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【プロ野球】

ソフトバンク・甲斐野、さすがドラ1 155キロ、バットへし折った

2019年2月28日 紙面から

ソフトバンク-西武 9回表2死、木村(手前)のバットをへし折り、三ゴロに打ち取ったソフトバンクの甲斐野=生目の杜で(佐藤桂一撮影)

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 ソフトバンクのドラフト1位・甲斐野央投手(22)=東洋大=が27日、プロ入り初の対外試合で圧巻の投球を披露した。練習試合の西武戦(宮崎アイビー)の9回に登板すると3人でピシャリ。最速は155キロをマークした。今季の開幕カードで対戦する西武打線を封じたことで、開幕1軍へ大きく前進した。

 開幕1軍への道がくっきりと見えた。最速159キロを誇る甲斐野が、対外試合デビューで圧巻のパフォーマンスだ。「すごく緊張したけど、マウンドで『やってやろう』と思った」。今季の開幕カードで激突する西武が誇る「獅子脅し打線」を3人で料理した。

 大学時代の「仕事場」だった9回に登場。先頭の山田は直球を2球続けて追い込むと、最後は低めへのフォークで空振り三振。中田も直球で三ゴロに仕留めると、木村への初球にはこの日最速の155キロ。最後は153キロでバットを砕いて三ゴロに打ち取った。

 全9球で直球は6球。うち5球が150キロ超の快速球だった。「対外試合は(1軍生き残りを懸けた)勝負の始まりですから。腕を振って強い球を投げられたのは収穫です」。実は「ブルペンでの調子は良くなかった」というが、潜在能力の高さを存分に見せた。

 この日の西武打線は8回までに15安打8得点と大爆発。チーム最多の4安打を放ちながら、最終打席でバットをへし折られた木村は「速いですね。(球質は)サファテは伸びがある感じで、甲斐野はドーンとくる系」。三振を奪われた山田も「フォークがえぐかった。(直球と)全く一緒の軌道から落ちた。同級生とは思えないすごい球だった」と目を見開いた。

 無限の可能性を秘めたドラフト1位の快投に、工藤監督は「155キロまで出たし楽しみ。何の問題もなく素晴らしい投球だった」と絶賛。「いろんな投手の初登板を見てきた中で、3本の指に入るくらいの衝撃だった」と話した倉野投手コーチは開幕1軍の可能性について「今日のような登板を続けてくれたら、当然そうなる」と説明した。

 救援陣はサファテや岩崎が手術明けで、加治屋や嘉弥真らも調整が遅れている。「マウンドからベンチに帰るとき、野手の方が温かく出迎えてくれた。またあの感覚を味わいたい」。こう話した22歳の剛腕がブルペンに加われば、開幕ダッシュの大きな戦力となりそうだ。

  (長浜幸治)

 

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