↓下記は2014年8月20日+27日掲載記事ですのでイベントは終了しています。
宇宙博2014は、2014年7月19日(土)に開催。会場は「NASA展示エリア」「JAXA・日本の宇宙開発展示エリア」「火星探査展示エリア」「未来の宇宙開発展示エリア」「8Kスーパーハイビジョンシアター」の展示構成でご覧いただけます。宇宙博会場ではモデルと実機が混在しており、どれが実機なのかぱっと見たところ気づきにくいかもしれません。見る機会の少ない実機の見どころを今回は特に紹介です。お出かけの前にチェック!実機ではないですがおまけ部分もご覧ください。
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開催日 2014年7月19日(土)~9月23日(祝)
開催場所 幕張メッセ国際展示場10/11ホール
実機その1.「きぼう」船外パレット
「きぼう」日本実験棟の実物大モデルのそばにあるので、さらりと流されてしまいますが、この「船外パレット」は宇宙を飛行してシャトルで回収された本物の実機です。 本物が持つ金属製の重量感を良く見てください。再突入カプセルを除けば、宇宙空間に曝されてシャトルで回収された実機は、日本では国立科学博物館で常設展示されているSFU(宇宙実験・観測フリーフライヤー)と、この「船外パレット」の2つしかありません。「船外パレット」はNASAから日本に戻された後、公開されるのはこれが初めてで、普段も展示はしていないので、そばで見れるとても貴重な機会です。 関係者のほとんども実は目にするのは今回が初めてではないでしょうか。
実機ではありませんが「きぼう」内で注目(1)・・・実験棟内の天井
「きぼう」日本実験棟の実物大モデルの天井には、実はキュリオくんがいます。ちょっとした遊び心ですが、探してみて下さい。
実機ではありませんが「きぼう」内で注目(2)・・・・交信のための音声端末
「きぼう」日本実験棟の実物大モデルは本当に精密に再現されています。例えば、地上や他のモジュールのクルーとの交信に使うこのATU(音声端末)もこの通り細部まで再現されています。何もここまで細かく作らなくてもと思うほどこだわって作られています。実は、宇宙飛行士の訓練用の設備よりも細かく再現されており、見学に来た関係者の方が驚きます。
内部では若田宇宙飛行士が地上と交信する音声も流しているので、聞いてみて下さい。臨場感を出すために以下で公開してしている音声を流しています。
»『週刊若田』(Vol.24) 「『きぼう』衛星間通信システム(ICS)の通信確認の様子」(JAXAサイト)
実機ではありませんが「きぼう」内で注目(3)・・・実験装置
上は「きぼう」日本実験棟内のEXPRESS-5ラックです。米国の実験ラックのため、国内にある実物大モデルではこの辺は省略されてしまいます。EXPRESS-5ラックとそこに設置されているSpace-DRUMSという超音波で浮遊させて材料の実験を行う装置まで再現してしまったモデルは、世界でもこれだけです。
ISS内に3台あるヨーロッパ製の冷凍冷蔵庫MELFIのうち、1台はきぼう内に設置されています。「きぼう」日本実験棟の実物大モデルの各ラックは、表面に貼られているラベルまでこだわって正確に再現されています。左の冷凍冷蔵庫の黄色のラベルは、取扱時の注意書き「極低温に注意」を示したもので、赤色のラベルは消火器のノズルを差し込むFire Portの位置を再現しています。
これは日米欧の実験室で使われている蛍光灯ですが、外観をそっくりに再現しました。識別番号までしっかり再現しています。 ちなみに、蛍光灯の横には空気の吐き出し口があります。ここにファンも設置して空気を流していますが、これは風量が弱すぎたので、気づく方はいないと思いますが、見えないところまでこだわってしまった個所の一つです。
全ての機器の写真は紹介しませんが、他にもよく見ると実物そっくりにラベルが貼られています。
実機ではありませんが「きぼう」内で注目(4)・・軌道上機にも貼られているメッセージ再現
「きぼう」には打上げ前に宇宙飛行士に宛てた手書きメッセージが2箇所青いシールで貼られていました。
今回は見やすくするために若干場所を変えていますが、今までISSに滞在した宇宙飛行士しか目にすることができなかったそのメッセージをここで見ることができます。
1つはこれで、ISS内で一番高い船内保管室の入口に貼られています。「富士山よりも高い日本で一番高い場所へようこそ」としゃれています。
こちらは「きぼう」に入ったところに貼られています。「きぼうへようこそ! ISSで、一番新しくてもっとも広くて静かな場所でリラックスしてください」
実機ではありませんが「きぼう」内で注目(5)・・・宇宙飛行士の自筆サイン
野口、古川宇宙飛行士の2人に加えて、8月19日に若田宇宙飛行士のサインが加わりました。 軌道上の「きぼう」日本実験棟でもこの位置に、ミッションパッチのシールと、宇宙飛行士のサインが書かれています。さて次は誰がサインしてもらえるでしょうか?
実機その2.スペースシャトル使用済タイヤ
こちらはスペースシャトルの使用済みのタイヤです。シャトルは旅客機よりも着陸速度が速く、時速400kmにもなるため、丈夫に作られていますが激しく損傷します。 前輪は1回のみなら再利用可能でしたが、主脚のタイヤは毎回交換されていました。このタイヤ表面の損傷を見るとそういう様子がよくわかると思います。
実機その3.アポロ17号で使われたパラシュート
アポロ17号で使われたこの本物のパラシュートも、下から見ると焦げ跡が確認できます。着水後のカプセルはまだ高温のため、そこに触れて焦げたのでしょう。
実機その4.海底3000mから引き揚げられたH-IIロケット8号機LE-7エンジン
こちらはH-IIロケット8号機で使われたLE-7エンジンの実機です。このエンジンの爆発により打ち上げが失敗したため、原因究明のため落下地点の海底を捜索して、水深3000mの海底から引き揚げられた貴重なものです。
実機その5.宇宙に運ばれたペンシルロケット
これはペンシルロケットの本物です。会場内には別の場所にもペンシルロケットの本物(一部モデル品も混ざっている)が展示されていますが、こちらは野口宇宙飛行士と共にSTS-114で宇宙飛行したという日本にひとつしかないレアものです。
2014年8月20日+27日記