【芸能・社会】アカデミー賞 日本無冠 作品賞は「グリーンブック」2019年2月26日 紙面から
【ロサンゼルス=共同】米映画最大の祭典、第91回アカデミー賞発表・授賞式が24日(日本時間25日)、米ハリウッドのドルビーシアターで開かれ、作品賞に人種差別が題材の「グリーンブック」(ピーター・ファレリー監督)が輝いた。有色人種の俳優や監督らが多数受賞し、マイノリティーの躍進が目立った。 外国語映画賞候補の是枝裕和監督(56)作「万引き家族」と、長編アニメーション賞候補の細田守監督(51)作「未来のミライ」は受賞を逃した。 「グリーンブック」は実話を基にした物語。1960年代、黒人天才ピアニストと、彼に雇われた白人運転手が、人種差別の色濃い米南部へ演奏旅行をするうちに友情を育む。ピアニスト役のマハーシャラ・アリ(45)は助演男優賞を獲得した。 助演女優賞には冤罪(えんざい)と闘う黒人親子のドラマ「ビール・ストリートの恋人たち」のレジーナ・キング(48)が選ばれた。 英ロックバンド「クイーン」の軌跡を描き、日本でも大ヒットした「ボヘミアン・ラプソディ」は最多4冠。主演男優賞のラミ・マレック(37)は「(自身が演じた故フレディ・マーキュリーさんは)ゲイで移民、でも自分らしく生きた。僕もエジプト系米国人だ。(受賞は)このような物語を皆が求めていることの証し」と語った。 他に黒人のスパイク・リー監督(61)が「ブラック・クランズマン」で脚色賞、黒人ヒーロー映画「ブラックパンサー」も美術賞など3部門を制した。 監督賞は母国メキシコを舞台に半自伝的映画「ROMA ローマ」を撮ったアルフォンソ・キュアロン監督(57)。映画館での上映に消極的な動画配信大手ネットフリックスの作品だが、最多10部門で候補入りし、外国語映画賞、撮影賞も獲得した。 ◆ブライアン・メイ登場 オープニングでクイーンの名曲演奏アカデミー賞の授賞式は、英ロックバンド「クイーン」のメンバーらがヒット曲「ウィ・ウィル・ロック・ユー」「伝説のチャンピオン」を演奏して始まり、会場は大いに盛り上がった。 クイーンのギター、ブライアン・メイ(71)とドラムのロジャー・テイラー(69)が参加し、ボーカルは米歌手のアダム・ランバート(37)が務めた。 4冠に輝いたクイーンの伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」は、日本では興行収入が110億円を超えて大ヒットしている。
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