トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

今年も脅威、甲斐キャノン 盗塁完璧阻止

2019年2月27日 紙面から

◇練習試合 楽天2-1ソフトバンク

 今季も「甲斐キャノン」は健在-。ソフトバンクの甲斐拓也捕手(26)が、今季初の対外試合で自慢の強肩を披露した。楽天との練習試合「球春みやざきベースボールゲームズ」(宮崎アイビー)に「9番捕手」でスタメン出場。5回までの出場だったが、2度の盗塁を完璧な送球で阻止した。昨年は広島との日本シリーズで、6連続盗塁阻止の新記録を樹立。全国にその名をとどろかせた「甲斐キャノン」を、今季も発動しまくる。

   ◇

 晴天の下で行われた今季初の対外試合で、見せ場はいきなりやってきた。1回。2死から四球で出塁した西巻を一塁に置き、打席に島内を迎えた場面だ。カウント3ボール1ストライクからの5球目。スアレスが投球動作に入ると、西巻が二盗を狙った。待ってましたとばかりに、捕球後の素早いステップから二塁へ矢のようなストライク送球。悠々のアウトに、スタンドから大きな拍手が湧いた。

 「まだまだ。一つ目は球が弱かった」。甲斐は辛口評価だったが、捕球から送球の二塁到達はトップクラスの1・86秒を計測した。さらに続いた見せ場は4回。無死から四球で出塁した橋本がスタートを切る。二塁送球がやや左側へそれながらもアウトにした。「自分の中では納得できてない」。シーズンへ向けてまだ準備万端でないことを明かしたが、今季初の対外試合でも「甲斐キャノン」は健在だ。

 昨年の広島との日本シリーズでは、6連続盗塁阻止の新記録を樹立した。相手の機動力を完全に封じたことで、シリーズでの打率は1割4分3厘ながら育成ドラフト出身で初のMVPも獲得。昨季まで以上に、今季は相手がその肩を警戒してくることは間違いない。自己最多の133試合出場した昨季は、盗塁阻止率がリーグトップの4割4分7厘。それでも「去年と一緒ではいけない」と話す。

 昨季はホークスのチーム盗塁数が80だったのに対して、トップの西武が132でロッテが124、日本ハムも98と続いた。パの他球団は「打倒ホークス」に向けて、今季も機動力を一つの大きな武器として戦ってくることは必至。それだけに、甲斐の存在はV3を目指す上で、もはや必要不可欠だ。工藤監督も「もう少しキレが出てくればね」と、自慢の武器のキレ味が開幕までにさらに増すことを期待した。 (倉成孝史)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ