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【政治】

首相、辺野古工事進める構え 玉城知事、対話再開求める 対立続けば再び法廷へ

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 安倍晋三首相は二十五日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設への賛否を問う県民投票で反対が72%に達したにもかかわらず、米軍普天間(ふてんま)飛行場(同県宜野湾(ぎのわん)市)の固定化を避けるために移設の「先送りは許されない」と述べ、新基地建設を進める考えを表明した。玉城(たまき)デニー知事は県議会で「工事を中止するよう強く求める」と明言し、対話の再開を要求した。国と県の対立が続けば、訴訟合戦になる可能性が高い。 (中根政人、島袋良太)

 首相は予算委で、沖縄に米軍基地が集中する現状を「決して是認できるものではない」と強調した。その上で「県民投票の結果を真摯(しんし)に受け止め、今後も基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」と述べた。立憲民主党会派の小川淳也氏の質問に答えた。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は記者会見で「地元の理解を得る努力を粘り強くしながら(工事を)進めたいとの思いに変わりはない」と述べた。辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前では、埋め立て用資材を積んだダンプカーが次々とゲート内に入った。

 玉城氏は、埋め立て反対が投票資格者の四分の一に達したことを受け、県条例に基づき結果を尊重し、首相やトランプ米大統領に通知する。県議会では沖縄の民意を背景に「対話に改めて応じるよう政府に強く求める」と述べた。三月一日にも上京し、首相と会談する方向で調整している。

 国と県の対話が不調に終わった場合は、法廷闘争に再び発展する見通しだ。県は昨年八月の辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回に関し、国土交通相による効力停止を取り消すよう求める訴訟を検討している。

 軟弱地盤の改良工事に向け、防衛省による設計変更を県が許可しない場合、政府が違法性の確認を求めて提訴する可能性もある。県の池田竹州(たけくに)知事公室長は県議会で、防衛省が地盤改良工事のために設計変更を申請しても、埋め立て自体が不当だとして受理しない可能性を示唆した。

県民投票から一夜明けた沖縄県名護市の辺野古沿岸部。護岸工事が続き、次々とブロックが積まれていた=25日午前(ドローンから)

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