トップ > 中日スポーツ > ドラゴンズ > ドラニュース一覧 > 2月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【ドラニュース】

【龍の背に乗って】4度の手術を経て到達・・・浜田達「過去最高の自分」

2019年2月26日 紙面から

ブルペンで投球練習をする中日の浜田達=読谷で(吉川学撮影)

写真

 読谷のブルペンにチェンがいた。

 「いいでしょう? 軽く投げてブワッとくる。チェンみたいなボールです」。中腰で30球受けた前田ブルペン捕手が笑顔で話してくれた。今やメジャーリーガーのチェン・ウェインに例えられたのは背番号203。浜田達だ。

 納得はしたが、驚きはしなかった。「とにかく黙って見てきなよ。すごい球投げてるから」。山本昌さんの言葉を聞いていたからだ。レジェンドを興奮させたのはキャンプ序盤だが、その後左太ももを痛めて後退。再び状態を上げてきたところだ。

 山本昌さんが32年間背負った愛着ある34番を、譲りたいとひそかに願っていたのが浜田達だった。地元出身の先発左腕。「直接言っていただいたことはありませんが、その話は聞いたことはあります」。2年目の2014年に5勝。花開きかけた才能は、故障禍でしぼむ。16年10月、17年4月、同8月、昨年10月と2年間で実に4度も左肘の手術を受けた。その間に育成選手に降格。もう5年前の球は見られないのかな・・・。正直、そう思っていたが、彼が投げている球はそれ以上だった。

 「プロに入ってからの7年間で、今が一番いい球かもしれません」。野球の神様が与え続けた試練を黙々と乗り越えただけでなく、過去最高の自分だと言う。医学ってすごい。いや、それ以上に彼のメンタルは強い。ただ、ゴールはここではない。

 「もちろんです。まだ扉が少し開いただけ。ここからが大切だと思っています」

 もちろん完全に扉を開け放つにはまだ先がある。捕手を座らせ、フリー打撃に投げてから、最速で3月下旬という実戦に復帰できる。2軍で結果を積み重ね、残り2枠の支配下選手に戻し、3年ぶりの1軍戦に・・・。いわば7年目の新戦力。僕が安易に「先」を論じてはいけないのかもしれないが、楽しみでたまらない。

(渋谷真)

 

この記事を印刷する

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ