ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 vol.83

自分の人生をどうしたいですか?

[2015/08/31]

ハピキャリ1

 「仕事もプライベートも含めて、果たして自分は、今の自分に疑問を持っているだろうか?」
 こんな問いを自分に投げかけてみた時、答えに「YES」の要素が入っていたら・・もしかすると、自分を振り返るいいタイミングかもしれません。
 「モヤモヤしてなんとなく嫌だ」という思いがあるのなら、それは具体的に何のことなのか、特定することが解消への糸口になります。ただ、一人で自分のことを深く考えようとしても堂々巡りになりがちなので、キャリアカウンセリングを受けて、漠然とした思いを深掘りしてはどうでしょうか。

 先月の同コーナー「ハッピーキャリアの作り方 vol.82」では、小西ひとみさんのこんなお話をご紹介しました。本記事はその続編です。「自分の人生を考える」がテーマとなります。ぜひご一読ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 一般社団法人セルフ・エスティーム研究所 理事
 日本マンパワー「キャリアカウンセラー養成講座」講師
 ライフデザインズ・オフィス 代表
 小西ひとみ さん

横浜生まれ。広告代理店のアートディレクターを経て、エイボンプロダクツ株式会社マーケティング部に入社。営業部長、人材開発部、セールストレーニング部を歴任する。同社退職後、外資系企業を経て、現在ライフデザインズ・オフィス代表。また、NPO法人GEWELにて7年間理事としてダイバーシティの推進を支援した後、一般社団法人セルフ・エスティーム研究所の理事に就任。自己効力感を中心にセルフ・エスティーム、レジリエンスについての研究活動を行っている。さらに、「自分の力を最大限に引き出すために」をテーマに、企業・行政などでキャリア開発を目的とした研修・講演でも活躍中。キャリアカウンセラー(CDA)、認定心理士、MBTI認定ユーザー(Japan-APT正会員)、日本心理学会会員。


自分の人生は自分で決める

 キャリアカウンセリングをしていると、私の人生、どうしたらいいでしょうか?」「私はこのままでいいのでしょうか?」と尋ねられることがあります。
 でも、自分の人生を人に尋ねるのは、少し変な感じですよね。受け身な気持があるのかもしれません。
 「自分の人生は自分で決める」
 「道を選択しなければならない時は、自分で選択する」

 そうした姿勢が大切なのではないでしょうか。

 人生は選択の連続です。みなさん、今までもそうだったのではないかと思います。これからもそうでしょう。そんな時、選択を他者に任せてしまったら、それは人任せの人生ということになるのではないでしょうか。また、あまり深く考えず、自分で納得することなく、なんとなく選択してしまうと、いずれ何らかの疑問にぶつかる可能性が高くなるでしょう。

 たとえば、自分の所属する会社が吸収合併されてしまい、自分にとって苦痛を感じる部署で苦手な仕事をしなければならなくなったとします。そうしたら、みなさんはどうしますか? 苦痛な部署で苦手な仕事でもがんばろうとしますか? 会社を飛び出しますか? それとも、何か別の道を切り拓こうとしますか?
 こうして何らかの選択を迫られると、自分と対話する機会が生まれます。人生のひとつのターニングポイントですから。でも、どのような道を選択しても、それ自体にいい/悪いはありません。大事なことは、選択のために自分自身ととことん対話をして考え抜き、生き方を自分で決めることだと思います。
 選択権は自分にあるのです。

キャリクリ2

自分の人生を考えるための時間を

 自分の人生をどうしたいですか?
 どう生きたいですか?
 人生をどう彩りたいですか?

 たった一度きりの人生なのですから、人生の選択は人任せにしないで、自分で決める方が納得できのではないでしょうか。

 そのため、自分の人生を考えるための時間を割いてはいかがでしょうか。誰でも、会社や家族のためには多くの時間を割いていると思います。それと同じように、自分のためにも時間を割いてあげる。
 自分の人生を考える方法としては、自分は過去にどのような選択をしてきたのか」を振り返るといいでしょう。
 みなさんの過去にはさまざまな出来事があったはずです。それをどう受け止めて、どう選択してきたのか。選択する際、何を大事にして、何を大事にしなかったか。「これは絶対に外せない条件だけど、こっちはそれほどでもなかった。あのことはどうでもよかった」などの選択基準があったはずです。その選択基準には自分の価値観が隠れています。ですから、過去の選択を振り返ることで、自分の価値観が見えてくるのです。
 なぜ自分がそう思ったのかもわかってきます。

 自分の価値観は、自分が生きてきた過去の中にあります。また、「私はこういう価値観を持っていて、こういうことに興味があって、こう考えて生きてきたんだね」ということがわかって初めて、未来に目が向くものです。自分の価値観をしっかり確認することによって、自分らしい未来も予測できるようになります。「自分の人生をどうしたいのか?」を考えれば、そのために今、どのように行動すればいいかもわかってくるはずです。

CDA3

何らかの行動を起こせば何かが変わる

 自分のことをあまり考えないまま漫然と日常を過ごしていると、自分の能力や才能に気づきにくくなります。もったいないと思いませんか。自分が把握しているよりもすごいものを持っている人はたくさんいます。そんな自分に気づいてあげられるのは、第一に自分です。
 そうして、自分の力を100%出し切ることができれば、素敵な人生になるのではないでしょうか。
 そのためにも、自分をじっくり見つめる時間を割きましょう。

 できれば、キャリアカウンセラーに問いかけてもらいながら語ことをお薦めします。キャリアカウンセラーとのやりとりの中で、選択基準や自分の価値観に気づくケースがたくさんあるからです。語ることで、自分らしさが現れやすくなります
 キャリアカウンセラーは、どんな些細なことでもしっかりと話を受け止め、聴いて、みなさんの自分らしさを理解できるように、自分を見つめる鏡となってくれるでしょう。

 もしキャリアカウンセリングを受ける勇気が出なければ、「私、人生を考え直しているんです」などと、誰かに打ち明けるだけでもいいでしょう。何らかの行動を起こせば、誰かから何らかの反応があり、何かが変わります
 逆に、もしモヤモヤしていそうな人が自分のそばにいたら、どうかしたの?」「大丈夫?」などの声掛けをしてあげてはいかがでしょうか。そして、真剣に話を聴いて、対話することを心がけてみてください。上司と部下などという上下関係は抜きにして、同じ世の中に生きている対等な人間として本音で対話すれば、自分の人生をじっくりと考えるきっかけになるかもしれません。

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