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【競馬・ボート・競輪】

[競馬]弥生賞 8番人気・メイショウテンゲン、雨を味方に激走

2019年3月4日 紙面から

弥生賞を制したメイショウテンゲン(手前)=中山競馬場で

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 皐月賞トライアル「第56回弥生賞」(GII・3日・中山・芝2000メートル)は、中団のやや後ろを進んだ単勝8番人気のメイショウテンゲンが、直線力強く伸びて差し切り、重賞を初制覇した。池添謙一騎手(39)、池添兼雄調教師(66)はともに同レース初勝利。6番人気のシュヴァルツリーゼが2着、4番人気のブレイキングドーンが3着に入り、以上3頭が「皐月賞」(GI・4月14日・中山・芝2000メートル)への優先出走権を獲得した。1番人気のニシノデイジーは4着だった。

 朝から雨が降り続き、重まで悪化した馬場状態が波乱を呼んだ。その使者となったのは単勝8番人気メイショウテンゲンだ。スムーズに中団やや後ろにつけてレースの流れに乗り、残り600メートルからスピードアップして直線へ向くと、馬場のいい外を通って逃げたラストドラフトを並ぶ間もなくかわして先頭へ。池添の左ムチでやや内に寄れかけたが、今度は右ムチですぐに修正して、2着馬に1馬身半差をつけて力強くゴールを駆け抜けた。

 殊勲の池添は「この雨馬場が味方してくれたのかな。母(メイショウベルーガ)はこんな馬場が得意でしたが、息子も大丈夫でしたね。前走(きさらぎ賞5着)は切れ負けした感じだったので、早め早めの競馬をしたのが良かった」と満面に笑みを浮かべた。2010年日経新春杯、京都大賞典と重賞2勝の母に続く重賞勝利。母も管理した池添兼師も「最後までよく踏ん張ってくれたね。これでちょっと肩の荷が下りました」と喜びをかみしめた。

 初勝利までに4戦を要し、今回が6戦目。決してトントン拍子に出世したわけではなく、レースを使われながら着実に力をつけてきた実戦派だ。「気性のきついところは母親に似ているかな。でも、弱いところがあるし、まだまだこれからの馬」とトレーナーも伸びしろを見込んでいる。

 池添はすみれSを制したサトノルークスに騎乗予定のため本番のパートナーは未定だが、一気に素質が開花した孝行息子が、母が届かなかったGIの勲章を目指して皐月賞の舞台に臨む。 (中山競馬取材班)

メイショウテンゲンと池添(左から2人目)

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