カンチャナブリ(กาญจนบุรี / Kanchanaburi)
エラワン国立公園やサイヨーク国立公園などを擁し、山と渓谷美あふれる風景明媚な自然の宝庫として知られるカンチャナブリー。西側をミャンマーと接する国境の街サンクラブリーには、仏教を熱心に信仰するモーン族やカレン族の人々が昔ながらの素朴な暮らしを営んでいます。数々の遺跡が発見され、先史時代からクメール帝国時代の歴史を伝えるカンチャナブリーの名を世界に知らしめたのは、第二次世界大戦にまつわる映画「戦場に架ける橋」。敷設された鉄道路線のほか、鉄橋付近には連合軍共同墓地などが点在し、戦争の悲惨さを今に伝えています。
市街地には観光客も多く元来歩いていどの賑わいは見せていましたが、それは限られた地域。
県全体の主な産業としては製糖、とうもろこしや味の素の原料となるイモの栽培など農業関連であり、豊かな県ではありませんでした。またミャンマーとの国境に接しているため、紛争が懸念され、アセアン統合の話が出るまでは比較的敬遠される地域でもあったため、元来地価が安い県でした。
【南部経済回廊】
メコン地域では国境を越えた道路網整備が相次いでおり、カンチャナブリはベトナムからカンボジア、タイを経て、ミャンマーのダウェー港まで続く『南部経済回廊』の要所となっています。
インドシナ半島では国をまたぐロジスティックスに活用される南北経済回廊、北部(東西経済回路)、そして南部(東西)のインフラ整備が進んでいます。南部経済回廊は、ベトナム(ホーチミン)~カンボジア(プノンペン)~タイ(バンコク)~ミャンマー(ダウェー)を結ぶ回廊であり、各国の大都市を通ること、そして西の端ダウェーはインド、中東、アフリカなどへの窓口となることから物流道路としての価値と役割が大変大きいと言えます。
南部回廊建設においては、当初2015年のアセアン統合までに開通予定でありましたが、2014年の「交通輸送インフラ整備事業資金借入法案」の違憲判決や、タクシン派と反タクシン派の対立の影響、そしてバンコク郊外からカンチャナブリ区間の環境評価(EIA)の一部やり直しなどから、タイ国内のインフラ整備は遅れていました。しかし2015年7月に南部経済回廊およびダウェー開発において日本政府の本格的な資金提供および参画が決まり、今まで遅れていた南部経済回廊の建設状況が進展するようになりました。その後2017年より南部回廊の一部であるバンコク-カンチャナブリ間の建設がはじまり、2019年完成の予定となっています。
またカンチャナブリでは、既存の道路の拡張や新しい幹線道路の開発が日々進んでいます。
カンチャナブリ市内ではショッピングモールや大型建設資材店などが増え、大型商業施設ロビンソンはいつも駐車場は満車、多くの人で賑わっています。また、このロビンソン付近にはバスターミナルが移転される予定です。南部経済回廊の開通によりバンコクからのアクセスもぐんと良くなり、また西のダウェー、東はカンボジアやベトナムと繋がっていく重要な拠点となっていくことでしょう。
カンチャナブリ市内の南部経済回廊出入口 建設様子(2018年1月現在)
【経済特区としてのカンチャナブリ】
カンチャナブリは現地タイ政府による経済特区として選ばれています。
南部経済回廊の建設によりダウェーからバンコク間が結ばれることで、マラッカ海峡を経由せず、インド洋と太平洋が結ばれることから、物流時間やコストが大幅ダウンします。そのため注目度が高く、民間の工業団地も建設予定です。日系企業にとってもこの回廊を活用することで更なるビジネス展開に繋がるため、タイの企業だけでなく多くの外資企業の進出も期待されています。
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