落款印は趣(おもむき)と遊び心のしるしです。

落款印(らっかんいん)を楽しむ

書道や日本画の作品に押された朱色の趣(おもむき)ある印を見たことがありますか?

落款印(らっかんいん)と呼ばれ、作品の出来上がりをしるし、自分の作品であることをあらわす印鑑です。

朱色の印が押されることで、作品がぐっと引き締まり いわれもない風雅が生まれます。

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身近なところでは、絵手紙や年賀状にいつもその方のハンコが押されていたりしませんか?こちらは遊印と呼ばれ、より自由に楽しむ印です。

落款印は、自分らしく自由な表現ができる印鑑です。

◆落款印とは。

一般的な印鑑(実印・銀行印・認印・角印・会社印など)は、書類に押印したり登録して、意志や承認、あるいは責任の証(あかし)として用いられる正式なものです。

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契約や銀行の届出印、日常的な認印として用いるのが一般的な「印鑑」。

一方 落款印は、書道や日本画などの作品に押すためのものです。作品が「これで完成しました」と締めくくり、誰の作品かを示すしるしです。後世にまで自分の作品だと伝えるための「しるし」でもあります。

書や画のプロのみならず、一般の人が楽しんで描いた作品にも落款印を押すことで、自分の作だと自信をもって示すことができますね。

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枠が欠けたものもまた、風合いとして愛着がわくものです。

◆落款印の種類

趣味のはんこではありますが、種類や文字、押し方などには一連の約束事やお作法がきちんとございます。

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① 引首印(いんしゅいん)

作品の右上に作品の「初めのしるし」として押します。関防印(かんぼういん)とも呼ばれます。縦長の長方形や楕円の形が多く用いられます。

自分の好きな言葉や座右の銘、祝い言葉や自戒の言葉など、好きな言葉を刻印します。(このような「言葉」を刻する落款印のことを「成語印」と呼びます。)

成語の例
・閑雅:静かでしとやかなこと
・従心:心のままにふるまうこと。70歳のこと。
・自在天:気ままで自由な境地。何物にも縛られない自分の心境。
・心如水:心が清らかで淡白な様子。
・行雲流水:空行く雲、流れる水。何のわだかまりもなく、流れに従い素直に行動する様子。
・風花雪月:四季折々の美しい風景

作品に引首印を押すたびに、その言葉や字句を胸に刻む意味も持ちます。

もちろん、押印することで作品が引き締まる。そんな役割も果たします。

朱文白文どちらでもかまいません。(朱文・白文は後述いたします。)

※「高志」とは、高い志。あるいは他人のこころざしを敬う心の意味です。
福井県を含む北陸地方は「越(こし)の国」と呼ばれましたが元は「高志国」と記されていたそうです。

 

作品の初めのしるし に押す引首印に対し、作品の最後に押す落款印が姓名印雅号印です。

② 姓名印(せいめいいん)

氏名印」とも呼ばれ、本名を彫刻します。「この作品の作者○○○○です」を表します。

朱のベースに文字が白抜きで押す印であることから、「白文印(はくぶんいん)」とも呼ばれます。

③ 雅号印(がごういん)

雅号を彫刻します。雅号を持つ作家さんが使います。本名の氏名を彫刻する姓名印と対で押し、上に姓名印・下に雅号印を押します。

白地に朱の文字が浮かび上がる彫り方であることから、「朱文印(しゅぶんいん)」とも呼ばれます。

この、引首印・姓名印・雅号印の3つの印が「三顆印」としてセットとなりますが、必ずしも三顆全て押すわけではなく、作品によって一顆や二顆で押印するなど自由に使い分けします。

 

Q.朱文と白文とは?

A.白地に朱の文字か、朱地に白の文字か、の区別の仕方です。

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白文印(はくぶんいん)

朱のベースに文字が白抜きで押されるものを「白文」と呼びます。

朱文印(しゅぶんいん)

白地に朱の文字が浮かび上がる彫り方を「朱文」と呼びます。

本名の氏名を彫刻する姓名印は白文印で、雅号印は朱文印で、対になるように押印し、上に白文印・下に朱文印となるように配します。

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上記以外に、

③ 遊印(ゆういん)

自由に、作品に飾り的な意味合いで空いたところに押す印鑑です。

引首印と同じく彫刻する文字や言葉は自由で、朱文・白文はどちらでも構いません。
押す場所は自由な点が引首印と異なります。(引首印は作品の右上と決まっています。)

遊印は、作品の仕上がりを引き締めたり風雅を高めたりするために押印します。絵手紙や年賀状などでも、趣向を凝らして自分だけの「しるし」を楽しみたいですね。

 

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いろいろな落款の例。

 

◆落款の形式

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装飾のほどこされた石も。

そもそも「落款印」とはどのような意味の言葉なのでしょうか?

落成款識印(らくせいかんしいん)を略して「落款印」と呼び、「できあがりをしるす」という意味です。「落成」は書や絵画の完成のこと。「款識」は署名・捺印を表します。

作品の完成、締めくくりとして署名をして、<1>姓名印を押印、その下に<2>雅号印を押印、右上に<3>引首印を押して、これら一連の押印を済ませて「これで完成」となります。

作品の余白が寂しい場合など、<4>遊印を押すことも自由です。

こうして、大切な自分の作品を完成させ自分の作品だと表現することができる。「落款」はそのための大切なあなたの「しるし」なのです。

落款印は、大切に受け継がれ愛されて続ける日本の文化のひとつなのですね。

小林大伸堂の落款印とは?

名前や雅号、成語に願いや想いを込めて、一点一点作成いたします。

人に伝えたい想いや、表現したい自分自身の言葉、そして作者としてのあなたのお名前をしるす「印」に、ただ文字を彫るのではなく、それらの想いを込めて作成いたします。

◆吉相体の書体

一般的な落款印は書体にて作成されます。大伸堂では、縁起のよい「吉相体」と呼ばれる八方に広がりを持つ書体にて新たな気風の落款印をお仕立ていたします。

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印相体の書体。縁起が良い書体であることから、「吉相体」とも呼ばれます。

◆八方位の運気

八方位と呼ばれる8つの運気から、落款印に込めたい願いを3つお選びいただき、文字に込めてお作りします。

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◆自分らしさを表現して

ご依頼の際に、ご希望のイメージをお伺いし、力強く、優しい雰囲気で、等々、お客様の個性を表現する落款印となるよう作成いたします。

名をしるす、ということ。

落款印は、風雅や作者の心意気がそこに表れる趣味の印鑑です。

落款印の楽しみは、「これが私の作品です」という最後の仕上げをほどこすこと。朱の印を押すことで、作品が活き活きと輝き、あなたの名前をしるします。

息災を尋ねるお手紙や、季節の感動を伝える絵手紙、ちょっとした伝言メモにも、さまざまな場面で押してみませんか?

相手に伝えたい想いがある。最後にぐっとひと押しする落款印は、「どうぞわたしの想いが届きますように」という心の「しるし」かもしれませんね。

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宝石印鑑は「Rose stone」(ローズストーン)

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「生き方に美しさを、しるしに輝きを」。しあわせの〝あとおし"となりますよう、想いを宝石印鑑に込めておつくりするローズストーンの印鑑サイトです。

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宝石印鑑は「Rose stone」(ローズストーン)

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