逮捕のやりすぎ警察マニアに首相追走の過去
警察マニアは覆面パトカー専門だった。東京都内の複数の警察署で、警察車両の無線用アンテナが盗まれた事件で、警視庁は20日までに神奈川県の職業不詳、別森広隆容疑者(31)を窃盗の容疑で逮捕した。別森容疑者は「警察マニアだった」と供述している通り、動画配信サイトでは有名人だった。それらの動画から常識はずれなマニアぶりが分かる。
逮捕容疑は2月に高井戸署にあった警察車両からアンテナを外して盗んだことだ。高井戸を含め、都内では調布や府中など6警察署の駐車場で計7台分のアンテナが盗まれており、警察は余罪を捜査している。警察マニアを自称する別森容疑者は「警察のものが欲しかった」と動機を話している。
本物が欲しいがために盗みを働くマニアは残念ながら存在するが、別森容疑者の興味はものだけではなかったようだ。「自分の車を覆面パトカーのように改造しています。いわゆる白黒のパトカーではなく、真っ黒の車です。自分で映像に撮ってネットに動画を配信していました」(捜査関係者)
自分の車の映像だけならマニアらしいが、メーンは警察から職務質問されている様子の配信。別森容疑者は動画に、警察用語でいう職務質問に当たる「ばんかけ」という言葉を使って、警察官との冗舌なやり取りをネットに投稿していた。また、天皇陛下や首相の警備をする覆面パトカーの映像もいっぱい。大手動画投稿サイトでは再生回数が10万を超えることもしばしばあり、結構な人気があるようだ。
動画には際どいものも。安倍晋三首相(59)が乗る車を複数の警備車両が追っているのだが、別森容疑者も追走。「おお、すげ~」と感動するも、最後はSPに「ばんかけ」されて、「警護車が好きだから見てるだけ」と答えている。3月末に安倍首相が「笑っていいとも!」に出演するため新宿に来た際も、別森容疑者は接近した模様を動画で投稿していた。
狙いは安倍首相ではなく、覆面パトカーにあるとはいえ、やり過ぎ。これらの動画により窃盗以前から警察には目を付けられていたようだ。
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