病院に「補助金」?
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「印西総合病院に補助金を出せ」という意見が、軍司議員の12月議会での質問、同議員の一連のブログ、チラシなど、一部の議員の間で見られる。また、板倉市長が補助金を出さないから印西総合病院はうまくいっていない、という批判も一部議員から出ている。どう考えるべきだろうか。
山﨑山洋・前印西市長が誘致した正徳会が、一度は千葉県から病床配分を受けながら、病院計画を撤回した後、印西市は緑生会に期待した。緑生会の病院が二次救急病院になれば、誘致失敗が目立たずにすむ。
しかし、緑生会の「印西総合病院」は上物が建ったものの、名前に反して「総合病院」になっていない。総合病院とは何か。総合病院とは、許可病床数100床以上で主要な診療科(最低でも内科、外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科の5科)を含む病院のことを指す。現在、印西総合病院は、100床以上の病床は稼働しておらず、ホームページによると、外科、内科、眼科がない。腕を骨折した時、風邪をこじらせた時、外科、内科がない。骨折や風邪で印西総合病院の「脳神経外科」「消化器科」に行くことはできなさそうだ。
合計で222床の病床を獲得している印西総合病院は、早く「総合病院」になり、地域の二次救急病院としての役割を果たすべきだ。私が3月議会で質問したところ、印西市の調べでは、3月段階で印西総合病院は4人の医師と契約しているだけで、医師が不足しているらしい。常勤は1人、とのことだった。248床の鎌ヶ谷総合病院には37人の常勤医師、45人の非常勤医師がいる、ということだ。鎌ヶ谷総合病院に近い規模を目指す印西総合病院の医師確保は一体、どうなっているのだろうか。
さて、この印西総合病院に今、補助金をつぎ込むべきだろうか? 八千代市が東京女子医大の八千代医療センター誘致にあたって巨額の補助金を出したことを指摘して、「印西市も緑生会に補助金を」という意見が一部議員から出ている。どうなのか?
まず、八千代市の場合は、病院「誘致」の事例で、印西市の今回の事例とは、重要部分が異なる事案だ。誘致の際の交渉で補助金支出を八千代市が約束した。一方、印西市の場合は、誘致だった正徳会の場合も、誘致ではない緑生会の場合も、補助金は出さない、というのが当時の政策判断であり、補助金が出ないことについて、病院側も納得したうえで印西市に進出してきたはずだ。
もし、補助金なり、市有地の格安貸与(場合によっては無償貸与)などを条件に公募すれば、もっと他の医療法人も手を挙げただろう。「補助金なし」というルールで手を挙げて印西市に進出した病院は、まず自力で病院を立ち上げるべきで、救急医療などの実績に応じて補助金を出すことを考える、という板倉市長の方針は正しい。
そもそも、医師不足は多少の補助金では解決しない。
誘致の際に補助金を金額まで約束したのであれば別だが、誘致したわけでもなく、まだ実績がない病院に対して補助金をつぎ込み、万一ムダになった場合、印西市は市民に説明がつかなくなる。財政支出をする場合は、なぜ補助が必要なのかを丁寧に説明し、市民的合意を得たうえで踏み切るべきだ。
印西市としては、印西総合病院に対して、早急に総合病院、かつ二次救急病院としてフル稼働することを求めるべきだ。二次救急を引き受ける、という話があったからこそ、山﨑前市長は緑生会について、好意的な意見書を書いて県に提出したはずだ。早急に総合病院・二次救急病院になってもらう。それができなければ撤退して病床を返上してもらい、二次救急の能力があるところに来てもらう。これまでの経緯から当然の話だ。
医師を調達する見込みについて、ノーチェックで緑生会を支持してしまった山﨑前市長の責任は大きい。
前市長の負の遺産を背負わざるをえない板倉市長は、様々な場合分けを考えつつ、一日も早く二次救急が実現するよう、積極的な判断をしていく必要がある。1日、二次救急が遅れれば、それだけの期間、印西市民の命・健康が危険にさらされる。