【首都スポ】勝負にこだわる!大迫“マル秘”大作戦 東京マラソン3日号砲2019年3月2日 紙面から
日本マラソン界の異端児がマル秘大作戦だ。1日、国内外の男女招待選手が出席して東京都内で記者会見が行われた。男子日本記録(2時間5分50秒)を持つ大迫傑(27)=ナイキ=はレースプランや目標タイムについて具体的な言及を避け、勝負最優先で臨む“大迫スタイル”を貫いた。 一挙手一投足どころか一言一句まで注目を一身に浴びる日本記録保持者になっても大迫は独自流を貫く。ライバルが一堂に会した会見。主催者から目標タイムを記すボードを渡されると、しばし考えた後、「?」マークを6個並べた。 「今までそんなにタイムを気にして走っていなかった。タイムが良いに越したことはないが、あまりこだわり過ぎても力んでしまう」。他の選手が明確なタイムを記した中、ポーカーフェースを崩さず意図を説明した。 もともとタイムには一切こだわらないスタイルだ。昨年10月のシカゴで日本記録を樹立した後にも「記録にはペースや気候とか、自分がコントロールできないことに左右されるので、そこに集中するのはすごくナンセンス」と言い切った。その分意識を注ぐのが勝負。「一戦一戦確実に先頭争いをすることが大事」と2度目のマラソンだった17年福岡国際マラソンの後にも明言していた。 もちろん今大会でも「勝負と言っているぐらいなので、相手次第ではあるが優勝できれば良いと思っている。仮にそうならなくても自分の100%を出せば次につながる」と日本人では10年の藤原正和(当時ホンダ)以来となる優勝を見据える。主催者は先頭集団のペースをフィニッシュタイムが2時間4分29秒から2時間5分11秒になる2分57~58秒に設定予定で、優勝イコール再度日本新のアナウンスの可能性は十分だ。 さらに今大会にはMGC出場権獲得者が大迫を含め6人出場。大迫自身も「MGCに向けて準備がしたかった」と話すように、同じ東京で行われることから前哨戦の意味合いも強い。勝てばライバルに“大迫強し”をさらに意識付けることもできる。 今大会に向けては「トレーニングに関しては言えないが、毎回大変な瞬間を乗り越えてきた」とこちらもマル秘。目標タイムだけではなく練習内容もベールに包む。全ては3日、東京都心のど真ん中で、大迫傑ここにありを自らの結果で見せつける。(川村庸介) ◆東京五輪マラソン代表への道代表枠は男女各3。(1)9月15日のMGC優勝者(2)MGC2位か3位で男子2時間5分30秒、女子2時間21分00秒の「MGC派遣設定記録」を突破済みの最上位者(突破者がいない場合は2位が内定)(3)19年冬からの国内3大マラソンで「MGCファイナルチャレンジ派遣設定記録」を突破した記録最上位者(突破者ゼロの場合はMGC2位または3位の者)-の順で決定する。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。
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