ずっと、『ロック』に憧れていた。
楽器を弾けば、形を着飾れば、酒やタバコをたしなめば、ロックンロールバンドになれるのか?そう悩んだ時期もあった。
でも、どれも俺には向いてなかったし、いつまでも俺の憧れてたロックには近づけなかった。

俺にとって憧れのロックスターは数えきれないほどいるが、ヒロトやマーシー(あえて呼び捨てにさせてください。すいません)に出会った時が、一番衝撃的だった。

「ザ・ハイロウズみたいなバンドをやりたいんです」口を開けばそればかり言っていた。

キッズの頃は怖いものなんてなかった。
全員ぶっ潰すと常に思っていたし、言葉にできない「ロックを愛してる」ってだけで突っ走っていた。
でも、どんなにハイロウズのビデオをみても、服を真似ても、リストバンドをつけても、
俺はヒロトのようにカッコよくなれなくて、そんな俺にはいつまでもマーシーは現れなかった。

寝ても冷めても腐っても、夢が諦めきれなくて
それでも走り続けてたら、たくさんの出会いがあった。


アントンさんと出会って、バンドマンじゃないのに、こんなに誰よりもロックを感じる人と、一緒にロックがしたいって思った。

大内さんと出会って、もしかしてヒロトってマーシーに出会った瞬間はこんな突然だったのかな、と思えるくらい直感でこの人だって思えた。


バンドがしたい。
どうしても諦めきれなくて、誰にも背中を押してもらえることもなかったけど、大内さんとアントンさんに出会えたから東京で戦う決意ができた。

上京して、たくさん転んだ。
諦めきれなくて、いつまでたってももがいてもがいて走ってた。出会いって本当に突然だなって思った。

チャンと出会って、初めて「こんな俺でも、もしかしてロックンロールに近づけるんじゃないか」と思えた。
一緒に音をだすたびに、この感覚だ!!!と音楽で初めて自信がもてた。

るびいと出会って、10歳も俺よりも若いのにびっくりするくらいなんだか自分に似ていて。自分の中で大事なものがなんなのか、改めて感じさせられて。

みずほちゃんが入って、俺に足りなかったものや、新鮮な気持ち、みんなを背負って、リーダーとしてもっと俺が引っ張らないとと思えるようになった。



いろんな人の支えがあって、やっとここにこれた。うまく言えないけど、バンドで音をだせても葛藤の毎日だった。
ツアー帰りにそのままルノアールに来てくれた西さんに、「新しいロックバンドを俺たちと組んでほしいんです」そう伝えた。
バックバンドなんかじゃない、西さん、ハジメさん、中畑さん、えらちゃん、10人揃って初めて「あ、これだ」ってなれた。


過ごしていく中で、全部が確信に変わっていった半年だった。頭の中で鳴っているロックンロールを具現化できるのは今しかないって。

今回のMVを撮影する前に、監督にあの頃俺が擦り切れるほど見ていたロックンロールバンドや、ブルーハーツのビデオみたいなものを作ってほしい、とリクエストした。
ずっとビビって、逃げてきたけど、でも、今ならそれが撮れるんじゃないかと思った。

ライブそのままの俺たちを見せたくて、いつもライブ写真をお願いしているタイコウさんにカメラをお願いした。
ワンカット一発撮り。実際にアンプを繋いで爆音で演奏してる姿を撮ってもらった。



撮影にあたって、照明やメイクさん・・・沢山の人が、細部にまでこだわってくれてできたMVだと思ってる。今回、監督とタイコウさんと俺と3人で映像の色合いにまでこだわって演出したので、ぜひ、少なくても10回は見てくれ!!!(俺・チャン・みずほ・大内・るびい・アントン・西さん・中畑さん・えらちゃん・ハジメさんそれぞれに注目してみてほしい)



表記も少し変わって、今の俺たちを表現している真の姿となった魔物BOM-BA-YE 〜魂ノ覚醒編〜 。

イントロからアウトロまでこうこうこういう音を鳴らしたい…これまで以上に「ロック」の部分にこだわって、生音のバンドサウンドでレコーディングした。
レコーディングしながら、ヒロトやマーシーのことを思い出した。


唯一無二のロックバンドになりたいってずっと憧れてた。まだまだ俺たち進化するけど、これを生演奏できるのも、これを歌えるのもこのメンバーしかいないと思っているし、このMVを見たら、「ああ、ファーストってこういうことか」ってことがわかると思う。


アルバムは全13曲。今年リリースしたチャンのソロ曲もバンドverで収録します。
全楽曲俺にとっては、子どものように大切な宝物たち。
「こんなに良い曲がたくさんあることを、しっかり広めていきましょう」とVAPのタナカさんが最初に言ってくれたから形にできました。

ぜひこれまでの作品とも聴き比べてほしいし、
俺が憧れていた『ロック』ってこういうことか。と一人でも多くの方に伝わってほしいです。


憧れていたヒロトには、俺はまだまだクズだから近づけてないかもしれないけど、いつか本人たちにも届くような、届いても恥ずかしくないと思えるアルバムになりました。
俺たちTHE 夏の魔物のひとつの答えや、夢が詰まった自信作。

早く魔物チルドレンのみんなにきかせたいですッッッ!!!(絶賛製作中)

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