巨人の岩隈久志投手(37)が27日、那覇キャンプのブルペンで今季初の本格投球を行った。「しっかり腕を振って投げられた」と変化球を交えて45球。5月以降の先発ローテーション入りを視野に入れ、帰京後は2軍で調整を続ける。
10年前を思い起こすように右腕を振り続けた。2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも指揮官だった原監督の眼前で、当時のブルペンで何度も受けてもらった阿部に投げ込む。「すごく気持ち良く、いい緊張感を持って投げられた」。充実した表情で汗を拭った。
これまでのブルペンでは捕手を数メートル手前に座らせ、じっくりマイペース調整。ようやく正規の距離で投げる段階に到達し、「まだ上(半身)と下が合っていないし、上が力んでいる。もうちょっとボールのノビが欲しい」と先を見据えた。
原監督は「思ったよりも投げられるなという印象。ただ、開幕という部分からいくならば、少しまだ時間が必要かな」と冷静に評価。本人とも話し合い、帰京後の2軍調整を決めた。
17年9月の右肩手術からの復活を期すメジャー帰りの右腕は「ここから先、自分のいい状態に持っていけるか。段階はいい形で進んできたので続けていきたい」と8年ぶりの国内キャンプの手応えを明かした。10年前にともに世界一に輝いた原監督も阿部も、そしてG党も待ちわびる完全復活へ、ゆっくりと歩を進める。