兵士たちとの対話


 ロシア語の書籍やインターネット上では、ソ連軍の元軍人が自ら記した回想録や手記と並び、彼らに対するインタビューも数多く公開されている。どう しても文学的な整形の度合いが強くなりがちな回想録の類とは異なり、インタビューには一種独特の素朴な魅力が感じられる。ここでは兵士たちが語った談話を 日本語訳で紹介していく。

 もとより、これらインタビューで語られているのは個人の体験であり、安易に一般化すべき類のものではない。また事件から長い歳月を経ての取材であるだけ に、忘却や思い違い、思い込み、後付けによる偽の記憶の挿入といった現象は避けて通れない。インタビューを受けた時の体調や感情によって内容が左右される 可能性もあろう。さらに、話者としてどうしても語りたくない、あるいは語ることのできない事柄があった筈だ。何といっても相手は戦争なのだから…
 等々、エクスキューズを幾つもつけないと事を始められないのは筆者の昔からの悪癖。予想される上記の諸問題を念頭に置きつつも、敢えて訳などをやるの は、それだけの価値があると考えているからなのだ。とにかく日本ではあまり知られていない元ソ連兵の生の声を、少しでも多く聞いて頂ければと思う。

 翻訳にあたっては、出来る限り話者のナマ口調(といっても人により千差万別だが)をイメージできるよう心がけた。インタビューにありがちな質問と 回答の噛み合わなさや矛盾点についてもそのままの形で訳出してある。要は、お年寄りの昔話を一緒に聞いているような感覚で読んでほしいってことです。ま た、戦争体験のみならず当時のソ連の生活やメンタリティを知る上で貴重な資料と思うので、軍事マニア以外にもソ連史一般に興味を持つ方にお勧めしたい。

※本文中の[ ]内は訳者が追加した註。またページ分けは原文に沿ってはおらず、読みやすさを考慮して訳者が適宜行ったものである。

歩兵:22人

砲兵:11

戦車兵: 13人
(14/10/30更新)

水兵:8人

飛行兵:15人

工兵:3人

通信兵:3人
 
その他:6人

番外編:ドイツ戦闘機隊エースとの対話


ソ連軍資料室に戻る

ロシア史に戻る

洞窟修道院に戻る