トップ > 中日スポーツ > スポーツ > 首都スポ > 記事

ここから本文

【首都スポ】

<リーダー蹴春トーク>法大新主将・3年DF加藤、3冠奪取だ

2019年3月1日 紙面から

タイトル獲得を使命と位置づけたDF加藤=相模原市の法大城山サッカー場で(神代雅夫撮影)

写真

 第93回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)の4月開幕に向け、昨季の1部上位6校の新主将に今季の意気込みなどを聞く連載「リーダー蹴春トーク2019」第3弾は、法大DF加藤威吹樹(いぶき、3年・広島ユース)。昨季の法大はリーグ戦では3位に甘んじたが、シーズン最後の全日本大学選手権(インカレ)で頂点に立った。今季はタイトル総なめを狙う「タレント集団」だ。レフティーセンターバックの加藤がいかにチームを統率していくのか、そのキャプテンシーに注目が集まる。

  (取材&構成=関孝伸)

 -小中高に続き、今回も主将を務めることになりました

 「大学でもやりたかったですし、自分が主将になることを入学当初から意識していました。チームを勝たせたい気持ちを誰よりも強く持っている自信があります。人に任せずに自分でチームを引っ張りたいと思って立候補しました。やろうという人がほかに誰もいなかったですし『オレがやるよ』と言って決まりました」

 -どんな主将を目指していますか

 「背中で引っ張る闘将タイプの主将です。人一倍声を出して盛り上げることを心がけています。法政は基本的に走るチームなので、練習では自分が先頭に立って、全力で走ります。ピッチにおいても生活においても強く言わなければならないときは強く言うつもりです」

 -言葉だけでは、ついてきてくれません

 「プレーの面では、球際で厳しくいくとか、対人で負けないとか、最後まで手を抜かずに戦い続ける、自分の特長をどんどん出していく必要があります。生活の面では、ゴミを拾って合宿所をきれいに使うとか、あいさつをしっかりするとか、そういう細かいところから自分が率先して(あるべき姿を)示そうと考えています」

 -チームをまとめることには慣れています

 「全員で喜びたい、全員で勝利を目指したいという思いがあります。今までのサッカー人生を振り返ると、チームが勝ったとしても、素直に喜べない人がベンチやスタンドにいることがありました。チーム一丸と言いながらもそうではない状況ですけど、それをなくしたいんです。下級生にも気を配って時間を共有するとか、そういう部分を意識して、チームをまとめていこうと思います」

 -今年の法大は前評判がかなり高いチームです

 「プロ入り内定が発表になった2人(2020年にFC東京に加入する3年生MF紺野和也=武南=と21年に鹿島に加入する2年生FW上田綺世=鹿島学園)以外にも、いい選手がたくさんいます。選手層がすごく厚いので、すべてのタイトルを取って『黄金時代』を築きたいです。これまでは3冠(関東大学1部リーグ、総理大臣杯全日本大学トーナメント、インカレ)獲得が目標と口では言いながらも、実際には取れたらいいな、くらいの気持ちだったと思うんです。でも、今年は3冠を取るだけの力が本当にあるチームで、取らなくてはいけない使命感すら持っています」

 -本来の力を発揮すれば、タイトルにおのずと近づきます

 「いい選手がこれだけいて優勝できなかったらまずいですし、キャプテンの責任はすごく重いと感じています。攻撃力が特にあって、点は取れると思うので、あとは自分たち守備陣がしっかりと守るだけです」

目標を書いた色紙を掲げる加藤

写真

 -一昨季は総理大臣杯で優勝し、昨季はインカレを制しました。ここ最近の法大の実力は誰もが認めるところですが、一方で安定感に欠けるところがあり、それがリーグを制覇できない要因とされています

 「うまくいかない時期は一年間の中で絶対にあると思うんです。これまではそうなったときに一気に崩れてしまったんですけど、そこを変えない限り、リーグ戦では優勝できません。負けたあとに元気をなくすことがないように、みんなでご飯を食べながら腹を割って話すとか、そういったピッチ外での働きかけもいろいろとやろうと考えています」

 -選手層が厚いので、主将といえども、レギュラー争いが大変です

 「今までに積み上げてきたものを全部出すだけです。自分はビルドアップとかに課題があるんですけど、守備では誰よりも強さを見せられます。同じポジションの選手に負けたくない気持ちは強いですし、試合に出てチームを勝たせたいと思います。去年は、右耳が突然聞こえなくなってプレーできない時期があったりしたので、今年はシーズンを通して試合に出て戦いたいです。ただ、仮に出られないとしても、キャプテンとしてやることが変わったりはしません」

 -今季は、昨季のインカレ優勝によって予選なしで天皇杯に出場できます。プロチーム相手の下克上も期待されます

 「入学してから最強のチームのときに出られるので、自分たちもとても楽しみにしています。J1やJ2のチームを絶対に倒して、ベスト16、いや、もっと上まで勝ち進みたいです。2年前に筑波がベスト16までいきましたし、大学生でもプロに勝てるところを法政も証明したいと思います」

 -今季の楽しみはほかにもあります。二卵性双生児の弟である陸次樹選手(むつき、3年・広島ユース)が所属する中大が1部に復帰し、双子対決が実現します

 「高校まではずっと同じチームだったので、公式戦で弟と勝負するのは初めてです。弟は攻撃の選手なので、自分ともマッチアップすることになります。これまでで一番楽しみな対戦。個人としての実績は(年代別の日本代表に選ばれた経験などを持つ)弟の方が上ですし、うまいですけど、試合では自分が絶対に勝ちます」

弟・陸次樹(右)との待ちに待った双子対決がようやく実現しそうだ

写真

◆加藤威吹樹のアラカルト◆

 ◇二卵性双生児 いつもニコニコしている兄・威吹樹に対し、弟・陸次樹は割と無表情でいることが多い。一見すると対照的だが、声と後ろ姿は似ていて、よく間違われる。

 ◇一発芸 今季シーズン始めの合宿で、自身にとっては1年生のとき以来となる一発芸をみんなの前で披露した。久しぶりで恥ずかしかったが、無事に笑いをとることができて一安心。下ネタのため、残念ながら、内容を紹介することはできない。

<加藤威吹樹> 1997(平成9)年8月6日生まれ、埼玉県熊谷市出身の21歳。175センチ、75キロ。同市立妻沼小2年のときに江南南サッカー少年団でプレーを始めた。クマガヤサッカースポーツクラブから広島ユースへ。法大では入学直後からメンバーに入り、2年時の総理大臣杯優勝と3年時のインカレ制覇に貢献した。関東大学1部リーグ通算31試合出場1得点。

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ