【ドラニュース】【龍の背に乗って】優勝チームは「天敵」をつくらない2019年2月27日 紙面から
何としても勝ってほしかった。僕の中で、この試合は「まだ2月」ではなかったからだ。巨人とのオープン戦は組まれていない。つまり、最初で最後の前哨戦だった。 昨季の対戦は8勝16敗1分け。カモと猟師であり、蛇ににらまれたカエルだった。昨季のセ・リーグで、どちらかが貯金「8」以上の顔合わせは他に4つある。広島-ヤクルト(貯金13)、広島-巨人(同10)、阪神-DeNA(同9)と巨人-阪神(同8)だ。見ての通り、広島だけがやられていない。パ・リーグでは2つしかないが、西武が楽天に13、ロッテに9勝ち越している。つまり、絶対のお得意さんをつくり、天敵をつくらなかったチームが優勝しているのだ。 20失点あり、9回に5点奪われての逆転サヨナラあり、ノー・ノーあり・・・。まさしく残酷物語だが、数値も悲惨だ。対戦防御率5.07、打率2割4分6厘はどちらもワースト。投打ともに圧倒され、機械のように白星を提供した。 今年は違う。そう思い、思わせるためにも一度きりの戦いが重要だったのに・・・。いつまでも愚痴っていても仕方ないので、巨人担当の前田スコアラーに聞き込んだ。 「打線の特徴は2番・丸ですよね。つまり、バントなし。自由に打たせる2番です。打たれれば2、3点取られる一方で、併殺打もあり得る。後ろの打者とペアで考えることですね。投手の弱点は中継ぎかと思います。とはいえ、先発を打たないことには勝負できない。いやらしく、粘っこく攻めていきたいです」 そこを押せば巨人が「痛い!」っていうツボが、あるようなないような・・・。じゃあ、丸を抑えた中日の投手は誰だ? いた! 8打数1安打6三振。ってガルシアかよ。他には鈴木博、小熊、祖父江、田島合わせて12打数無安打! いける。でも救援タイプ・・・。結局は先発が踏ん張り、打線は粘る。そこに行き着く。次に当たるのは4月9日。今から書いておく。最初が肝心。昨季は完敗から惨状が始まっている。 (渋谷真)
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