検証と見解/官邸の本紙記者質問制限
官房長官会見での本紙記者の質問を巡る官邸側の「事実誤認」指摘への本紙見解
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【政治】シナイ半島に要員派遣へ 多国籍軍司令部に 安保法で初適用政府は二十七日、国家安全保障会議の四大臣会合を首相官邸で開き、エジプト・シナイ半島でイスラエル、エジプト両軍の停戦監視活動をする「多国籍軍・監視団」(MFO)に司令部要員として陸上自衛隊員二人を今春にも派遣する方針を決めた。複数の関係者が明らかにした。安全保障関連法で新設された任務である「国際連携平和安全活動」の初適用となる。岩屋毅防衛相が近く準備指示を出す方向だ。 二〇一五年に成立した安保関連法は、国連平和維持活動(PKO)と内容が似ているものの、国連が統括しない平和維持活動について、自衛隊の派遣を認める規定を新設した。安倍政権としては、自衛隊による海外活動の拡大を図ることで、国際貢献に積極的な姿勢を示す狙いがある。 派遣先はシナイ半島南部のシャルムエルシェイクにあるMFO司令部。二月上旬に薗浦健太郎首相補佐官らが現地で治安情勢を確認した。防衛省も調査団を出す意向で、停戦合意などPKO参加五原則を満たすと判断すれば、派遣を閣議決定する。 MFOは一九七九年のエジプト・イスラエル平和条約に基づいて八二年からシナイ半島に展開し、停戦監視を主な任務としている。米国など十二カ国から計約千二百人が派遣されており、日本は八八年度から財政支援を実施。司令部要員の派遣要請を受けていた。 <安保法の新任務>安全保障関連法により、歴代政権が禁じていた集団的自衛権の行使が可能になるなど、自衛隊の任務が大幅に拡大した。国連平和維持活動(PKO)で国連職員らが襲われた際に、武器を持って救出する「駆け付け警護」や他国軍との宿営地の共同防護が新たな任務として実施可能となった。国連が統括していないPKOに似た活動を「国際連携平和安全活動」と規定し、「PKO参加5原則」などの条件を満たせば、派遣できる規定も新設された。
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