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ロボットアーム作業は重圧との戦い

【ヒューストン訓練報告3】地上からの遠隔操作も増えたが、宇宙でしかできないことも

油井亀美也 宇宙飛行士

  今回は、宇宙飛行士の花形の活動の一つである、ロボットアーム操作の訓練について紹介します。

  国際宇宙ステーション(ISS)にあるロボットアームでは、多くの作業を実施できます。前回、前々回で船外活動の訓練について書きましたが、船外活動を実施するには、長時間の準備が必要な上に、体力的にも精神的にもクルーに大きな負担がかかります。ロボットアームを用いて、船外の物を運んだり、取り換えたりすることで、宇宙飛行士が船外に出ることなく、多くのメンテナンスを実施できます。

拡大ISSでロボットアームを操作する油井飛行士。「実際に宇宙でアームを操作する際の緊張感は、訓練とは桁違い。厳しい訓練を乗り越えた事が自信となって、その緊張に打ち勝つことが出来ます」と話す(JAXA/NASA)

 さらに最近、ロボットアームの操作は、地上から遠隔で実施することが多くなり、実際にクルーが操作する機会は非常に少なくなっています。これによって、ISSに滞在するクルーの時間を、実験などの他の重要な活動に振り分けることが出来るようになってきました。

  ISSに滞在するクルーにしてみれば、花形の活動を行う機会が少なくなってしまい、少し残念ではあります。しかし、ロボットアームの操作も、クルーにとっては緊張を強いられる仕事ですし、ISSでは重要な実験を ・・・ログインして読む
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筆者

油井亀美也

油井亀美也(ゆい・きみや) 宇宙飛行士

1970年生まれ。防衛大学校(理工学専攻)を卒業後、航空自衛隊に入隊、パイロットとして活躍。2009年に宇宙航空研究開発機構(JAXA)に入り、11年に宇宙飛行士に認定。15年にロシア・ソユーズ宇宙船に搭乗して、国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間、長期滞在した。現在は、JAXA有人宇宙技術部門に所属し、後に続く大西卓哉、金井宣茂宇宙飛行士のミッション達成のための支援などに携わる。

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