ウォードの肌の色も大坂なおみのように黒人に近く、生活基盤があるのは米国なのに、われわれは韓民族の優秀さが再び誇示されたかのように誇らしく思った。ウォードが母と共に韓国を訪れると、まるで凱旋(がいせん)将軍のようにもてなした。
幼い頃から「単一民族国家」という言葉を何度も聞かされているからなのか、韓国人の血筋に対するこだわりは、地球がいくら広しと言えども特別な部類に属する。一時女子ゴルフの「タイガー・ウッズ」として期待を集めたミッシェル・ウィ、平昌五輪のスノーボードで金メダルを獲得した「移民2世」クロエ・キム、世界銀行のキム・ヨン総裁は全て米国人なのだが、われわれには誇らしい韓国人、韓民族として通っている。
そうは言っても、韓国国内での逆差別は相変らずだ。法務部(日本の省庁に相当)が調査した資料によると、2018年10月現在で韓国国内に滞在している外国人数は全人口の4%に当たる200万人を突破した。2040年には多文化家庭(国際結婚家庭)が全体の20%に上るものと予想される。一方、女性家族部による2015年の調査によると、多文化家庭の子どもたちが待遇を通じた差別、文化的な違い、集団によるいじめなど、多くの理由で学業を途中で諦める割合は増加する傾向にある。国威を発揚すれば誇らしい韓民族だが、そのまま平凡に過ごすなら「他の血を引く民族」といった扱いになる。
結局「大坂はチャンポン、ウォードは韓民族」といったように血筋に二つの物差しを当てはめるのは、その社会の偏屈さを拡大するだけだ。大坂が優勝した際のニュースに付いたレスのうち、あるネティズン(インターネット・ユーザー)の言葉が特に思い出される。
「大坂の写真を見ながら、純粋な血筋の日本人ではないと確認した私自身を恥ずかしく思います」
姜鎬哲(カン・ホチョル)スポーツ部部長