!!

103 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:01:53.11 ID:rSl910d60

仗助「か、体が……『重い』ッ!?」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



仗助「こ…康一か!? 康一が近くにいるのかッ!? 

……い、いや違う。これはまさか……」 



ザワザワザワザワ… 

玉美の髪の毛が逆立ち始める。 



仗助「……康一が、以前言っていた。 

自分でもよくわからないが『スタンドが成長する時』に、 

ドラゴンボールのように『髪の毛が逆立つ』ことがあると!!」

104 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:13:15.34 ID:rSl910d60

ドドドドドド… 



玉美「そう……これは『支配』という名の束縛だ。 

この『錠前』がついた者を攻撃すると、そいつを束縛する。 

『ザ・ロック』はオレの気持ちに呼応し、成長した。 

『守りたい』。自分を…そして『賢』を……」 



仗助「な、なに言ってやがる!……ハッ!? よ、よく見ると玉美だけじゃあねぇ。 

小僧にも『錠前』がついている……!」 



玉美「名づけるぜ、この成長した能力。 

『ザ・ロック・ラブレイン(愛の支配)』!!」

105 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:26:40.11 ID:rSl910d60

仗助「そ、その…『錠前』を攻撃したから、 

オレの体が……『重くなった』っつーのかよォォーーーッ!?」 



ドドドドドド… 



音石「はぁ…はぁ……よく…やったな玉美。 

動けないモンを殴るなんてことは、普通なら感じるだろうが…… 

今のてめーには、全く感じねーぜ……仗助。 

『罪悪感』……なんてなァーーーッ!!」 



仗助「や…やめ……ッ!?」 



ズドズドッ! ズドォオンッ!! 



仗助「……ぐ…ばッ!?こ…この……オレが……」 



ドサッ… 



音石「……一つ勘違いしてるぜ、仗助。 

オレの『味方』は、電気だけじゃあ……ねェんだぜ」

106 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:35:46.84 ID:rSl910d60

玉美「仗助は…倒したが……はぁ……はぁ……」 



音石「オレたち三人も…ここで……脱落だな。 

何ヶ所か骨が折れてやがる……急に痛みが出てきやがった。はぁ…はぁ……。 

まぁ、これはヘブンズドアーが解除されたら、仗助に『治して』もらおうぜ」 



玉美「そうだな……ん?賢、どこに行こうっつーんだ?」 



賢「『思い出した』ことが……あるんだ。露伴を『殺す』必要なんてない…… 

はぁ…はぁ……。ぼくは…一人でも、露伴のところに…行…く……」 ドサッ… 



玉美「け、賢ッ!?」 



音石「……気絶しちまったみたいだ。 

なんだ?……なにを『思い出した』んだ?」 







≪大柳賢、東方仗助 気絶≫

107 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:36:23.64 ID:rSl910d60

オリジナルスタンド名『ザ・ロック・ラブレイン(愛の支配)』 





玉美自身、もしくは玉美が守りたいと願った者に『錠前』をつけることができる。 

その『錠前がついた者』を攻撃すると、ダメージ量に比例し行動の束縛を受ける(体が重くなる)。 



愛とは、『ある物事を好み、大切に思う気持ち』であり、 

『個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心』である。 





名前の由来は、イギリスロックバンド『Th Who』の 

アルバム『Qudrophni』内の楽曲『Lov Rin o'r M』に由来。 



※ちなみに錠前の元ネタと思われる楽曲『Th Rock』は同アルバムのディスク2の6曲目、 

『Lov Rin o'r M』はその次の曲となっている。 





なぜ、『重くする』能力になったのか? 

それは康一への『憧れ』が影響したのかもしれない。

108 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:44:47.72 ID:rSl910d60

噴上裕也は、自分の『ハイウェイスター』を見る時いつも思い出す。 

『レイコ』、『アケミ』、『ヨシエ』の三人を。 

自分が入院した時に、献身的に尽くしてくれたあの三人の女性を……。 





近所の住人「噴上さん。お宅の裕也くんは、彼女をいつも三人連れています。 

特定の一人と会っているところを、見たことがありません」 



母「それが…恥ずかしいことですが… 

親であるわたしにも、なにが原因なのか……」 





一生で真に気持ちが通い合う異性がいったい何人いるのだろうか…? 

母には父がいる。父には母がいる。自分には…… 



杜王町で暮らしている三人のことを考えると、胸が熱くなる。 

彼女たちを…彼女たちのいるこの町を……『守りたい』

109 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 12:52:58.08 ID:rSl910d60

ドドドドドド… 



承太郎「……後ろにも一人いるようだが、まずはおまえが最初か。 

噴上裕也、そして『ハイウェイスター』」 



噴上「(康一たちの情報によると、承太郎の時間停止は『2秒程度』だ。 

この間合いなら、ギリギリ攻撃は届かない……)」 



承太郎「(この間合い……停止時間が『2秒』しかないと、勘違いしているな?) 

ならば……味わいな。スタープラチナの真の能力は、 

まさに『星の明滅を体感する』能力だということを! 

『スタープラチナ・ザ・ワールド!!』」 



ドオォーンッ!

110 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 13:10:33.98 ID:rSl910d60

承太郎「……オレは今『5秒』時を停止することができる。 

残念だったな……噴上裕也。オラァッ!!」 



ドッゴオァンッ!! 



承太郎「……『星が瞬く』が如く、 

貴様は次の瞬間には吹っ飛ばされる。時は動き始めた……」 





ドッバアーーーッ 

バグォンッ!! 



ミスタ「こ…これはッ!? い…いきなり…… 

壁まで吹っ飛ばされている!!ば、ばかなッ!?承太郎は一歩も動いていない! 

停止できる時間から考えても、奴はなにもしていない! 

『他に』スタンド使いがいるのか!?」 



噴上「い…いったい……何が起こったのだ… 

やられてしまったのか……う…動けない……」

111 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 13:25:37.66 ID:rSl910d60

噴上裕也が気絶する前に思うこと…… 

それは最後に浮かんだ『奇妙な疑問』だった。 



なぜ、承太郎は一歩も『動いていない』のだろう。 

なぜ、承太郎から突然微量の『汗』の匂いを感じ始めたのだろう。 

一歩も『動いていない』のに……、この汗のタイミングは、『動いた』としか思えない。 

なぜ……? 



わ…わかったぞ。それしか考えられない…… 

承太郎は、『5秒以上』時を止められるのだ…… 

5秒あれば、近づき、攻撃し、そして元の場所に戻ることも可能……! 



噴上「ミ…ミスタッ!!他には誰もいない!……ゴフッ!?はぁ…はぁ…… 

ご、『5秒』だ!承太郎の停止できる…時……は!5秒…以…上!な……んだ……」 



ドサッ… 



ミスタ「ご…『5秒以上』だって!?」 



ドオォーンッ!

113 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 13:37:17.38 ID:rSl910d60

承太郎「わかったところで……遅かったようだな。 

『ミスタ』とやらまでは、十分近づける距離だぜ。 

……時は動き出す」 





ミスタ「うっ!?じょ、承太郎が……き、消えたッ!」 



承太郎「……後ろだぜ。まずは、空気を操り防御するスタンド使い。 

その手に抱えた『ストレイキャット』を奪わせてもらう。オラァッ!!」 



ミスタ「し…しまっ……!?」 



未起隆「させませんよッ!!」

114 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 13:49:05.52 ID:rSl910d60

ブオンッ!! 



承太郎「な、なにッ!?間一髪、避けられただと!?」 



ドドドドドド… 



未起隆「『スニーカー』に変身していて良かったッ! 

『ミスタさんの力』と『わたしの力』で、速さも跳躍力も2倍になってますからね!」 



ミスタ「や…役に立つじゃあねーか……オメーッ! 

承太郎!!これを食らいなッ!『セックスピストルズッ!!』」 



ガーン!ガァン!ガアァーン!! 



承太郎「どこに向かって撃……ハッ!?」

115 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:02:40.94 ID:rSl910d60

ミスタ「……狙いはバッチリだぜ、 

ピストルズの跳弾はなァァーーーッ!!」 



ピストルズ「キャモオオオーーーン!パスパスパース! 

イイイーーーッ!ハァアアアーーーッ!!」 



承太郎「『スタープラチナ!!』」 



バシッ!バシ!バシィ!! 



ミスタ「三発……全て弾かれたッ!? 

クソッ!康一が『最強』というだけはある……!!」 



承太郎「あの『スニーカー』は中々厄介だな、一瞬で距離をとられる。 

しかし、2倍の速さで動く相手だろうが、リング上のボクサーと変わらない。 

動く範囲は限られている。 

『スタープラチナ・ザ・ワールド!!』」 



ドオォーンッ!

116 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:07:35.17 ID:rSl910d60

承太郎「……おっとミスタ。そういえば空気弾でガードしているんだったな。 

仗助の記憶によると、この『猫草』はそれが可能らしい。 

だが猫草は今『奪い取って』やった。……そして時は動き出す」 





ミスタ「ハッ!? 

て、手元にいた『猫草』が奪われているッ!? 

ミキタカッ!早く離れ……」 



承太郎「遅いぜ。オラ……」 





ズンッ!!

117 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:17:20.16 ID:rSl910d60

『ACT 3 FREEZE!!』 

「射程距離5メートルに到達しました!S・H・I・T!!」 



パッ パッ 

康一と億泰のスタンド、 

『エコーズ』と『ザ・ハンド』の姿が、突如部屋内に現れた。 



ドドドドドド… 



康一「『射程距離内』ですよ、承太郎さんッ!!」 



承太郎「こ、これは『エコーズ』と『ザ・ハンド』!? 

……アクトンベイビーは物体と生物の『透明化』ができる。 

透明化した康一くんと億泰のところに……ミスタは『誘導』していたというわけか」

118 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:30:28.72 ID:rSl910d60

億泰「リタイア、してもらいますぜェェーーーッ!! 

ウオオオオオ!ウダラァーーーッ!!」 



ドカッ!ドゴ!バギ!! 



ミスタ「続けてくらいなッ!!」 



ガアァーンッ! 

ボゴォッ!! 



承太郎「う……」 ドサッ… 



康一「弾丸は皮膚と頭蓋骨をちょっぴり削り取り、かすめていった! 

承太郎さんは完全に気を失ったぞッ!!」 



ミスタ「あとは……露伴の部屋だな」 







≪噴上裕也、空条承太郎 再起不能≫

119 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:42:46.47 ID:55OJyBjE0

・ 

・ 

・ 



気絶している噴上裕也の姿を、康一は眺めている。 



康一「あ、あの……ミスタさん!」 



ミスタ「ん?どうした?」 



康一「……なんでミスタさんたちが『先行』するんですか? 

透明化をして全員で向かって、それで露伴を叩けばいいと思うんですけど……。 

承太郎さんも透明化には気付かなかった、露伴もきっと気付かない」 



ミスタ「……その方が、先行した『噴上裕也』のように、 

犠牲を出さないと思うからか?」 



康一「はい……そうです」 



ミスタ「康一、その考えは間違いだ」

120 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 14:51:10.46 ID:55OJyBjE0

ミスタ「相手がもし透明化の能力を『知らなかった』場合だろうが、 

『全員』で挑むことに、オレは賛成できない」 



康一「……」 



ミスタ「もしも、最初に戦った女二人のような『新手のスタンド使い』がいて、 

そいつの能力が部屋全体に効果を及ぼすものだとしたら? 

オレたちは全滅だ。『全滅』だけは避けなければならない。 

だから、オレたちが『先行』するんだ。 

戦力はできるだけ集中する。しかし、全滅の可能性も考慮する。 

両方やらなくちゃあならないから、このミッションは大変なんだ。 

操られている仲間を救うんだろう?」 



康一「はい……」 



ミスタ「ピストルズの跳弾を、『ヘブンズドアー』では防ぐことはできない。 

新手がいなけりゃあ、オレがそのままケリをつけてやるぜ。安心しな」

121 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:03:08.78 ID:55OJyBjE0

康一「……わかりました。ミスタさんの言う通りだ。 

ぼくらには『やらなければならない』ことがある」 



ミスタ「よし、まずはオレと猫草、ミキタカで突入する。 

その10秒後に、おまえらも突入してこい」 



康一「はい、わかりました!」 



未起隆「わたしも了解しました!また『スニーカー』になっておきますね」 



猫草「アギャッ!」 



静「パパッと、やっつけちゃっていいからねェ~~~」 



億泰「ミスタさん、頼りにしてんぜェーーーッ!」 





『頼りにしてる』……か。ここまでの戦いぶりを見て、 

オレはおまえを『頼り』にしているんだぜ、『康一』…… 





ミスタ「じゃあ……突入だッ!!」

122 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:15:17.34 ID:55OJyBjE0

10…9…8…… 



康一「(10秒……あっという間だ。 

いよいよ……決着の時だぞ、露伴!!)」 



「……てめーが『露伴』だな?一人だけか?」 



「『見えない』かい?『ボディガード』もいるよ……ほら、そこにね」 



メキャッ!!!ドゴァオオン!!! 



「ニ…ニギャーーーッ!?」 



「ぐ…ああアアァァーーーッ!!?」 



「な!?ミスタさ……」 



シュバ!シュバ!ズッバァ!!! 



「う…うあああああーーーッ!!?」 



康一「(な…な、なにが起こっているんだ!?……クソッ!!)」 



ダッ!

123 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:27:38.06 ID:55OJyBjE0

ゴゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「康一くん。ついに辿り着いたね……」 



康一「こ…これ…は……」 







康一がそこで見たものは…… 



花(顔の部分)がねじ曲がり、呼吸のままならない猫草。 



人間業とは思えない力で、壁に張り付けにされたミスタ。 



そして鋭利な刃物で全身を切られ、気絶し変身の解除された未起隆。 



だった。 







康一「た……たった10秒の間に…… 

な…なにを……なにをしたんだッ!!ろはァァァーーーーんッッ!!!」

124 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:38:17.95 ID:55OJyBjE0

露伴「フフフ……『わたしは』何もしていない」 



康一「この部屋にはおまえしかいない!!嘘をつくなッ!!」 



露伴「おいおい、知っているだろう? 

わたしのスタンドは『ヘブンズドアー』。 

人間を壁に『張り付け』にしたり、『切り刻む』なんてことは、 

『わたしには』できないよォォ~~~」 



康一「貴様……!!」 





静「(いいぜ康一サン!そのまま引きつけといてくれ! 

その間に、あたしと億泰が露伴を……)」 







ズッバァッ!!!

125 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:55:01.50 ID:55OJyBjE0

静「え……?う…あ……ああああァァーーーッ!!?」 



康一「あ…『脚』が……!!?」 



そこには、切断され透明化の解除された、静=ジョースターの『脚』が転がっていた。 



露伴「『女』の叫び声……。 

そしてあの脚のサイズ、声の主は『静=ジョースター』か。 

透明化でそろそろ接近してくる頃だと思っていたぞ。しかし残念だ。 

この部屋には、『究極の』ボディガードがいるのでねェ~~~ッ」 



ジワアァーーッ… 

叫び声がした方向の床に、血が滲みだしている。 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「(そんな……透明化はすでに読まれていたなんて……!?)」 



露伴「フン。アクトンベイビーを解除しないな。姿が見えん。 

片脚を切断されたのに、まだスタンドを保ち続けるとは大した精神力だ」 



億泰「(静おめー……そんな無茶を!!)」 



静「(……だ、黙ってろよ!億泰サン。はぁ…はぁ……)

126 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/25(土) 15:55:50.80 ID:55OJyBjE0

康一「クソッ…!誰だ!?誰がここにいるんだ!?」 



露伴「静の脚を『切った奴』のことを言っているのかなァ~~? 

んッン~~~でも『人』ではないんだよなあ、これがああ~~~」 



康一「人じゃあない!?『動物』か!?動物がここにいるのか!?」 



露伴「ハ ズ レだよ~~~~ン!アハハハハハッ! 

『動物』でもないんだよなァ~~~。答えを知りたいかい康一くゥゥ~~~~ン?」 



康一「……クッ!」 



露伴「フフフ……ハハハハッ!!冗談だよ、康一くん。教えてあげるよ。 

わたしはな…… 







『究極の生命体(アルティメット・シイング)』を、我が僕(しもべ)としたのだ」

128 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/25(土) 15:58:23.71 ID:yS5v5Rwo

え? 



……カーズ様?
 




131 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/25(土) 16:30:54.78 ID:HpN78Lh0

カーズ様が敵とか…… 

これもう無理ゲーじゃね?

135 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 11:37:18.71 ID:5YPM90

~お詫び~ 



申し訳ありません。 

原作で死亡しているであろう『ヴィヴィアーノ=ウエストウッド』が、 

実は『生きていた』という前提で、話の続きを書かせて頂きます。 



今の今まで、原作で『死んでいない』と勘違いしていました。 

よくよく読み直してみたら、死んでるっぽいですね…… 



話の破綻から打ち切りも考えましたが、 

ウエストウッドが存命していたというifのもと、最後まで書ききる方向で進めます。 





本当に失礼いたしました。 

それでは続きを書き込ませて頂きます。

136 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 11:39:01.18 ID:5YPM90

- 回想 - 



ペラ…ペラ… 



露伴「ジョースターの記憶。中々興味深い。 

『カーズ』という名の『柱の男』は地球を追放された……か。 

『究極』の力を持とうとも、地球に降り立てないならば意味はないな。 

……いや、待てよ。徐倫の記憶にあったあの『スタンド使い』」 



ペラ…ペラ… 



露伴「これだ……隕石を『引き寄せる』能力。 

こいつの能力をヘブンズドアーで『書き換えれば』、何とかなるかもしれん。 

場所は『GDt刑務所』か……」

137 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 11:50:29.63 ID:5YPM90

- GDt刑務所 - 



露伴「おい……そこの職員」 



職員「ン?」 



露伴「『ヘブンズドアーッ!』 

……貴様に命令する、この『三人』を呼び出してこい」 





「はい、そうです。あなたに用があるとのことです。『ミュッチャー=ミューラー主任看守』」 



「……お前に面会だ、準備しろ。囚人番号FE18081『グェス』」 



「ええ、何か話があるみたいですよ。『ヴィヴィアーノ=ウエストウッド看守』」 





露伴「『ヘブンズドアー!!』 

……これで三人は傀儡と化した。必要な権力者へのヘブンズドアーによる根回しも済んだ。 

あとは場所だな。行くぞ……無人の荒野がいい」

138 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 11:54:31.85 ID:5YPM90

・ 

・ 

・ 



- 荒野 - 



露伴「……よし。 

それでは能力を二つ書き換えさせてもらうぞ、ウエストウッド。 

書き込む『文面』は…… 



①下記の『生物』だけは燃え尽きて塵に『ならない』。 

②引き寄せるのは『隕石』ではなく…… 



『究極生物カーズ』 だ」

140 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:12:46.36 ID:5YPM90

ゴゴゴゴゴゴ… 



ウエストウッド「……来た」 





カッ―― 



ズドドドドオオオオオオオオォォォォォォーーーーーーーーンンンンンンッッ!!!!!!!!! 





ミューミュー「……カーズがきたぞッ!!」 



徐倫「これだけウエストウッドと離れたのに……すごい衝撃ね」 



グェス「小規模ながら、『クレーター』ができている」 



承太郎「ウエストウッドは衝撃で死んだようだな」 



仗助「飛び散ったカーズの肉片が集まっていく…… 

あんな細切れになったのに、もう『再生』しやがった!」 





カーズ「こ、ここは『地球』かッ!?フフフフフ…フフハハハハハハーーーッ!!! 

ついに!ついに帰ってきたぞッ!! 

最高に『ハイ!』な気分だアアアアアアハハハハハハハハハハーッ!! 

ンッンン~~~?なんだ?人間が六人いるなァ~~?」

143 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:23:02.44 ID:5YPM90

仗助「カーズがオレたちに気付いたようだ。 

傷は『治す』からよォー、それじゃあ頼むぜェ~~ッ」 



徐倫「やれやれって感じだわ、引き寄せる為の『餌』にされるなんてね。 

……おい『カーズ』ッ!!あたしは『ジョセフ=ジョースター』の子孫! 

おまえを始末しに来たッ!!」 





カーズ「……ほう?奴の『子孫』か。……面白い。 

『波紋の一族』、今度こそ根絶やしにしてくれるッ!!」 



ドシュンンッッ!! 

ドスッ!! 



徐倫「が…はッ……!?あ、あれだけの距離を…一瞬で……!? 

は…速過ぎる……!?」 



承太郎「『スタープラチナ・ザ・ワールドッ!!』」 



ドオォーンッ!

144 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:33:47.28 ID:5YPM90

承太郎「だが、止まった時の中なら速さは関係ない。 

ダイヤの硬度すらへし折るラッシュだ……味わってみな。 

オラオラオラオラオラオラオラオラーーーーッッ!!」 



ドゴ!ドゴォッ!ドガ!ドゴォン!! 



承太郎「そして時は動き出す……」 





カーズ「ぐ……ムウッ!? なんだ? 

何十発も『同時』に殴られた……だと?」 



承太郎「!? 

……やれやれだぜ。全く堪えねーとはな。 

初めて出会ったぜ。こんなガンジョーな『生物』は」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



露伴「しかし、それで十分だ承太郎。 

『一手』……遅れたな。『ヘブンズドアーーーッッ!!』 

フフフ…フフハハハハッ!!」

145 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:43:19.11 ID:5YPM90

- 現在 - 



ゴゴゴゴゴゴ… 

ゴゴゴゴゴゴ… 



カーズ「……ようやくお披露目か」 



カメレオンやイシガレイのように、 

『背景に同化』していたカーズが姿を現す。 



康一「あ……あぁ……。き、聞いたことがあるッ! 

ジョセフさんから昔!『カーズ』という名の究極生物がいたって……! 

神のような、人間には決して倒し得ない敵がいたって……!!」 



露伴「それが『こいつ』だよッ!!ハハハハッ!! 

視力は天体望遠鏡並。 

聴力はコウモリからクジラの鳴き声まで全てを聞き分けられる。 

そして嗅覚もサメのそれと同様。1km先だろうと『匂い』で探知できる。 

カーズ。そこに転がってるボロゾウキン以外でだ。 

今この部屋に、わたしと康一くん以外には何人の匂いがある?」 



カーズ「『2人』だ」

146 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:51:47.98 ID:5YPM90

静「(……クソッ!億泰サンの透明化もばれてやがる!しょうがねぇ… 

『自分だけ』だ!アクトンベイビーを一部だけ解除するッ!)」 



スウゥゥゥー…… 



露伴「おッ!ようやくそのツラを拝見できたよ。静=ジョースタァァァ~~~。 

脚から流れ出る血の量も相当だな。 

その状態でまだ一人分透明化しているとは、大した奴だよ君は」 



静「このゲス野郎が……ッ!!」 



露伴「ンッン~~~。いいねぇ、その眼差し…… 

そうだカーズ。昔『ジョセフ=ジョースターの母親』にお前がやったことをやってみろよ。 

『記憶』っていうのは、こういうことに生かさないとねェ~~~」 



静「な……なにをするつもりだてめーーッ!?」

147 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 12:58:43.85 ID:5YPM90

ガシッ! 

カーズは静の残った片脚を掴むと、そのまま空中に吊し上げた。 

そして…… 



カーズ「ウィンウィンウィン、ウィンウィンウィン……」 



露伴「アハハハハーーーッッ!!」 



康一「ぐ……!!」 



億泰「(あ……あの野郎……!!)」 



カーズ「ん?人間の女のくせに、体重が少しばかり『重い』んじゃあないか?」 



静「……ケッ!気色わりーな化け物。だが、む…胸だけは触るんじゃあねーぞ!」 



露伴「……おやあ?『胸を触ってくれ』と聞こえたなァ~~。 

フフフ……『ないもの』は触れんと思うが、 

折角の『リクエスト』だ。応えてやれ……カーズ」

148 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:11:47.21 ID:5YPM90

カーズの手が静の胸部に向かって伸びてくる。 



静「(……もう少し、もう少し手を伸ばせ……よし!)」 



プッツン! 



億泰「うおおあああッ!!もう『我慢』するのは面倒くせェェーーーッ! 

このダボがァァーーーッ!!くらえ『ザ・ハンド』ッ!!」 



静「お、億泰サン!?」 



ドドドドドド… 



透明化していた億泰が『ザ・ハンド』を繰り出し、その『右手』がカーズに迫る! 



カーズ「その『右手』のことは知っている。貴様の自慢の右手……。 

しかし『受けよう』。ジョセフの娘よ、それが貴様の根性に対しての『サービス』だ」 



ガオン!! 



『ザ・ハンド』がカーズの頭部を『削り取った』。

149 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:18:53.14 ID:5YPM90

億泰「頭だ…!削り取ってやったぜッ!!や、やったかッ!?」 





カッ!!……ボンッ!!! 







億泰の『左腕』が宙を舞った。 

かつての『ジョセフ=ジョースター』のように…… 







億泰「う……うあああああぁぁぁぁっっ!!!?」 



カーズ「ンンンン、いい声だ!実にいい響きだ。 

その絶叫を……聞きたかったぞ!!」

150 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:29:05.20 ID:5YPM90

億泰の透明化が解除されていく。 



億泰「あ…あぁ……お、オレの左腕が……」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



静「け…削り取ったカーズの頭部がもう……『再生』している……!!」 



露伴「カーズはどんな傷も短時間で修復できる。頭部でさえも……な。 

そして、『サービスタイム』はもう終わりだ。 

カーズのスピードはスタープラチナやクレイジーダイヤモンドですら凌駕する。 

貴様のザ・ハンドではもう二度と、攻撃を当てることはできん」 



康一「し、しかし!いくらスピードがあろうと、 

ぼく達のスタンドが『見えなければ』、まだわからないッ!!」

151 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:33:15.14 ID:5YPM90

カーズ「……いや見えているぞ。『さっきから』な……」 



康一「!?」 



露伴「マヌケがあああッ!! 

すでにカーズにはスタンドが見えるよう『書き込んで』いる。弱点はない。 

そう、カーズは『神』になったのだ。 

人間は『神』にだけは勝てない。『服従』しかないんだよ。 



わ か る か い?康一くゥゥ~~~~~ン」

152 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:33:53.69 ID:5YPM90

ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「そ…そんなまさか……ッ!!」 



ブオン! 

康一はct2の拳をカーズに向け振るうが、カーズはそれをなんなく避ける。 



露伴「ん?なんだい康一くん。『エコーズct2』? 

両拳に『ガオン』の文字がついているが……まさか『削り取ろう』っていうのかい?」 



康一「……クソッ!!」 



露伴「まぁ、億泰と二人でなら、カーズの再生力を上回れるかもなあああ~~~。 

だがカーズはスタープラチナやクレイジーダイヤモンドを上回るスピードを持っている。 

しかもスタンドも『見える』。さっき言っただろう?今のでわかっただろう? 

君の亀が垂らすクソ程しかないスピードの『ct2』の攻撃なぞ、かすりもせん…… 

この ダ ボ がァァァーーーッ!!アハハハハッ!!」

153 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/26(日) 13:34:34.20 ID:5YPM90

露伴「さて……康一くん。君たちはよく頑張った。 

仲間を死なせたくないだろう? 

今なら億泰の腕も、静の脚も、そこの帽子男たちも、みんな…… 

クレイジーダイヤモンドで『治す』ことができる。 

君が、この岸辺露伴への『服従』を誓えば……な」 



康一「……」 



露伴「さあ最後の決断だよ。 

『従う』か『死ぬ』か……『みんなの運命』を、君が決めるんだ。康一くん」 



静「……『康一サン』!!」

156 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/26(日) 14:55:37.33 ID:2xZBRo

いい絶望感だ

162 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/26(日) 19:10:24.85 ID:GG5pTT9D0

この状況から康一たちが勝つのムリじゃね? 

もし勝てたら>>1のこと一生尊敬するわ……

165 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:28:24.32 ID:InU9cwUV0

間田「(き、聞こえたぞ!たしかに『合図』がッ!!)」 



そ~~~ッ… 



間田敏和が部屋の入口に体半分姿を現し、 

そっと部屋の中を『見る』。 

露伴はまだその存在に気付いていない。 



┣¨┣¨┣¨┣¨ドド… 



康一「……」 



露伴「康一くん、今は黙っていい時じゃあないんだよ。 

君が結論は出さないなら、その間二人で『遊ばせて』もらうよ。 

おいカーズ!……億泰と静の指を、一本ずつ切断していけ」 



カーズ「……」 



露伴「ん?…………カーズ?」 



ゴゴゴゴゴゴ…

166 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:29:35.36 ID:InU9cwUV0

カーズ「……」 



露伴「お、おいカーズ!!なぜ返事をしないッ!?」 



ゴゴゴゴゴゴ… 



康一「露伴、おまえは本当に『理解』しているのか?」 



露伴「!? な…なんの話だッ!?」 



康一「あなたの『ファン』の話だよ」 



露伴「脳がゴミクズか!? 

質問の『答え』になってないぞッ!!」 



康一「本当にわからないの?一度は『読んで』いるのに?」 



露伴「さ…さっきから一体なにを言っている!!?」 



ゴゴゴゴゴゴ… 





静「わからないなら……究極生物もこれまでだ!『アクトンベイビー』解除ッ!!」

167 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:34:12.71 ID:InU9cwUV0

- 回想 一階大広間 - 



億泰「わりーな静。『作戦』ってのは、どうも面倒でよォ~~」 



静「人には得手不得手があるからね。 

それに透明化の事は、あたしが一番わかってるし。 

それじゃあ、この『人形』はあたしが運ぶわ。 

……あれ、意外。そんなに重くないしィィ~~」 



間田「見た目の割にはね。高校生の時、学校に持ち運びもしてたし」 



康一「それじゃあ間田さんは最初はトニオさんと一緒にいて、 

後からぼく達についてきてください」 



間田「わかった。 

みんなと違ってスタンドで自分の身も守れないし、そうさせてもらう。 

露伴の部屋にみんなが突入したら、部屋の外で『合図』を待つよ。 

それで、その合図は何にする?」

168 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:41:35.19 ID:InU9cwUV0

静「合図ね。あたしが出すんだよな。 

じゃあ……『間田サン』か、『康一サン』の名前を呼ぶぜ。それが『合図』だ」 



康一「え……?なんでぼくの名前なの?」 



静「『間田サン』の名前を出すと、残った敵に間田サンが攻撃される可能性がある。 

そうなると、せっかくの作戦がおじゃんになるかもしれない。 

一方『康一サン』の名なら、その場にいるし、違和感なく合図を出せる。 

露伴の目的は康一サンを『従わせる』ことだから、 

康一サンが殺されたり、気絶させられることはないし、呼べる機会も多い」 



康一「なるほどね、状況に応じてどちらかをってわけか」 



静「あと間田サン。サーフィスは『見える』ところにいないと『操れない』んだろ? 

合図を聞いたら、体半分チラッと中を『見る』くらいでいいからねェー」

169 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:42:46.42 ID:InU9cwUV0

・ 

・ 

・ 



カーズの手が静の胸部に向かって伸びてくる。 



静「(……もう少し、もう少し手を伸ばせ……よし!)」 





触れた?触れたよな?『人形』に触れたよな? 



これで『コピー』できるよな? 



よし!『コピー』が始まった!だが、時間がかなりかかりそうだ。 



人間とは違う生物だからか?クソッ!早く…早く……! 



体重が『重い』と言われた時は、 

抱えた『人形』のことがバレたかと思ったが……危なかったぜ。 



サーフィスの作戦は露伴用だったがしょうねぇ、この『カーズ』はヤバ過ぎる。 





ああッ!?億泰サンの左腕が……吹っ飛ばされた!!? 



康一サンのエコーズの攻撃も全然当たらない!? 



まだか…まだなのか……!! 





!? よし、『コピー』が終わったようだぞ!! 



『合図』を送るんだッ!反撃の狼煙ってやつだぜ! 



さぁ……『操って』くれよ!『間田サン』ッ!! 





静「……『康一サン』!!」

170 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:47:20.71 ID:InU9cwUV0

露伴「おいカーズ!……億泰と静の指を、一本ずつ切断していけ」 





グググ…ググッ…… 



!! 

な…なんだ?体の動きがに…にぶいぞ? 





露伴「ん?…………カーズ?」 





ち…ちがう。動きがにぶいのではない…… 

う、動けんッ!?ば…ばかな!! 

ま…まったく…か……!?体が動かん!? 





露伴「お、おいカーズ!!なぜ返事をしないッ!?」 





喋れもしない!? なぜだ…… 

『神』となったこのカーズが…… 

『究極の生命体』であるこのカーズが…… 

指一本ですらッ!!『動かせない』だとォォォーーーーッッ!!? 





静「わからないなら……究極生物もこれまでだ!『アクトンベイビー』解除ッ!!」 



スウゥゥゥー…… 





な、何だッ!? 目の前に『おれ』がいる……!!? 





露伴「ま、まさか……『コピー』していたのか!? 

こ、こいつは…間田敏和の……」 



ドドドドドド… 



間田「そう……」 





静「……『サーフィス』だぜッ!!」

171 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:49:33.31 ID:InU9cwUV0

露伴「お、おのれ静ァーーーッッ!!」 



静「へっへっへ……やらせていただきましたァン!」 



露伴「サーフィスの『人形』を隠し持っていたのかッ!? 

脚を切られ、あれだけの出血の中、まだ透明化を継続させていたとは……! 

今にも死にそうな面をしているくせになああァァーーッ!!」 



静「死にそうだからってな…… 

あともうちょっとでノドに食らいつけるって『スタンド』を決して解除したりはしねえ。 

たとえ腕を飛ばされようが、『脚』をもがれようともなッ! 

それが『覚悟』ってやつだぜ……!! 

さぁ、康一サン…億泰サン……やっちまいなァァーーーッ!!」

172 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:52:54.10 ID:InU9cwUV0

ドドドドドド… 



康一「……これでどんなスピードも関係ない。 

動けなければ『再生』もできない。億泰くん、いけるかい?」 



億泰「ああ、いけるぜ。康一!!オレとおまえの『ラッシュ』だッ!」 



康一「掛け声はあの二人に『あやかろう』。……いくよ!億泰くんッ!!」 



露伴「や、やめろオオォォーーーッッ!!カーズには手を出すんじゃあ……」 









億泰「ドララララララララーーーーッッ!!!」 



康一「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」 









ガオン!ガオン!ガオン!ガオン! 



露伴「ば……馬鹿な!? 究極生物が…カーズが……!!! 

エコーズとハンドにッ!け、削り取られていくゥゥーーーーッッ!!?」 



ガオン!ガオン!ガオン!ガオン! 





億泰「ドラァッッ!!!」 康一「オラァッッ!!!」 



ガオォンッ!!!

173 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:56:11.68 ID:InU9cwUV0

露伴「あ…あぁ……」 



間田「!? サーフィスのコピーが解除されていく……! 

どうやら完全に消滅させたようだなッ!」 



露伴「そ……そんな……究極の生物が…… 

カーズがまさか……」 



億泰「ヘヘ…や、やったぜ!だが……左腕の出血がヤバイ。 

すまねェが……あとは頼むぜ、こうい…ち……」 ドサッ… 



静「女より先にダウンするなんて、何やってんだよ…億泰サン。 

『レディファースト』…だ…ろ……」 ドサッ… 



自身のやるべきことを全うした二人は、 

糸が切れたように、床に倒れた。

174 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:57:49.70 ID:InU9cwUV0

ドドドドドド… 



そしてついに『広瀬康一と岸辺露伴』が、向かい合う―― 





康一「露伴。この距離……お互いのスタンドの射程距離内だな」 



露伴「康一くん……!!」 





ドドドドドド… 



康一「……」 



露伴「……」 



康一「……」 



露伴「……」 



ドドドドドド… 



露伴「ヘブンズ……!!」 





ズンッ!!

175 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 19:59:32.51 ID:InU9cwUV0

『ACT 3 FREEZE!!』 





露伴「ぐ……お…重いッ!? ハハッ!どうやら勝敗は…… 

『決した』……というわけか」 



康一「露伴……」 



露伴「おいおい康一くん、何を俯いてるんだい? 

……『勝つ時』っていうのは、こういう風に……相手を『見下す』もんだぜ」 



グググッ… 

3 FREEZEの術中にありながら、露伴が上体を起こし始めた。 



康一「そ、そんな!?『3 FREEZE』は、軽自動車のタイヤが変形する程重くできる! 

この重さで立ち上がれるなんて……!?」 



露伴「それも、これまで…だよ。わたしももう…限界……さ」 



ドサッ… 

重さに耐えかね、露伴が再び床に突っ伏した。 



露伴「はぁ…はぁ……。わかったかい康一くん?『勝者』の……有り方を」

176 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:02:29.72 ID:InU9cwUV0

……康一くん、君は本当にすごい奴だ。 



そんなに多くの仲間がいて……わたしとは違う。わたしはただ『操っていた』だけ。 



傀儡のカーズは、『部屋内』の匂いが何人かしか教えなかった。 



命令に従った『だけ』。 



もしもカーズが仲間だったら……『部屋の外』の匂いをもかぎ取っていたはず。 



……もうこんなことを考えてもしょうがないがな。 



あぁ、顔を上げたな康一くん。そう、それでいい。君が勝ったんだ。 



君が『勝者』。わたしが『敗者』だ。 











そうだ、思い出したぞ。『夢』の映像が何か。『折り紙』の映像が何か。 



幼少の頃の記憶だ――

177 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:04:08.17 ID:InU9cwUV0

露伴「鈴美おねえちゃん!おりがみちょうだい!」 



鈴美「フフ……露伴ちゃんは本当に『折り紙』が好きね」 



露伴「うん!かけるし、おってあそべるし!だいすき!」 







「折り紙遊びか、楽しかったな……。でも……」 







ビリビリビリ…! 



露伴「う……うわああああんんんっ!!」 



鈴美「ど、どうしたの!?」 



そこには折り過ぎて『破けた』、一枚の折り紙があった。 







「……破いてしまったんだ。おさな心に、これはとてもショックだった」 







よしよし……。いい?露伴ちゃん。 



この折り紙はね、あなたに『教えて』くれているのよ。 



折れた紙はまた『真っ直ぐ』にできるけれど、 



破けてしまった紙は、もう元に『戻らない』。……決してね。 







「……」 







だから今は泣いていいのよ。 



そしてあなたは……『折れていい』。 



この先辛いことがあって、苦しくて、負けそうになったら、 



何度も何度も『折れていい』の。 



だけど…… 







決して『破けない』強い人間になるのよ――

178 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:06:27.10 ID:InU9cwUV0

……わたしは折れただけじゃあない。『破けて』しまったんだ。 



この岸辺露伴はもう元に『戻れない』。 



それだけのことをやってきたのだ。 



クレイジーダイヤモンドでも、僕の悪行は『治せない』。 







康一「露伴……『ヘブンズドアー』を、解除してくれないか? 

やはりあなたを、殺したくはない……」 



露伴「……それはできない。この岸辺露伴が何をしてきたかわかっているか? 

仮に今ここでスタンドを解除しようが、 

またいつか『ヘブンズドアー』を使い、同じことをするだけだぞ? 

……わたしを『殺す』道しか、君にはないんだ」 



康一「……」 



露伴「さあ康一くん。わたしを殺してくれ」

179 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:07:11.47 ID:InU9cwUV0

康一「……」 



露伴「……」 



康一「…………出しな露伴。あんたの『ヘブンズドアー』を……」 







そう、そうだよ康一くん。 



そのままヘブンズドアーの心臓を貫くんだ。 



いや……正直、死にたくはないよ。 



でももう『戻れない』からな。 



鈴美お姉ちゃんのところに行きたいけれど、できるかな? 



いや……それは無理だろうな。 



だがまぁ、君の手で死ねるならいいか。 







露伴「『親友』である君の手で――」

180 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:08:06.64 ID:InU9cwUV0

・ 

・ 

・ 



こうして、一連の事件は幕を閉じた。 







ヘブンズドアーの解けた仗助が、傷ついた体ながらもクレイジーダイヤモンドを振るい、 

全員の傷が『治った』。 



仗助だけはダメージの痕が残っており、ぶどうが丘総合病院に入院したが、 

トニオの料理のおかげか、数日で退院し、今まで通りの生活を送っている。

181 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:09:52.54 ID:InU9cwUV0

それぞれの人物が事件後どうしたかというと―― 





支倉未起隆は…… 

事件に関わりのなかった『鋼田一 豊大』に、今回の話を聞かせてあげに鉄塔へ向かった。 



静=ジョースターは…… 

今回の冒険譚を話しに、杜王グランドホテルにいる父に会いに行く。 

ジョセフも静の成長を認め、あまり話さなかった自身の過去の話もするようになったようだ。 



小林玉美と大柳賢は…… 

4月から賢は、玉美と同じ『借金の取り立て』の仕事に就いている。 

「帰れ!」「ジャンケンに勝ったら帰るよ」 

という不思議な取り立て現場を、S市内でまれに見かけることができるらしい。 



間田敏和は…… 

今回の一件で自信を深め、高校の時から好きだった『順子』に告白。OKをもらった。

182 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:10:52.98 ID:InU9cwUV0

広瀬由花子は…… 

戦いの際のパスタの味に感動した由花子は、トニオに弟子入り。 

料理の腕を一層磨いている。 



空条徐倫は…… 

父承太郎がよく話していた『康一』とその妻の『由花子』をとても気に入る。 

特に由花子とは親密になり、一緒に料理の勉強もしているようだ。 



ミューミューとグェスは…… 

二人はGDt刑務所へと戻っていった。ミューミューは減俸後、看守の仕事に復帰し、 

グェスは『厳正懲罰隔離房』へ収容されることとなる。脱獄の罪科も加わったようだ。 

行方不明のウエストウッド看守については、現在も捜索が続いている。 



音石明は…… 

ミスタが持ってきた『トリッシュ=ウナ』という名の歌手のCDを聴き、 

その歌声に感動。彼女に会うため、単身イタリアへ向かう。

183 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:11:50.47 ID:InU9cwUV0

空条承太郎は…… 

噴上の「徐倫は石鹸のような匂いがしますね」という発言に勘違いし、 

「随分手が早いじゃあねーか、スピードには自信ありということか?」 

とぶち切れ、オラオラをかましてしまう。 



噴上裕也は…… 

オラオラにより、生涯二度目の入院生活を送るはめになる。 

ただ翌日には仗助に治してもらえたようで、ミスタの見送りの際には姿を見せていた。 



グイード=ミスタは…… 

空港での別れ際、億泰と猫草には特に別れを惜しまれる。 

億泰とは立ち位置が近いからなのか、波長があったようだ。 

ミスタ自身も億泰に対し『同じ匂い』を感じると話していたが、 

噴上だけは『同じ匂いは断じてしない』と否定していた。 







そして、広瀬康一、東方仗助、虹村億泰の三人は……

184 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:14:10.98 ID:InU9cwUV0

- 杜王町霊園 - 



仗助「うしッ!鈴美さんのお参りも終わったし、もうそろそろ行くか」 



億泰「イタリア語かぁ、楽しみだぜェーッ」 



康一「二人も本当に行くの?ぼくはミスタさんやジョルノにまた会いたいから、 

習いたいだけなんだけど……」 



億泰「オレもミスタさんに会いてェーよ、 

イタリアの甘いモンを、たらふく食わせてもらう計画もあるしよォ~~~」 



仗助「オレもその『ジョルノ』って人に、いつか会ってみてーし。 

あと社会人になってよ、『勉強』のありがたみがよくわかったしなァ~~」 



康一「(本当は前以上に『孤立』しないか心配してるだけのくせに……もう。 

まぁ、それはぼくも一緒なんだけどね) ……ん?あれは……」 





「おーい、康一く~~~ん」

185 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:16:07.26 ID:InU9cwUV0

- 航空機内 - 



ミスタ「『広瀬康一』か……。もう少し強引にスカウトしてくりゃあ良かったかな? 

だが『殺せねー』んじゃあ、パッショーネには向かねーよなァ~~」 



「当機は、間もなくネアポリス空港に到着致します――」 





……オレは勘違いしていたぜ。そんなもの、必要なかったんだ。 

『漆黒の意志』なんて……な。とんでもねえぜ。漆黒どころか…… 

『黄金』、なんだからな。 



『黄金の精神』か―― 



・ 

・ 

・ 



露伴「……君たちも杉本鈴美の墓参りかい?」 



康一「そうですよ。露伴先生は?」 



露伴「ああ、ぼくも同じだよ」 



億泰「ヒソヒソ…(オレ、気絶しかかってたがよ。康一が露伴を殺すとマジで思ってたぜ)」 



仗助「ヒソヒソ…(そうなのか?オレは結果しか聞いてねーからよ)」 



億泰「ヒソヒソ…(何があったかっつーとだな……)」

186 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:17:41.98 ID:InU9cwUV0

- 回想 - 



露伴「『親友』である君の手で――」 





ガシィッ! 



康一「その『声』……『本音』なのか……?」 



康一は、自分でもなぜこの行動をとったのかわからない。 

だが一切の迷いなく、 

康一は露伴の発した『親友』の声をct1で文字にし、自身に貼りつけていた。 





『親友』か…… 

この声は『うそは言っていない』。心から出た本物の声だ…… 







賢「はぁ…はぁ……。よし……間に合ったッ! 

これで、露伴を『殺す』必要はない!」

187 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:19:21.72 ID:InU9cwUV0

康一「!? 賢くん!! 

『殺す』必要はないって、それはどういう……」 



賢「間田さん、サーフィスの『人形』で露伴に触れて、 

『操って』もらえますか?」 



間田「え……?あ…あぁ、わかった」 



賢「……『思い出した』んだ。 

あなたのヘブンズドアーは、『自分自身』には書き込めない。 

でも奪ったヘブンズドアーなら、ぼくが『書き込む』ことができる。 

間田さん。いいですか?三連続『グー』でお願いします」 



じゃああ~~~んけん……ホイ!ホイ!ホイ!!

188 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:21:28.13 ID:InU9cwUV0

ズキュウーーン! 



間田「『ヘブンズドアー』が賢くんに引き込まれるぞッ!」 



賢「露伴、あなたのその力と考え方は危険だ。 

生半可なことでは、また同じことになりかねない。 

その力をまた『悪』としてふるいかねない。 

だから、封印させてもらいます。 

書き込む『文面』は…… 



『今、術中にあるヘブンズドアーの効果を失う』 

『これから一生ヘブンズドアーを使うことはできない』 



…………だ!!」

189 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:22:24.79 ID:InU9cwUV0

・ 

・ 

・ 



億泰「ヒソヒソ…(ってわけだぜェ~~)」 



康一「あ、じゃあ露伴先生。この後そのままいいですか?」 



露伴「ああ。ぼくの屋敷でイタリア語の勉強だよね。 

ぼくはもう『ヘブンズドアー』を使えないから、前みたいに手軽に覚えることはできない。 

習得までミッチリやらせてもらうよ?」 



仗助「あ……露伴先生ェ~。オレと億泰も一緒にいいっスか? 

イタリア語、オレらも話せるようになりたいんスよォー」 



露伴「君たちもかい? 

そうだな、君たちには借りができたしな…………だが断る」 



億泰「な、何ィ!?」 



仗助「て、てめー何も反省してねーなコラァーーッ!」

190 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:24:32.04 ID:InU9cwUV0

『成長』とは、必ずしも前進から生まれるわけではない。 

後退したり、何かを失うことをキッカケに、結果成長することも数多くある。 



傲慢への『反省』から、ct3へと『成長』した康一。 

兄を『失い』、兄への依存から脱し『成長』した億泰。 

祖父を『失い』、守る使命へと『目覚めた』仗助。 





『ヘブンズドアー』と、町の仲間の多くの信頼を『失い』、 

露伴はどのように『成長』するのだろうか。

191 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:26:25.86 ID:InU9cwUV0

クソ正義感の仗助に、アホ律儀の億泰か。 

イタリア語を話せるようになりたい? 

こいつらが進んで『勉強』にくるわけがない。 



大方、この露伴を『心配』して来たのだろう。 

まぁ……それは康一くんも一緒かもしれないが。 



しかし……『だとしたら』、だ。 

小っ恥ずかしいが、この『言葉』は必要だろう。 

戦いの後も、『まだ』言ってないしな。 

今更言うのもなんだが…… 



だが、ま…それもいいか…… 

これでぼくの気分もけっこう……清らかだ。 





露伴「……冗談、冗談だよ。 

それに反省だって、しているさ。 



仗助、億泰、康一くん。そしてみんな…… 











『ありがとう』     」   







≪ 広瀬康一と岸辺露伴  -完- ≫

192 : ◆8.Hm/ZrB2  :2013/05/27(月) 20:29:12.28 ID:InU9cwUV0

最後までご覧頂き誠にありがとうございました。 



今回、全体としては『勇者と魔王』をイメージして書かせて頂きました。 

勇者『広瀬康一』と魔王『岸辺露伴』の戦いですね。 

ただ当初の構想以上に露伴が『悪』になってしまったので、 

ヘブンズドアーを封印する、という形での締め括りとさせて頂きました。 



また、途中ご指摘を頂いたように、無理やりな展開や、設定ミスもありました。 

申し訳ございませんでした。 



わたし個人では、今までで一番長いSSだったのですが…… 

長編SS作者様の、話の構成力は本当にすごい。尊敬します。 





次はもっと精進します。 



読んで頂いた皆様、コメントを頂いた皆様、 

本当にありがとうございました。

 



199 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/27(月) 21:42:43.33 ID:LZ4R8FIio

サーフィスという手があったか~素直に感心した 

能力の使い方うまかった乙

200 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/27(月) 21:50:36.61 ID:mnyRR+3o

ウエストウッド看守の能力でカーズ引っ張ってくるという発想がヤバかった。素直にすごいわ 

乙。楽しかったよ

202 :VIPにかわりましてNIPPERがお送りします  :2013/05/29(水) 04:17:49.54 ID:ofitqJKI0



ラスト鳥肌立ちっぱなし! 布石とかすごすぎィ!  

お疲れ様でした!!


お勧めSS:

岸辺露伴 見滝原へ行く


ディオ「そんな貴様が嫌いだったよ」


仗助「そんなお前が嫌いだったよ」





元スレ:広瀬康一と岸辺露伴 -
http://x14.vip2ch.com/tt/rd.ci/nw4nip/1369131269/
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コメント

  1. とあるSSの訪問者 2013年09月21日

    僕はあなたに敬意を評する!
    ジョジョに対する愛を感動を全てでは無いが受け取りました!

 

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まだまだ、改良していこうと思います。

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