大関とりに挑む関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=が27日、大阪市内の稽古場で初場所後初の申し合いを開始した。
最初の相手は出稽古に来ていた関取最重量、226キロの逸ノ城。押し出して白星スタートだったが、次の一番では最後に力を抜くような形で土俵を割った。初場所千秋楽の取組で右足裏を負傷。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)からは「まだ50%くらい。久しぶりだから怖いところがあると思いますよ」と不安の声も聞かれた。
右足は内出血を起こしていたため約1カ月間は基礎運動だけ取り組んできた。そのため持ち味の強烈な当たり、突き押しは影を潜め、足が出ず、ばったりと落ちたり、十両の貴源治らにもまわしを取られて寄り切られる場面もあり6勝8敗。
ただ、貴景勝本人はいたって冷静。「本場所で100%出し切れる状態にもっていっている段階だから。自分の中では良かったですね。稽古場は勝ち負け関係ない。何事も、今起こっていることで判断しない。(本場所で)どういう結果、相撲になるか第三者で見ている自分がいる。楽しみな自分がいます」。この心の強さがあれば本場所で違った姿を見せてくれるだろう。 (岸本隆)