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「きぼう」での実験

液滴群燃焼実験供試体

Group Combustion Experiment Module: GCEM
最終更新日:2017年02月16日

多目的実験ラック - 液滴群燃焼実験供試体

図:クリックで拡大:液滴群燃焼実験供試体イメージ

液滴群燃焼実験供試体(GCEM)イメージ

写真:クリックで拡大

「きぼう」内で組立て中のGCEM

液滴群燃焼実験供試体は、日本で初となる軌道上での燃焼実験を行う装置で、燃料液滴群(燃料を霧状に噴射した状態を模擬するための小さな粒状の燃料の集まり)の燃焼メカニズムを調べます。

地上で燃焼実験を行うと、高温の火炎と空気の温度差のため強い自然対流が発生しますが、微小重力環境では熱による自然対流が起きないため、燃焼という現象そのものに焦点をあてて詳細に観察することができます。

装置の構成

液滴群燃焼実験供試体は、燃焼容器燃料供給装置観察装置電源通信制御装置給排気装置ガスボトルから構成されています。

  • 燃焼容器
    写真:クリックで拡大

    燃焼容器

    液滴群の燃焼実験は燃焼容器内で行います。燃焼容器内には液滴を所定の位置に配置するための液滴支持装置、液滴支持装置の所定位置に液滴を生成するためのトラバース機構などが搭載されています。
    液滴支持装置では、フレームの内側に格子状(直径14μm、30本×30本、4mm間隔)および直線状(直径78μm、1本)にファイバ(細線)が張られており、格子の交点および直線上の所定の位置に液滴を配置することができるようになっています。
    また、配置された一端の液滴を着火するための着火装置(電熱線)も複数設けられています。
    燃料は先端の直径約50μmのガラス管ニードル(注射針のようなもの)から吐出されます。ガラス管ニードルは、燃焼容器内を3軸方向に移動可能なトラバース機構に取り付けられており、液滴支持装置の任意の位置に指定された直径(0.7~2.0mm)の液滴を生成できるようになっています。

  • 燃料供給装置
    実験に使用する液体燃料はシリンジユニット内部に充填されています。シリンジユニットの後部(プランジャ)がモータ駆動で所定量だけ精密に押されることにより、チューブで接続されている燃焼容器内のガラス管ニードル先端から必要な量の燃料が供給されます。
  • 図:クリックで拡大:燃料供給装置

    燃料供給装置


  • 観察装置
    観察装置はデジタルカメラおよび高速度カメラから構成されます。デジタルカメラは、火炎の挙動観察(動画撮影)および生成された液滴の直径計測(静止画撮影)を行います。
    また、高速度カメラは、直線ファイバ上の観察に特化しており、火炎および液滴の移動挙動を、毎秒1000コマで高速度撮影します。

  • 電源通信制御装置
    多目的実験ラックからの受電、GCEM構成機器の制御、地上との通信を行います。

  • 給排気装置
    給排気装置では、燃焼容器への給気および燃焼後の排気を制御します。燃焼容器へは「きぼう」からの窒素ガスおよびガスボトルからの空気を供給します。燃焼後の燃焼容器内のガスは、不純物をフィルタでろ過した上で、「きぼう」の排気ラインを介して宇宙空間に排出します。

  • ガスボトル
    写真:クリックで拡大

    ガスボトル

    ガスボトルには厳密に成分調製された約100気圧の空気(酸素21%、窒素79%)が充填されており、ここから燃焼容器で使用する空気を供給します。数多くの実験を実施するためには多くの空気が必要ですので、ガスボトル内の空気残量が少なくなった場合は、宇宙飛行士により新しいガスボトルへの交換が行われます。

実験方法の概略

図:クリックで拡大:実験方法の概略

実験方法の概略

GCEMは、燃焼実験チャンバー(CCE)に入れられ、CCEは、「きぼう」船内実験室にある多目的実験ラック(MSPR)に設置されて実験を行います。

図:クリックで拡大:実験概略

主な仕様

燃焼容器:
 内寸法
 正味内容積
 最大設計圧力(MDP)

270×240×200mm
12.1リットル
0.2MPa abs
燃料: 正デカン(ガソリンや灯油に含まれる成分)
液滴支持部: ・直径約14μmの炭化ケイ素(SiC)ファイバーを4mm間隔で縦横30本(格子状)
・直径約78μmのSiCファイバー1本
観察装置:
 デジタルスチルカメラ
 高速度ビデオカメラ

静止画、動画(30fps)
1000fps
 
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