本日の松尾先生の講演、本当にヤバかった。

完全に他の学者を超越していました。


経済評論家の天野統康さんと行ったのですが、天野さんも「これこそ本物の学者ですよ」と興奮隠しきれぬ様子でした。

特に私たち陰謀論者(真相究明派・オルタナ派)としては、通貨発行権、政府通貨、ヘリマネ、リチャード・ヴェルナーなどのことに言及されるとやられてしまいます。
本当にこんなことに触れる主流学者は、日本では皆無です。
(元同志社大教授の山口薫先生は、上述したような話題に触れたことで「大学を追われた」と証言しているほどなので、いわゆるタブーとされていると判断できるでしょう)

私は心底、松尾先生こそが野党の経済政策をリードすべきだと思いました。


そんなわけで、今回の松尾先生の講演からちょこっとご紹介します。


安倍政権下における実質賃金の低下は主に物価上昇によるもの


政府支出を増やせばGDP増加します


安倍政権では政府支出はそれほど伸びていないが、選挙前だけ増額してごまかしている


政府支出を増やすと失業率が下がり、政府支出を減らすと失業率上がる。アイルランドとギリシャの例

ここから話が専門的になっていきます。
欧州の各ポピュリズム政党の政策と左派学者の論理を解説していくのですが、私も始めて聞く最新情報も多く含まれていて、さすがだなあと感服いたしました。


スティグリッツやクルーグマン、レンルイスらニューケインジアン以外の積極財政派、非主流派(MMT:現代貨幣理論)について


同じく非主流派(信用創造廃止派、ヘリマネ派)の論理。
ヴェルナーさんやターナーさんも含まれます


例えばイギリス労働党党首のコービンの経済ブレーン
(積極財政派のなかでも手法の違いにより若干の論争もあり)


サンダースはFRBの利上げを例にとり「この経済システムは銀行家に操作されている」と批判


スペインのポデモスの経済ブレーンも積極財政派で、中央銀行の独立性を疑問視


フランスのメランションはヘリマネと永久債に言及


細かいことはさておき、反緊縮派の主張は似ている


例えばMMT論者の統合政府論(政府と中央銀行の一体化)的視点で見ると、債務の4割は日銀が引き受けている


大きくわけて貨幣の供給量を重要視する派閥と、と金利を重視する派閥があり反目しあうことが多いが、視点を変えれば同じようなことを言っている


主流派ニューケインジアンのレンルイスから現在のコービノミクス(QEマネーを国民投資基金を介し国民に投資)に対する苦言


主流派ニューケインジアンのウッドフォードからターナーへ反論


非主流派の信用創造廃止論者(シカゴプラン派って感じですかね?)


上述した数々の議論に対する松尾先生の評価


結論として、松尾先生の経済政策は...


ルペンやオルバンの台頭から推測するに、気をつけなければいけないのが、積極財政で人気を得た党が国家主義に走ること。

代表的な例がヒトラーだ。

質問タイムでおまけ解説


日銀が引き受けた国債を返済するとマネーはこの世から消滅するので、債務はある程度保持しなければならない


懇親会も楽しかった。
松尾先生とも話せてよかったです。


本当に素晴らしい講演でした。
こんな有意義な講演は存在しません。

松尾先生ほど端的に、そして科学的に「ひとびとのための経済政策」を語れるひとはいません(断言)

特に最新の欧米ポピュリスト系政党の政策や学者の論理などを、松尾先生以上に研究されている研究者は存在しないといえます。
(私は良い意味で”ポピュリスト”という語句を使用しています。ポピュリスト=反緊縮派という意味になるでしょうか)

そしてなによりも、松尾先生と一度対峙した方なら理解できるでしょうが、人柄の良さこそが松尾先生が他人から信頼を得ている一番の理由でしょう。

講演が盛況のうちに終ったのも納得です。


しかしながら、今回の講演もそうだけど、毎回松尾先生の講演ビデオなんかを見ていて、少しだけ疑問を感じる点もありました。

それは「アベノミクスの効果を強調しすぎている」のではないかというところ。

「若者が安倍政権を支持するのは”右傾化”ではなく”経済政策を評価しているから”」との文脈をもって語るうえでは、いたしかたないのかもしれませんが、やはり反安倍の左派には誤解を与えかねないなと思いました。
(実際に、脊髄反射する左翼からは、”松尾はアベノミクスの庇護者”というような酷いレッテルを貼られていますので、私はその誤解を払拭すべきだと感じています)

私としては「アベノミクスの結果は悪くないが、その成果は上っ面だけであって、それ以上に格差拡大させたことこそが最悪だ。だからこうすべきだ」という文脈をもっと強調すべきかと思いました。

ちょっと次回にでも私が疑問に思ったことを、松尾先生の採用した指標など何点かを上げながら、説明しようかなと思います。
そのうえで松尾先生にも聞いてみて、事実確認したく思います。


とにかく、良い一日でした。


本日はここまで。
ご覧いただきありがとうございました。

cargo
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  • ”松尾匡教授の講演がヤバすぎた件 #マクロ経済学 #左翼”

     アメーバ・ブロガーの「cargo」さんが以前、ブログでも紹介した『そろそろ左派は〈経済〉を語ろう』の共著者のお一人であられる松尾匡立命館大学経済学部教授の講演会に参加されて、その概要をブログに書いてくださいました。 松尾教授の機能的財政論についての説明は、三橋貴明さんとか島倉原(しまくら はじめ)さんや廣宮孝信さん、青木泰樹京都大学特任教授、藤井聡京都大学教授なんかの著作ですでによくご存知の方もおられると思いますが、手っ取り早くお知りになりたいと思われるなら、山本太郎さんのスピーチの動画をご覧になるとわかりやすいと思います。cargoさんが山本さんの講演についてブログを書いてくださっているのでそれをご覧になられてもよろしいかと思います。 松尾教授は、積極的財政、すなわち国民の貧困化と産業の衰退を食い止めるために、政府の財政赤字は容認されるべきだ、という主張は、今や、世界的な潮流となっている、というご指摘は、海外の流行や諸外国の動向に影響を受けやすい日本人に新鮮な視点を提供してくれるのではないかと思います。日本人は、自主的に、内発的に変わることは苦手ですが、外圧や海外の流行には敏感ですからね。 さて、cargoさんは《しかしながら、今回の講演もそうだけど、毎回松尾先生の講演ビデオなんかを見ていて、少しだけ疑問を感じる点もありました。それは「アベノミクスの効果を強調しすぎる」のではないかというところ。「若者が安倍政権を支持するのは”右傾化”ではなく”経済政策を評価しているから”」との文脈をもって語るうえでは、いたしかたないのかもしれませんが、やはり反安倍の左派には誤解を与えかねないなと思いました。(実際に、脊髄反射する左翼からは、”松尾はアベノミクスの庇護者”というような酷いレッテルを貼られていますので、私はその誤解を払拭すべきだと感じています)私としては「アベノミクスの結果は悪くないが、その成果は上っ面だけであって、それ以上に格差拡大したことこそが最悪だ。だからこうすべきだ」という文脈をもっと強調すべきかと思いました。》 と書いておられますが、わたしも同感です。 アベノミクスは、リフレ派の影響で金融は緩和しましたし、国債も日銀が買い取って、いわゆる「国の借金」を400兆円もチャラにしてしまったわけですが、いっこうに景気がよくならず、また、人手不足だと言うのに労働者の所得も上がっていません。低賃金労働を競う外国人労働者を数十万人という単位で流入させてしまったこともありますが、基本的には、アベノミクスというのは、財政均衡主義、緊縮財政政策で、政府支出を押さえているからでしょう。 松尾教授ともあろうお方が安倍政権の経済政策が財政均衡主義であり、緊縮財政であって財政支出拡大政策なんかではないことくらいはご存知のはずなのになぜ、それを強く批判しようとしないのか?というのがわたしの感想です。 山本太郎さんをはじめ松尾教授や先に挙げた三橋貴明さんとか島倉原さんたちの主張というのは、日本国政府(日銀を含む広義の政府)には通貨発行権があるんだから、いわゆる「国の借金」なんてものは返そうと思えばいつでも返せる。だから政府支出の財源を税収に求めて、国民から無理やり税金をふんだくるな!国民の所得が増加していない時には、政府はケチケチしないで通貨発行権を活用して景気よくお金を使って国民の懐を豊かにしろ!といういたってわかりやすい話なんですね。難しい経済学の学説や理論なんて不要なんですね。経済の仕組みの基本的なところを押さえれば、単純な話なんですね。 テレビの業界人なんてのは、自分で調べて、自分の頭で考えて理解しようとしないで、権威があると彼らが勝手に考える「専門家」の意見を垂れ流しているだけだから、テレビを見て経済についてわかった気になると痛い目を見ることになります。テレビの業界人は、無駄に高い偏差値の大学を卒業しているわりには、頭の中味はスカスカなんじゃないか?と思いますね。利口ぶった馬鹿の妄言は聞き流すに限ると思います。 山本太郎さんは学歴エリートではないと思いますが、経済についての理解は、そこらの有名大学の経済学部の教授より的確だと思います。日本という国の教育制度は、金と時間をかけて馬鹿を作ることしかできないんですね。情けないことです。 経済学について、もう少し詳しく知りたいと思われる方は、青木泰樹教授の『経済学とは何だろうか』という本をお読みになられるとよいと思います。わけのわからない数式なんてほとんど出てきませんが、経済学と称されるものの正体についてとてもわかりやすく書かれていますので。もっとわかりやすい本なら、三橋貴明さんがたくさん本を書いておられますので、そのどれか一冊でもお読みになれば、あらましのことは理解できるだろうと思います。アマゾンで古本を探せば、百円以下の値段で購入することも可能です。ようするに、必要な知識を得ようと思ったら、簡単に手に入れることができるということですね。

    ソウルメイト

    2018-11-10 23:04:51

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