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【政治】

首相答弁を判定ブログ 「信号無視話法」論点すり替えは「赤」

考案した信号無視話法について説明する犬飼淳さん=東京都内で

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 安倍晋三首相らの国会答弁を青、黄、赤色などに分類、判定するブログが注目を集めている。質問内容に答えていれば「青信号」、質問と無関係な答えや論点すり替えは「赤信号」と判定。「赤」でも止まらず話し続けた場合は「信号無視話法」と見なす。独自の分析手法は、国会審議でも取り上げられた。 (川田篤志)

 ブログ筆者は横浜市の会社員犬飼淳(じゅん)さん(33)。昨年春、生活苦に悩む友人のために国の社会保障制度を調べる中で国会中継を見て、質問と回答がかみ合わない議論に「社会保障の欠陥を改める気持ちが見えない」と不満を感じた。

 不誠実な答弁を視覚的に示し国民の関心を高めたいと、ブログでの発信を開始。昨年五月の首相と立憲民主党の枝野幸男氏との党首討論を分析したブログは閲覧数が七万を超え、後に枝野氏が国会で「信号無視話法という言葉が出回った」と取り上げた。

 本紙は犬飼さんに、衆院予算委員会の答弁を分析してもらった=図参照。

 二月十三日に、首相が語った、自衛官の息子が父親に「お父さんは違憲なの」と尋ねて涙ぐんだとのエピソードを巡るやりとりがあった。

 野党議員は、実話なのかやいつ誰から聞いたのかを質問し、首相は防衛省から聞いた実話だと答えた。内容の正確さではなく、質問に正面から答えたかどうかで判定するので、この回答は「青」。続いて野党議員の「私の実感と違う」との問いに、首相が「うそだと言っている。極めてひどい話だ」と反論したのは「赤」と判定した。

 約二分半の首相答弁のうち「青」は19%、「赤」は65%。残り16%は不要な言葉や似た言葉の繰り返しの「灰色」だった。

 二月四日には「青」と、質問の経緯や背景を説明する「黄」、「灰色」の合計が30%なのに対し、「赤」が70%を占めた首相の答弁もあった。犬飼さんは両日の首相答弁を「信号無視話法」だと見なした。

 犬飼さんは「感情的な答弁で時間を浪費し、質疑が終わるのはひどい。不誠実な答弁はダメだという有権者の声が政治家の意識を変える。多くの人に現状を知ってほしい」と語る。ブログは「犬飼淳 note 答弁視覚化」で検索できる。

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