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WATERBIRD

サブブログ:WINDBIRD

2005-09-01

[]初心者に勧めるラノベ

http://d.hatena.ne.jp/kim-peace/20050829/p1

以下は暇つぶしに書いたものなので、長い上にまとまっていない。注意されたし。あと、少女向けラノベレーベル・少女向け漫画誌については考慮していない。注意されたし。講談社ノベルスハヤカワ文庫ソノラマ文庫なんかも考慮していない。注意されたし。リンク先では「初心者に勧める1冊は?」になっているが、ここでは一冊に限定していない。注意されたし。

ライトノベル初心者向きなジャンルである

まず、なにより発行点数が少ない。主要なライトノベルレーベルは六つしかなく、それぞれが出す新刊の数も、多くて月十数冊、少なければ五冊以下だ。雑誌だって三誌しかなく、しかも載っているのは外伝のような作品ばかりで、必読と言うほどのものではない。連載作品は必ず文庫化されるのだから尚更だ。つまり、月に三十冊ほど買えば、それだけでライトノベル業界の動向のほとんど全てを把握できるといっても過言ではないのである。

例えばこれが漫画なら、メジャーな週刊少年誌だけでも四誌、月刊少年誌・青年誌・その他を含めれば数十誌(あるいは百誌以上?)にも上り、そして各誌が月に数冊から十数冊、新刊を出しているわけで、すなわち月当りの新刊の数は膨大なものになる。全てを把握することは極めて難しい。

さらに、ライトノベルのコストパフォーマンスの良さも、初心者に優しいところである。一冊あたりの値段は漫画と大して変わらず、どんなに高くても二倍ほどであるのに、内容量は約十倍(当社比)である。エロゲなどと比べても、その安さは一目瞭然であろう。うーん、素晴らしい。

初心者ライトノベルに手を出すにあたって

第一に、各種ノベライズ作品を選択肢から排除すること。もちろん、中には良作・名作もあるのだが、やはり初心者向きではない。ライトノベルにはノベライズ作品がわりと多いので、これを外すことで、選択肢の範囲はぐっと狭まるだろう。

次に、シリーズ物を極力避けること。ライトノベルにはシリーズ物が多く、次から次へとシリーズ化されている。シリーズ全巻を一気に読むのは初心者には辛いだろう。出費もなるべく抑えたい。できれば一冊完結、長くても数冊で完結しているのものを選ぶのがベストだろう。

新人の作品はなるべく避けたい。新人の作品はたいてい一冊完結だから手は出しやすいかもしれないが、多くは地雷である。おもしろい新人作品があればどうせネット上で話題になるのだから、買うのはその後でもいい。新人作品はその青々しさを楽しむために読むもの*1であって、初心者が読むのにはイマイチなのだ。ただ、最近ではエロゲライター同人業界からの転向者も多いので、「新人」と銘打たれていても純粋な新人ではないことがある。例えば「わたしたちの田村くん」のゆゆ様は、新人だが元エロゲライターで、妙にこなれていたりする。

逆に、メジャーな作品を選ぶのは良い。評価が高いものは、やはり鉄板でおもしろいものだ。ただし、ライトノベルでは少しでも人気が出れば編集部などの意向でだらだらと引き延ばしされてしまうので、メジャー作品にはそうやって膨大な冊数が出てしまっているシリーズが多い。「スレイヤーズ!」とか「スレイヤーズ!」とか「スレイヤーズ!」とか。

また、初心者は得てして「メジャー作品にはそのジャンルエッセンスの全てが凝集されている」と思い込みがちである。メジャー作品が肌に合わなかった時、ライトノベル全体が肌に合わないのだと思ってしまう可能性がある。他のジャンルはいざ知らず、ライトノベルの特長は「なんでもあり」な点である。ひとつが合わなかったからと言って、他のも全て合わないということはない。そのあたり注意が必要。

以上の点を鑑みて

私が初心者オススメする作品は、「イリヤの空、UFOの夏」(著:秋山瑞人)もしくは「All You Need Is Kill」(著:桜坂洋)。

イリヤ」は知名度が高く、しかも人気作品では珍しく四冊で綺麗に完結しているので、初心者には手を出しやすいだろう。内容も、萌えキャラから鬱展開まで幅広く取り揃えられている。ライトノベルの「ごった煮感」を初心者に教えるのに、これ以上のものはないだろう。

一冊完結作品限定ならば、間違いなく「All You Need Is Kill」。しっかりと「ライトノベル」していながら、ライトノベルの本流からわずかに外れている点がポイントである。初心者の「ライトノベルとはこういうものである」という先入観を破壊するのにうってつけの作品。

初心者ってのが中学生なら、あるいは「GOTH」(著:乙一)を勧めるかもしれない。中二病患者ハートジャストミート

二十歳以上なら、桜庭一樹の黒いほうの作品かな。「赤×ピンク」「推定少女」「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」。ただ、ラノベ感が少々足りないかもしれない。劇薬あるいは諸刃の剣

*1:注意:そういった読み方は一般的でないかもしれない

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