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【大相撲】

貴景勝、プレッシャーはねのけるくらいの気持ちで大関へ突き進む

2019年2月26日 紙面から

会見後、ウメの木の前でガッツポーズする貴景勝=大阪市生野区で(川北真三撮影)

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 大相撲春場所で大関とりに再挑戦する関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=が25日、場所前の稽古場となる大阪市生野区の勝山高校で記者会見した。「プレッシャーがかかるのは仕方ない。真っ正面からそれをはね返すくらいの気持ちで」と押し相撲の取り口同様、重圧との真っ向勝負を誓った。

 いつも通りの貴景勝だった。笑顔を見せたのは会見前、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)との握手のツーショットを求められた一瞬だけ。明確に大関とりと位置付けられた場所の第一歩でも、ひたすら平常心を貫いた。

 「ごちゃごちゃ考えず、やるだけなんで。強くなりたい自分を思い出しながら、結果じゃなくてその日その日を大事にしたい」

 小結だった昨年秋場所の9勝を起点に、初優勝した同年九州場所でも小結で13勝。初場所は新関脇として11勝を挙げ、14日目には大関昇進の目安とされる三役で直近3場所合計33勝に到達した。

 しかし、初場所が明確な大関とりでなかったことから、千秋楽の勝敗次第に。結びの一番、大関豪栄道に敗れて昇進は見送られた。

 勝てば新たな地位に手が届いた悔しい一番は、大きな糧になっている。勝敗は実力の差と潔く受け入れた。「満足したら終わり」を口癖にする幕内最年少22歳が挙げたのは、目の前で優勝の可能性が消えても揺らがなかった集中力だった。「千秋楽の自分との向き合い方は、100点満点だった。ああいう精神状態をまたつくれれば」と自画自賛。再チャレンジへ、得たものは大きかった。

 春場所では初めて15日間通して、新たな地位を見据えて土俵に上がることになる。大阪入りする前から、これまでは「次の番付」と濁してきた目標を「大関」と明言するようになった。

 「プレッシャーがかかるのは、しょうがない。かけないようにしてる自分が、もう精神的に弱い。真っ正面からはね返すくらいの気持ちでいかないと」。自慢の押し相撲で、相手もろとも重圧も吹っ飛ばして「別格」と憧れる大関の座を、文句なしでつかみ取る。 (志村拓)

 

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