【スポーツ】[東京マラソン]初マラソンの一山、先輩・福士へMGCリレーを!2019年3月3日 紙面から
◇東京マラソン▽ドーハ世界選手権代表選考会、東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ」を兼ねる(ともに男子のみ)▽3日▽東京マラソン財団主催▽東京中日スポーツなど後援▽マラソンおよび10キロ=9時10分スタート▽マラソン=東京都庁-東京駅・行幸通り間の42・195キロ 大会前日の2日、有力選手が東京都内で最終調整し、女子で初マラソンに挑む一山麻緒(21)=ワコール=は、所属の先輩でリオデジャネイロ五輪マラソン代表の福士加代子(36)の教えを胸にMGC出場権獲得を誓った。 午前中に最終調整として約40分のジョギングを行った一山の表情には、未知の距離となる42・195キロへの恐れは見られなかった。「気持ち良く走れた。状態は悪くない。あす自分がどうなっているのか思い浮かべながら走った。楽しみの方が大きい」と笑顔で1日前の心境を明かした。 不安なく初マラソンに臨めるのはチームの環境も大きい。ワコールには、2時間22分17秒の自己ベストを持つ福士だけではなく、2月には2時間21分36秒の日本歴代4位、初マラソン日本最高記録を持つ安藤友香も加入。「現役選手の中で持ちタイム1、2位がそろっていて、毎回のポイント練習で意識できる。良い環境でできている」と充実ぶりを口にする。 大会前には福士に「きつい時にどうしますか」と聞いたところ「離れてもついてもきついなら、ついていってきつい方が良いよ」とアドバイスを受けたという。その福士は1週間後の名古屋ウィメンズマラソンにMGC出場権獲得を懸けるだけに「私がMGCを絶対に取って、福士さんに良い流れでバトンタッチをしたい」と恩返しを誓う。 今大会、女子はタイムと日本人順位でMGC出場権を獲得できる「MGCシリーズ」に含まれないため、一山が出場権を手にするためにはワイルドカードの2時間24分0秒以内という高いハードルを越える必要があるが、掲げる目標は基準タイムどころか安藤の初マラソン日本最高をも上回る2時間21分0秒。「今までやってきたことを出すだけ。思い切って走りたい」。女子も歴史的な高速レースは必至だ。 (川村庸介) <一山麻緒(いちやま・まお)> 1997(平成9)年5月29日生まれ、鹿児島県出身の21歳。158センチ、43キロ。出水中央高3年時に全国高校総体出場。2016年にワコールに入社。同年の全日本実業団女子駅伝1区区間賞。17年にはクロスカントリー日本選手権を制し、ハーフマラソンでは1時間9分14秒の自己ベストを出した。 <MGC出場条件> MGCシリーズを兼ねる男子でMGC出場権を獲得するには、(1)日本人1~3位で2時間11分0秒以内(2)または日本人4~6位で2時間10分0秒以内が求められる。なお、この日の大会テクニカルミーティング後の発表によると、男子のペースメーカーは2段階あり、第1集団は1キロを2分57~58秒で刻む。フィニッシュ予想は2時間4分29秒から2時間5分11秒で、大迫が持つ日本記録(2時間5分50秒)を上回る。 女子はMGCシリーズではないが、2時間24分0秒以内で走ると、MGC出場権を獲得できる。このほか、今大会を含めた国際陸連が公認する大会の2レースの平均が、2時間28分0秒以内を満たしてもMGC出場が決まる。
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