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2016.11.04 Friday

KUON(クオン)珠玉の傑作、襤褸総手刺し子ジャケット(シグネチャーライン)について。

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     予定よりもいろいろと遅れていることもあるけれど、もう今年はあと2ヶ月もないので、焦ることもなく一歩ずつ進んでいきたいこの頃。

     

     そろそろ、年末年始の予定も明確に決めていかねばいけませんね。何日までオープンするか悩ましいところではありますが、28日を最終とするか、29日を最終とするかというところかなと考えています。

     

     欲をいえば、店舗だとか経営そのものを考えれば、30日までとか開けておく方がもちろん良い(なんなら31日だっていい)のだけれど、それをすると大掃除に困ったり、店主の年末恒例の築地に行けなかったりするので、年末は早めに終わります。

     

     築地はいろいろなことが複雑になってしまったけれど、ひとまずは悪くない具合に年末まで進むことを願っております。

     

     さて今日は。KUONさんからは昨日の裂き織りカーディガンがもう、恐ろしいほどにすごい子だったですし、紛れもない逸品なわけですが。

     

     そこからさらに、もはやKUONさんの最高峰と言って差し支えない、珠玉の傑作がCIRCLEには来ています。

     

     たぶん、日本でオーダーをかけたのはきっと、CIRCLEだけなんじゃないかな、と思っています。海外はわからないけど、さすがにオーダーしていない気もします。

     

     度肝を抜く、すごいやつです。着るアートなのはもちろんですが、もはや博物館クラスと言っても差し支えない。

     

     ご案内、してまいります。

     

     

     KUONさんの中でのこれまでの最高峰は、120年〜150年ほど前の極めて古く、それでいて良い風合いが出ている素晴らしい襤褸をふんだんに用いて、1着1着のオーダーで作り上げるジャケットでした。

     

     もちろんその最高峰的な存在感は今シーズンも変わらず、CIRCLEでは地味にお客様よりカスタムオーダーをお受けして、これまた素晴らしい1着をご用意差し上げたりもしたのですが。(そちらは画像も撮らせていただいたので、そのうちにご覧いただきたいなと思っています)

     

     それとはまた異なる、さらに人の手と時間がかけられた、もう普通じゃない凄さを持ったジャケットが今シーズン製作してくださいました。

     

     展示会ではシグネチャーラインとして並び、圧倒的な存在感を放ちながら、「果たしてオーダーするところはあるのだろうか」なんて思われていたはずですが。

     

     CIRCLEは、一着お願いをしていました。最高のジャケット作ってください、と。

     

     出来上がってきたそれは、最高どころか、最高の中の最高と言って過言でなく、他の追随を許さぬ迫力を持ったものでした。

     

     

     KUON(クオン) 襤褸総手刺し子ジャケット ¥700,000+税

     

     何も語る必要がないほど、佇まいが全てを物語る。でも、それじゃブログにならないので、きちんと細かく見てまいりますが。

     

     パッと見るだけでもジャケットの複雑さ、持ちうる空気、そして明らかな手間と時間のかかりようを感じることができる。

     

     素材・パターン・製作。その全てにおいて、驚くべき労力が注がれたKUON渾身の一着。

     

     

     離れて見てもオーラがあり、近づくとそれはなお顕著になる。

     

     これが一体どういうものか分かろうが分かるまいが、ズドンとたたみかけてくる力がる。

     

     

     これほどのジャケットが今まであっただろうか、と思う。

     

     同じような感覚を覚えたことがあるのは、かつてのオートクチュール界でのイブサンローランのドレスか、あるいはマルタン・マルジェラの(もちろんマルジェラがチームとして現役のころ)のアーティザナルシリーズくらいのものだと思っている。

     

     店主もいろいろなジャンルが好きで、さほど少なくない量と種類のジャケットを見て、触ってきていると思っている。

     

     それでもこのジャケットに関して言えば、ただただ感嘆するしかなく、ため息を漏らし続ける次元のもの。

     

     

     ジャケットの形状そのものは、以前ご案内をさせていただいた、襤褸ジャケット(こちらも紛れもなく特級に値する逸品なわけですが)と同様の形式。

     テーラードタイプのシンプルながら、しっかりと着心地よく細部まで詰めて作られたかたち。

     

     そこを構成するのが、またさらに発展を遂げたKUONのあり方。

     

     

     80年〜150年ほど前など、様々な時代の極めて上質な襤褸の中から、絣の生地や上品な縞の生地など、特に良い部分を集めて。(生地が溶けていたり、補修がたくさんあったり、継ぎ接ぎのものではないのをあえて選ばれています)

     

     それだけでも、ものすごく大変なことだと思うけれど。

     

     

     それらを丁寧に洗って、しっかり美しい色を出し、最低限必要な補修はしながら、そこに一針一針気が遠くなるような時間をかけて、襤褸に手で刺し子を施している。

     

     そしてその様々な襤褸刺し子生地を、今度はまたパターンに合わせてデザイナー石橋氏がパッチワークを組み、そして一人のテーラーさんが1着を数週間かけて仕上げてくれた。

     

     あまりにも、手間と労力がかけられた一つ。

     

     

     もちろん、ただ手間と時間をかければ良いものになるのかというと、別にそういうことではない。

     

     しかしながらこのジャケットについては、その手間と時間、つまるところ「人の力」が具体的な形をなし、日本の美しい伝統と文化を体現し、唯一無二とも言える珠玉の傑作に仕上がった。

     

     

     襟周りは大きすぎず小さすぎず、のノッチドラペル。

     

     基本的にKUONはどんなアートピース的な洋服であっても、当然のように着心地と実用性を高め、備えてくる。

     

     

     このラペルの時点ですでに、幾つもの刺し子生地が分かれている。

     

     

     素地の襤褸も違えば、そこに入る刺し子の糸の太さや模様も異なる。

     

     

     手刺し子ならではの味わいを感じながらも、ただただプロダクトとしても綺麗に成り立っている。

     

     

     襟の左右が変われば柄もまた変わる。

     

     みのがして良いポイントが存在しない。

     

     

     こういった細かなパターン取りは、石橋氏が倒れ込みそうになるくらいに必死に考えてくれて、出来ている。感謝しかない。

     

     

     すでにこういった部分をご覧いただくだけでも、いかに様々な種類の絣や襤褸を用いているか。

     

     そして、その襤褸のそれぞれのもともとの柄に合わせた、糸も合わさることで柄になる素晴らしい塩梅で刺される刺し子に目を奪われる。

     

     

     目を奪われる一方で、しっかりと肩を作り、ジャケットとしての着心地も兼ね備えていく。

     

     

     細かな切り返し部ですら、刺し子を変えてパッチワークする。

     

     

     そしてもちろん、肩の左右が異なれば、生地もまるで異なる風合い。

     

     

     ラペル部分は立たせることもでき、ボタンもついてます。

     

     

     ラペル裏だって、手を抜いてませんよ。がっしり、しっかり。

     

     

     こんな風に留めてスタンドカラーっぽくしてしまっても、雰囲気が出る。

     

     

     なんと、美しいことでしょうね。

     

     

     襟を起こしても、ボディ部分もしっかり襤褸刺し子が続いていくので、ご案内を。

     

     

     ボディはゆるやかなボックス。決してぎりぎちにスリムなわけではない。

     

     でもそれくらいの余裕があるのが、このジャケットのあり方。

     

     こういう存在感があるのに、やたらぴたぴただとむしろ違和感ありますものね。

     

     肩がしっかり生地・ジャケットを支えて、ふわっと体を包む。

     

     

     ボックス系だけれど、わずかなAラインぽく見せるカッティングになっています。

     

     なので古っぽいドーンという形でもなく、現代的にキュッという形でもなく、独特なゆるやかさのあるフォルムです。

     

     

     腰脇にはもちろんポケットが。

     

     ポケットのフラップ等も当然切り替えてあります。

     

     

     もう反対側もそう。

     

     

     さらに、胸ポケットの口も切り替わり、あらゆるパーツ部が異なる襤褸刺し子で変わっていく。

     

     もちろん、幾つものところで使われる刺し子もあって、うまいことその位置配分をしているというわけだけれど、ここまで徹底してくれるのは、KUONらしい。

     

     

     本当に多くの種類の襤褸をベースに、それぞれにある柄を交えながら、形の異なる刺し子を加えて新しい柄に見えるように、仕込んでいる。

     

     このどの刺し子柄を、どの襤褸ベースに刺していくのかというその塩梅が、とてもうまい。

     

     本当に自然に刺し子とベース柄が組み合わさります。

     

     

     ただ柄が細ければいいってもんでもないし、バラバラにすれば良いってものでもない。

     

     

     この一つのパッチ部分を刺し子するのに、どれだけ時間がかかるだろう、と想いを馳せる。

     

     綺麗さもしっかり維持しながらひたすらに針を刺す。

     

     それはもう、一着分の刺し子をするだけでも、数週間という規模にはなろうと思う。

     

     

     その前に、そもそもの襤褸をしっかり集め、きっちり綺麗に使えるように洗いを繰り返して……にも数週間かかる。

     

     さらにパッチワークを整えて、最終的な縫製仕上げにやはり数週間かかっていた。

     

     これ、そう考えると2〜3ヶ月かけて一着を作っている、そんな感覚に。

     

     改めて考えると、すごいことだなと感じてしまう。

     

     

     より、刺し子もアップで見てもらいたい。

     

     

     刺し子をやったことがある人であればきっと、難しさというよりもその手間と時間に感嘆の声を漏らすと思う。

     

     

     延々と、柄と柄を合わせて、一針一針の勝負。

     

     こういうのって、出来る方はもう結構なお年を召した方ばかりだったりする。

     

     若い世代にも伝統が続いていって欲しいと思うけれど、なかなか難しいのかもしれない。

     

     だからこそ、KUONのようなブランドが「かっこいい」という感覚を持って、伝統技術に取り組むのは意味があることだと思っている。

     

     

     個人的に縞に幾何学な感じの模様が入るのが、すごく好き。

     

     

     忘れました、前立てというかボタンは3つボタンです。

     

     ここはクラシックに。

     

     

     そしてボタンは水牛をヴィンテージ加工したようなボタン。

     

     襤褸の風合いとまたよく合う。

     

     

     そして肩と腕周り。

     

     アームホールそのものは細すぎず、窮屈に感じない着心地。

     

     

     当然ですが腕も様々な顔が。

     

     

     袖先まで、抜かりありません。

     

     

     袖ボタンの部分は本切羽になってます。

     

     このジャケットで後から袖詰め、ということもないでしょうから。

     

     もし袖の長さが調節したい場合は、そもそもビスポークオーダーという形で製作が可能です。

     

     その分のもちろん金額面ではチャージアップはかかりますが、よりぴったりの長さなどに各部位を調整できます。

     

     

     腕も裏面はまた表情は違う。

     

     

     あらゆる角度から見ていただこうかな、と。

     

     

     左腕も。

     

     

     左右対称な作りにはもちろんなってません。

     

     

     袖先にはまた雰囲気違う刺し子も。

     

     

     縞に模様ってのが、青さも見えて好きなのかもしれない。

     

     

     かなり複雑な模様に見えるように組んだ刺し子も入ってます。

     

     

     襤褸と糸のマジック。

     

     

     後ろ姿のこの佇まい、素晴らしい、美しい、しか言えない。

     

     

     もはや絵画のようにも感じられて、やはりこれはもう着るアート。

     

     

     この状態からさらに着込んで行って、柔らかな風合いが出てきて楽しめる幸せ。

     

     ジャケットには薄く芯材も入っていますが、それも着ていくうちに体に馴染んでいくものにしている。

     

     

     素材・パターン・作り。

     

     そのどれもにこだわりすぎるほどこだわって作られた刺し子ジャケット。

     

     

     決して、価格は安くありません。

     

     ジャケットでこの価格というのは、名だたる海外のハイブランドすらしのぐ。

     

     

     でもその価格を「適正価格か」と思えてしまう存在感が、ここにはある。

     

     

     だって、こんな雰囲気と実際のクオリティのあるジャケットを、他に知らない。

     

     

     あ、センターベントになってますが、しつけ糸ついてる状態です。

     

     

     どの角度から見ても、美しい。

     

     

     刺し子という現実的でリアルを良く生きる生活のための手段が、デザインや見栄えの世界でも昇華してくれるのは、すごいこと。

     

     

     裏地は総裏でついています。ネイビーです。

     

     

     素材はキュプラにて。滑りが良いので、着心地も抜群です。

     

     

     もちろんですが、内側にも縁部分は贅沢に襤褸刺し子。

     

     

     右の中には剣先ポケット。

     

     

     ボタンホール側も裏もしっかり刺し子です。

     

     

     そしてKUONタグにポケット。

     

     サイズ表記がここにありませんが、サイズはMで用意してもらいました。

     

     

     もう、ただた見て欲しい、感じて欲しいジャケットです。

     

     今日から、店頭のトルソーにまとわせて展示しています。

     

     ところで、刺し子ジャケットにおいてなのですが、CIRCLEとしては非常に珍しいことですが、ちょっとだけ制限を設けさせていただきたく思います。というのも、モノがモノなので。

     

     展示は随時常に行っておりますし、状況によりトルソーからもちろん外し、ご覧いただけます。

     

     ただしご試着に関してですが、この刺し子ジャケットに関しましては「明確にご購入、あるいはサイズ調整のビスポークの検討意志がおありになる場合のみ」に限らせていただきたく思います。

     モノの性質や価格の兼ね合いによるものですので、ご理解を賜れますと幸いです。

     

     本当はこういう制限をしたくはないのですが、このところ少しいろいろとあったもので、ご了承くださいませ。

     

     

     昨日ご案内した裂き織りカーディガンと並べると、もうものすごいですね。

     

     日本の伝統技術を使った展覧会の一部みたい。

     

     

     そして、襤褸ジャケットと並べてもすごい。

     

     いやー、襤褸パッチジャケットもやはり負けず劣らずかっこいいな、と感心してしまう。

     

     

     全く違う魅力を持ったジャケットたちですね。

     

     

     刺し子ジャケットはキレイめですし、襤褸ジャケットは風合いという。

     

     

     どっちが上、とかそういうもんでもないですね。価格ばっかりは、どうしても刺し子の方が高くはなりますが、魅力の高さで言えば同等です。

     

     いずれも、他にまたとない最高峰たち。

     

     

     こんな風にKUONのジャケットやカーディガンなどをオーダーして揃えてきているのは、CIRCLEだけという自負。

     

     もしかしたらそれは、見ようによっては「バカだなぁ」と言われるのかもしれないけれど、そういう展開や動きをしてこそ、KUONというブランドを、そしてまたその先にある伝統や文化というものを繋いでいく一歩になるのではないか、と感じています。

     

     

     お店としてはもちろん、販売されたりあるいはビスポークオーダーが入ると、それはそれで嬉しいのは事実ですが。

     

     まずはこういった服の存在を、少しでも広げてみたいなと思っている。

     

     

     どうぞ、刺し子も襤褸も、裂き織りも。

     

     それぞれ愉しんでいただけたら、と。

     

     

     あ、襤褸ジャケットの方に移りすぎましたね(笑)。

     

     KUONさんの刺し子ジャケットのスタイルは襟を立ててました。これももちろんかっこいい。

     

     

     きっと、実物を見て驚くと思います。ぜひ、お愉しみくださいませ。

     

     最後に、オンラインショップでのご案内がございます。

     

     この刺し子ジャケット、価格が756,000円(税込)と高価なため、オンラインショップのシステムbaseの中では金額オーバーで表示ができませんでした。

     

     それゆえ、在庫をゼロの状態で、金額はあえてミニマムの金額でご覧いただけるようにアップしています。

     

     価格上限改定のため、しっかりアップ出来るようになりました!

     

     もしご購入ご希望などございましたら、メール等にてご連絡をいただけましたら幸いです。

     

     どうぞ、宜しくお願い申し上げます!

     

     

     

     CIRCLE

      

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