トランプ氏「任務完了」発言が波紋 イラク戦争を想起

2018/4/16 9:40
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【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領がシリア攻撃後の14日にツイッターに投稿した「mission accomplished(任務完了)!」という表現が米国内で波紋を広げている。2003年5月に当時のブッシュ(子)大統領がイラク戦争での事実上の勝利宣言をした際に有名になった言葉だが、その後も多くの犠牲者を伴う戦闘が続いたためだ。

トランプ氏はシリアでの長期戦略が描けておらず、ブッシュ氏と同じ轍(てつ)を踏むのではないかとの懸念を呼んでいる。

無所属のキング上院議員は15日、CNNテレビのインタビューで「任務が化学兵器の使用を抑止することなら、現時点では任務完了とは言えない。1年前も同じ目的で空爆したはずだ」と批判した。米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は「ブッシュ政権以来、政治家が避けてきた言葉だ」と指摘し「(トランプ氏にとって)シリアでの任務は正確に何を意味しているのか」と場当たり的な言動を批判的に報じた。

トランプ氏は15日、「『任務完了』はすばらしい軍事用語だ。取り戻すべきだ。(これからも)しばしば使う!」とツイッターに投稿し、問題ないと主張した。

ブッシュ大統領は03年5月1日、空母「エーブラハム・リンカーン」の上で「イラクの戦いで米国と同盟国は打ち勝った」と事実上の勝利宣言をした。演説するブッシュ氏の背後に「任務完了」と書かれた横断幕が掲げられていたため、演説は「任務完了演説」とも呼ばれるようになった。

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