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【プロ野球】

カープ本拠地のマツダ 公式戦チケット巡り大混乱

2019年2月26日 紙面から

抽選券を求め長蛇の列を作ったファンら。右奥はマツダスタジアム=マツダスタジアムで

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 広島カープの今季公式戦の入場券購入のために必要となる抽選券の配布が25日、マツダスタジアムで行われたが、球団の想定を上回る約5万人が詰めかけ、途中で配布が打ち切られた。多くの人が抽選券を手にできず、抗議する人が続出。球団にも警察からの問い合わせやJRから苦情が入るなど、プラチナチケットをめぐって大混乱となった。

 平日の昼間にもかかわらず、マツダスタジアム周辺は人、人、人…。求めるのは今やプラチナ化した入場券。ところが、球団の想定を大幅に上回る約5万人が詰めかけて大混乱となった。

 抽選券を求めて早朝から人が集まり、時間の経過とともに、その列は広島駅周辺まで続いた。警察には近隣住民から苦情の電話が入り、JRからも「列車の運行に支障が出かねない」と球団に連絡が入った。

 警察の指導を受け、球団は午前11時からの抽選券配布を午前9時40分に早めたが、さらに混乱に拍車をかけたのが、事前に「午前11時までに来場した人全員に抽選券を配布する」と発表していたにもかかわらず、途中で配布を打ち切ったことだ。11時前には球場コンコース入り口のゲートが封鎖。列に並びながら球場内に入り切れなかった人は手にできなかった。

 昨年まで入場券は先着順で販売されていたが、転売目的などの買い占めを防ぎ、多くの人に購入機会を提供するため、今年から抽選制に。今回配布されたのは、3月1日に窓口販売する1300人、及び同2日の800人の計2100人を選出するための抽選券で、27日に当選者が発表される。当選者はマツダでの今季公式戦全70試合を対象に、1人5試合まで枚数制限なしで購入できる。

 球場周辺では抽選券を手にできなかった人が「話が違う」と関係者に詰め寄るシーンも。関係者は拡声器を使って「皆さまには大変ご迷惑をお掛けしました。今回のことは次回に生かします」と謝罪したが、多くの人は納得せず、怒号も飛び交うなど不穏な空気に包まれた。改めてカープ人気の高さを印象づけた一方で、球団の見通しの甘さが前代未聞の大騒動を引き起こした。

 抽選券をめぐる大混乱を受け、広島の島井誠・入場券部長(63)が球団事務所で状況説明を行った。約5万人が抽選券を求めて列を作ったことには「想定の2、3倍だった」と説明し、抽選券の配布を途中で打ち切ったことには「そうしないと、さらに(列が)膨らんでしまう。何を優先するかといった時に安全を優先させてもらった」と釈明。来年の販売方式見直しも示唆した。

 

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