オイルを作ってみよう
なぜか、オイル作成方法をUPして欲しい、とのリクエストが5通も来てしまい、思い切って書くことに。
友人の魔女から怒られるの覚悟で書きます!!!!!!!
ですが、まず、オイルについて語る前に、魔女術およびペイガニズムの本意を強調させてください。
それには、まずここを参照してください。
マジカル・オイルってのは、要するにハーブの成分をオイルに溶出させたもののことなんですな。
これの製法は、アロマセラピーやハーブの本などを調べてみれば、割と簡単に見つかるでしょう。
が、どうせですから、ここで簡単に解説してみましょう。
材料
・ハーブ
これはハーブ・ティーを扱ってる店、ポプリの店で購入できます。あるいはお香を扱ってる店で手に入ることもあります。ものによっては漢方薬店にあることもあります。
あるいは、いっそのこと自分で栽培してみるって方法もありますな。理想としては、これが一番かもしれません。
・オイル
溶媒です。一般的にはオリーブ油です。最近ではスーパーにも置いてありますね。添加物等が入っていないことを確認しましょう。良質のものは、フランス料理の食材を扱ってる店に行けば必ずあります。
他に、アーモンド油、ヒマワリ油が使われることもあります。
サラダ油(大豆油、菜種油、コーン油)は、時間がたつと酸化臭がしてくるので、お勧めできません。
抽出方法
・冷浸法(時間がかかりますが、安全で香りの強いオイルが得られます)
1.ガラス製の広口瓶に、乾燥ハーブをぎっしり、いっぱいに詰め込みます。ハーブは細かく砕いて置きましょう。
2.それにオイルを注ぎこみます。
3.しっかりと蓋をして、瓶を紙で包み込みます。
4.それを窓際などの日光のあたる所に、2~3週間置きます。
5.それを布でろ過し、布袋に搾り、オイルを取り出します。
6.この絞ったオイルを使って、1~5の工程を再び繰り返します。すなわち、広口瓶にハーブを詰め込み、それにこの絞ったオイルを入れて、繰り返すわけです。2回も繰り返せば、だいたい充分ですが、香りが弱い時は、納得ゆくまで繰り返してください。
※なお、乾燥ハーブではなく、生ハーブを用いた場合、最後に水分を除去するために、加熱処理が必要になってきます。まず、鍋に水をいれてお湯にします。次にオイルを耐熱性の容器に入れます。そして、その容器を鍋に湯せんして入れ、弱火で加熱します。オイルを入れた容器を直接に火にかけてはいけません!! でも、この方法は、火気厳禁で危ないので、お勧めできません。乾燥ハーブを使うようにしてください。
・温浸法(短時間で出来ますが、火気が必要で、香りも弱いです)
1.大きな鍋に水を入れ、弱火で加熱し、お湯にします。
2.ハーブを耐熱性の容器にたっぷり入れます。そして、そこにオイルを注ぎ込みます。乾燥ハーブの場合はハーブ250gにつきオイル500ml、生ハーブの場合はハーブ750gにつきオイル500mlが標準です。
3.それを1の鍋のお湯につけ、湯せんして弱火でコトコト3時間ほど暖めます。沸騰しすぎないように。たいへん危険ですので、この間、絶対に鍋から目を離してはいけません!!!! お湯が蒸発して減って行ったら、お湯を足してやりましょう。
4.それを布でろ過し、完成です。火傷をしないように注意しましょう。
調合
ハーブの選択は、どのような象徴体系を用いるかによって、変わって来ます。
当然、流派によっても異なってきます。
ですから、ここで挙げる方法は、あくまで一例に過ぎません。
聖別用、一般的儀式・・・・・・乳香
幸福全般・・・・・・リンゴ、マジョラム、ラベンダー、キャットニップ
学問、知識、占いの能力向上・・・・・・白檀、蘇合香、ラベンダー、バレリアン、ウイキョウ、ニガハッカ
勝利、闘争・・・・・・アロエ、バジル、コリアンダー、リンドウ、ヒソップ、胡椒、キリンケツ
成功、一般的金運、名誉、権力・・・・・・アニスの実、ミント、ヒソップ、セイジ、没薬、ナツメグ、ヒマラヤスギ、サフラン
金運・・・・・・アーモンド、バジル、カモマイル、クローブ、ジンジャー、ヘリオトロープ、ヒソップ、ジャスミン
平和、平穏・・・・・・クミン、ラベンダー、ライラック、マグノリア
恋愛・・・・・・ローズ、スミレ、マーベナ、タイム、プリムローズ、キリンケツ、ノコギリソウ、クローブ、イランイラン、ラベンダー、ジャスミン
名誉、富、健康・・・・・・アンジェリカ、マリーゴールド、月桂樹、カミール、ヘンルーダ、ローズマリー、ビャクシン
防衛・・・・・・ヒソップ、オリス、ローズマリー、セイジ
商売繁盛、他人を支配・・・・・・コンフリー、エルム、ヒヨス、ヘンルーダ、タイム
ギャンブル・・・・・・カミツレ、ナツメグ
魔よけ・・・・・・バジル、アングリカ、クローブ、ヘリオトロープ、白檀、ライラック
強力な悪霊払い・・・・・・アギ
瞑想・・・・・・白檀、シナモン、ジャスミン
呪い用・・・・・・秘密
あと、ハーブをブレンドすることも多く行われています。
これはシンボリズムの知識の他に、香りの調合のセンスも必要になって来ますね。
ここではスコット・カニンガム著「The complete book of incense,oil & brews」(Llewellyn社)から、いくつか引用してみましょう。
・マーズオイル(パワー、エネルギー、情熱を高める)
ジンジャー2、バジル2、黒胡椒1
・ヒーリングオイル
ローズマリー4、ビャクシン2、白檀1
・ファーストマネーオイル(金運)
バジル4、ジンジャー2、トンカの花1
あるいは、パチョリ7、杉5、べチバー4、ジンジャー2
・ビーナスオイル(恋愛)
イランイラン3、ゼラニウム2、カルダモン1、カモマイル1
・サンオイル(ヒーリング)
乳香4、シナモン2、プチグレイン1、ローズマリー1
・アルターオイル(聖別用)
乳香4、没薬2、ヒマラヤスギ1
基本的にハーブの持つ象意を勉強すれば、自然、こうしたレシピも作れるようになるでしょう。
なお、ハーブも物によっては毒性や向精神作用を持つものもあり、充分な勉強が必要です。くれぐれも身体を破壊したり、法に触れるようなことのないようにお願いします。
オイルの聖別
私の知っている魔女は、「オイルにも聖別が必要」という人もいれば、「気にしなくても良い」という人もいます。
この辺りは、人それぞれでしょう。
ちなみに、聖別の方法としては「影の書」に記されている一般的な武器の聖別方法と同じで良いそうです。
「魔女の聖典」(ドリーン・ヴァリアンテ著 国書刊行会)付録の「影の書」より拝借してみましょう。
まず、オイルを入れた容器を持って祭壇の前で高く掲げて言います。
「私はこのオイルを聖別する。魔術の技である、古きものたちの名において」
そして、容器の上に聖水をふりかけていう。
「私は水によって浄化する。」
次に香炉でもってインセンスの香煙をくぐらせる。
「私は火によって浄化する。」
そして、祈る。
「私は貴方を呼び起こす。オイルの形よ、。天界、大地、海と、その中にある全てを創造された生命の力により、天界とその上を支配する全ての星の力により、石とハーブの力により、エレメントの力により、同様に風の四方風の力により、ここに聖別を受ける。私の意志の完全な成果として貴方を得る。私は貴方の力を呼び覚まし、全ての魔術作業において、可視と不可視の全ての敵より身を守る。かくありますように。」
そして、容器を強く握りしめ、息を吹きかけ、パワーが注ぎ込まれることを想像する。
これで、完成であります。
もう一度強調しておきますが、オイルに力を持たせるには、ペイガンとしての信仰心が無ければ、おそらくこれには期待できるような効果は無いだろうということです。
「メディカル・ハーブ」 ベネラビ・オディ 日本ヴォーグ社
「ハーブの写真図鑑」 レスリー・プレムネス 日本ヴォーグ社
「魔女の聖典」 ドリーン・ヴァリアンテ 国書刊行会
「サクソンの魔女」 レイモンド・バックランド 国書刊行会