NGT48暴行事件の発覚からもう少しで2カ月が経とうとしているが、タレントの安全管理をめぐる重大な問題の真相はなにも明らかにされぬまま、山口真帆による決死の訴えは風化の一途をたどろうとしている。
風化を先導しているのは、山口真帆への暴行事件に対して真摯に向き合う姿勢がまったく見られないAKSおよびNGT48運営である。NGT48運営がいかにこの問題と向き合う気がないかは、グループの冠番組における言及からも明らかだ。
2月25日深夜に放送された『NGT48のにいがったフレンド!』(テレビ新潟)では、あろうことか、山口真帆の騒動を茶化すかたちで扱った。
NGT48の冠番組で暴行事件が笑いのネタに
『NGT48のにいがったフレンド!』は、NGT48のメンバー(ロケごとに3人選抜される)とロッチが新潟県内の各所を散歩する旅番組。2017年1月から続く、NGT48にとっては地上波テレビでは初めての冠番組で、メンバーの素の表情が見られるのみならず、新潟県の隠れた観光スポットも紹介される人気番組だ。深夜番組ながら7%以上の平均視聴率をとることもある。
NGT48暴行事件が起きて以降、番組収録はストップしていたようで、これまで1カ月近くにわたって「総集編」が放送されていた。2月25日深夜放送回で、久しぶりに新規収録が放送された。
2月25日の放送は、中村歩加、小熊倫実(NGT48チームG)、西村菜那子(NGT48チームNⅢ)の3人が出演し、新潟県三条市を訪れる回だった。
オープニングトークの冒頭では、中村が髪を短くしたことにコカドケンタロウが触れて、<これで俺気付けへんかったら、めちゃめちゃ言われるから>などと愚痴を言うなど仲睦まじく話していたのだが、そこでやおら中岡創一がこんな一言を入れ込む。
<ちょっと待って。ちょっと待って。なんかやりにくいな……>
メンバーは<なんにもない>とつぶやきながらいっせいに下を向き、テロップには<ただならぬ空気。>の文字が映し出される。そして、西村が<これからもよろしくお願いします>と言うのにあわせて、メンバー3人はカメラに向かってお辞儀をするのだった。
西村は<体感的に8年ぶりぐらいの気持ちなんですよ>と久々のロケが行われた喜びを語る。その際テロップには<色々ありすぎて>の文字。
その<色々>について具体的に触れることはないまま、コカドが<このロケできてることが幸せだと思いますからね>と語りかけると、メンバーは<お仕事が(できて)本当に幸せです>と返し、そこにはテロップで<普通のありがたさ。>との文字が表示された。