【ニューヨーク=平野麻理子】トランプ米大統領の元顧問弁護士マイケル・コーエン被告は27日、米下院の公聴会に出席した。トランプ氏の不倫相手への口止め料支払いやモスクワでの不動産プロジェクトを巡り、公の場での虚偽発言を要求されたと証言した。約10年にわたってトランプ氏に側近として仕えてきた被告の発言が検察による捜査の進展につながるかが注目される。
コーエン被告の証言によると、トランプ氏は過去に不倫関係にあったポルノ女優への口止め料支払いを同被告に依頼。大統領就任後に不倫関係が明るみに出ると、「口止め料の支払いにトランプ氏は関与していない」と虚偽の証言をするよう要求したという。
コーエン被告は証拠として、立て替えていた口止め料の支払いのためにトランプ氏が大統領就任後に切った小切手を議会に提出した。トランプ氏の一連の行為は、選挙資金法違反にあたる可能性がある。
コーエン被告はトランプ氏からロシアでの不動産プロジェクト「モスクワ・タワー」への関わりについても、以前の議会証言で「嘘をつくことを明らかに求められた」と告発した。トランプ氏から直接的な指示はなかったというが、17年に非公開で開かれた議会証言で虚偽の説明をした。
27日の証言でコーエン被告は、過去の議会証言で虚偽発言をしたことを謝罪。「前回はトランプ氏を守るために来たが、今日は真実を伝えるために来た」と話した。
公聴会に出席した与党・共和党議員たちは、過去に虚偽発言をしたコーエン被告の発言の信頼性について繰り返し疑問を呈した。