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【競馬・ボート・競輪】

[ボート]地元で吹かす春一番 GIつつじ賞王座決定戦 トップ走る三重の師弟★トーク

2019年2月25日 紙面から

地元周年に向け意気込む井口佳典(右)と新田雄史=津ボートで(大橋脩人撮影)

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 津ボートの開設66周年記念GI「つつじ賞王座決定戦」が26日開幕する(3月3日まで)。昨年のMVPに輝いた峰竜太、同シリーズ最多の6回優勝を誇る松井繁ら、全国から集結するトップレーサーを迎え撃つのが井口佳典(41)と新田雄史(34)=ともに三重=の師弟コンビ。昨年はそろって暮れのグランプリ(住之江)に出場するなどリズムは上々。今回の地元周年に寄せる意気込み、お互いのレース分析、津ボートの水面特徴など三重のビッグ2にたっぷりと語ってもらった。

18年を振り返って

 -昨年は2人そろって暮れのグランプリに出場。振り返ってください。

 井口 優勝戦があんなレース(2号艇で4着)になってしまって残念です。自分に何が足りなかったかをもう一度感じながらまた1年間頑張っていこうと思っています。

 -何が足りなかったか。

 井口 すべてじゃないですか。メンタルを含めて。たくさん足りなかった面があったと思う。

 新田 ぎりぎり18位での出場で6号艇で2走ですからね。全く戦えなかった。シリーズに回って優勝戦に乗れたのが救い。

 -収穫は。

 新田 何もないです。分かったのは行くまでの11カ月間の成績をもう少し上げていかないと。SGを取れるようなレースをしてない。それができるようにならないと決定戦までは行けないし、勝てるチャンスはない。

 -井口さんは最近、年齢のことをよく口にする。

 井口 40歳を過ぎてからは、やる気の面でちょっと薄れていく部分がある。人間的にも丸くなったかなと思うし、いろんな視野でレースを見るようにしている。もう少し体のことにも気を付けながらやっていこうと思ってます。

 -年明けからともに好調です。近況のレースぶりをどう分析してますか。

 井口 まあまあじゃないですか。いいと思う部分はないし変わりないですね。蒲郡の周年は勝ちましたが、優勝戦で桐生選手を倒すにはあれ(ピット離れでイン奪取)しかないと思っていた。

 -でも戦術に幅が広がったのでは。

 井口 そんなことない。いろいろペラ調整している中で特徴を出しているだけです。

 新田 年明けから何度か優出はできてますが何とか乗れた、というぐらい。芦屋周年は全然エンジンが出てなかったので乗れてラッキー。江戸川周年は割と良かった。足負けする人が少なかったし。それでも、たまたまですよ。

 -井口さんは過去、地元周年で3度優勝の実績。

 井口 やっぱり自然と気持ちは入ります。厳しい意見もいただきますが、プレッシャーとかはないし気にならない。これからそういうのは雄史が背負っていかないといけない。

 新田 地元だと何も考えず、勝手に頑張れる。慣れているので過ごしやすいしレースもしやすい。1日のサイクルが分かっているのが大きい。

 -新田さんにとっては苦い思い出がある。2015年の優勝戦。最終2マークでの逆転負け。

 新田 油断ですね。1周目で勝ったと思って、それがいけなかった。まさか抜かれるとは思ってなかったし、直後にいるのが気付いた時はもう(立て直すのは)無理でした。完全に足がたれていた。

お互いどう思う?

 -師弟関係の2人は、お互いをどう思っているか。

 井口 雄史は今のままでいいんじゃないですか。ボートレース界を引っ張っていく立場だし、その実力や運もある。あとは人間力を高めればもっと強くなる。本人も絶対分かっていることがあると思う。自分のやり方もあるだろうし、それを貫いていってくれればいい。

 新田 井口さんは万能。何でもできるし、頼もしい。1年トータルしたら分かる。大きな差となって出ている。確実にボクより1つ上のレベルを走ってます。今それを感じるのは5人ぐらい。

 -その差を具体的に。

 新田 優勝する力。決定力の差だと思う。ボクの優勝回数は23で優出回数(124回)を考えると6回に1回。井口さんは3回に1回の優勝(優出205回、優勝69回)ですからね。ホント詰めが甘い(成績は2月21日現在)。

 -こんなデータがある。2人の直接対決は井口さんが65勝32敗で圧倒。

 井口 半々ぐらいかなと思っていたけど。まあ、雄史の若いころも一緒に走ってましたから。でも抜かれないように一層、頑張らないと。

 新田 負けまくってますね。仕方ない部分もあるけど、これから抜くには勝ち続けるしかない。でも33連勝しないと追いつかない。これは抜けん。

 -師匠が貫禄を示しましたね。最後に地元周年に向け、ファンにアピールを。

 井口 具体的にはないけど、自分の今持っている力をすべてレースで出せるように心掛ける。勝つこともそうだけど、内容にこだわりたい。

 -その理由は。

 井口 毎年グランプリの舞台を目指している。50歳まであと約8年。年齢的にチャンスはそんなにない。もう一度、グランプリを勝ちたい。

 新田 津ボートはマイナー色がありますが、レースがしやすくて、すごくバランスの取れたレース場です。ぜひ見に来ていただきたいです。

 -この時季の風向きなど舟券に役立つヒントもお願いします。

 新田 曇りだすとベタ(静)水面になって午後からは追い風に。時季的に強い向かい風はもう大丈夫。バランスが取れている分、いいレースをすればどのコースからでも勝てる。

 井口 GIで6コースは厳しいやろ?

 新田 そうですね。3着でオッケー。でも5コースならいけますよ。

 -そろっての優出を期待してます。

 井口 なかなかうまくはいかないだろうけど、一緒に乗れたらいいなと思う。そうなれるように頑張りますよ!

 <井口佳典(いぐち・よしのり)> 1977(昭和52)年8月22日生まれの41歳。三重県松阪市出身。三重支部所属。選手養成85期。同期は田村隆信、湯川浩司ら。166センチ、52キロ。血液型A。松阪工高卒。99年11月の津ボートでデビューし、初優勝は02年2月の若松ボート一般戦。SG優勝は08年12月のグランプリ(住之江)など6回。GI優勝は14回。通算優勝は69回。妻は元選手の真弓さん(旧姓、新田)。

 <新田雄史(にった・ゆうし)> 1985(昭和60)年2月19日生まれの34歳。三重県松阪市出身。三重支部所属。選手養成96期。同期は平本真之、篠崎元志ら。168センチ、54キロ。血液型B。松阪高中退。養成所時代に卒業記念レースで優勝。05年5月に浜名湖ボートでデビューし、初優勝は07年9月の浜名湖での新鋭リーグ戦。SG優勝は13年オールスター(福岡)など2回。GI優勝は2回。通算優勝は23回。

 

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