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母子家庭です。娘が非行にはしって、学校に行かず困っています。
3月4日で高校卒業です。昨年の夏から学校に行ってません。
twitterを使い、男性を探して会っています。

2回、警察のお世話になっています。反省の色なしです。
16歳で男女の関係を持ってしまいました。
お金を出してくれる相手もいました。私や祖母のお金を持ち逃げします。
警察が何回も来て注意されても変わりません。恐い者なしです。

毎日、昼近くに出掛け、深夜に帰宅しています。
今は、所持金ないはずなのに？コンビニで大量の買い物して帰宅します。
ゲーセンで取った縫いぐるみ？自分では、取れないはず？
専門学校の内定まで頂いていて、行くか、行かないか、はっきりしない。
何処で何をしているのか？分かりません。

学校の先生も卒業が近いから何もしてくれません。
祖母と毎日、帰りを待っています。
帰宅しない日もあり、行方不明者届けも何度か出しました。
汚い、近寄るなと言われ、突き放されます。
どうしてあげたら良いでしょうか？

中学で38対1の虐めにあい、色々とありましたが、サポート高校に入り頑張っていたはずが…中学から高２の初めまで、送り迎えをしたりしていました。
甘やかしたつけ何でしょうか？時、遅しかな…

（S　53歳　女性）

あなたのことがね、嫌いなの。嫌いどころか、大嫌いなの。顔も見たくないし、おなじ空気も吸いたくないし、声も聞きたくないし、視界に入ってほしくない。娘さんはそれくらい憎んでいるのではないでしょうか。

なにがきっかけであなたのことが嫌いになったのかぼくにはわかりませんが、きっとあなたにもわからないでしょう？

でもね、娘さんには間違いなくあなたのことを嫌いになった理由や出来事があります。あなたは覚えてないかもしれませんが、あなたの言動であることは間違いないでしょう。その嫌いになった過去の出来事に、いまの嫌いな気持ちが毎日ミルフィーユみたいに積み重なってます。

あなたは自分が被害者で、娘さんが加害者とおもっているかもしれませんが、まったく逆です。ちょっと前まであなたが加害者で娘さんが被害者だったの。過去にあなたの言動で娘さんを傷つけてしまっているんです。娘さんが小さい子どものころは、親であるあなたには身体的には勝てませんが、もう18歳です。立場が逆転してしまったのです。

あなたが勝てることは、経済的なことだけです。だからといって金銭で勝とうとすると決定的に関係は終わります。「誰が金を出しているんだ」や「家から出て行け」という言葉だけはさけましょう。たしかにそれで一時的にあなたは勝てますが、経済的なものだっていずれあなたに頼る必要がなくなります。

今現在、経済的に勝つための手段が、金を盗むか、売春や男性に頼るということなのかもしれません。そして、表面的だったり騙されているかもしれませんが、男性は優しくしてくれます。それがわかっていても、娘さんは優しくされたいのです、いままでに優しくされなかったから。

あなたは娘さんの行動を制限するために、金銭で縛っていませんか？　いま娘さんが道で財布を拾ったら、たぶんネコババしちゃいますよ。

そういうことをして欲しくなかったら常識の範疇でお金を渡すか、アルバイトをして働くということを教えるべきです。不法行為をしなくても生きていけることを教えるべきです。

親孝行という言葉がありますが、これはお金を払い続けた人が老後にもらえる年金のようなものです。子どもが親を大切にしたり、感謝することが常識とおもわれがちな社会ですが、子どもを大切にして、子どもに感謝した親が享受できることです。

自分のことを大切にしなかった人をどうして大切にできるんですか？　従業員のことを大切にしている企業の社員は会社が好きになるので、たのしそうに働きます。娘さんの「汚い、近寄るな」という言葉にすべて集約されています。

嫌いな人間とは会話をしたくないし、おなじ空間にすら一緒にいたくないでしょう。深夜に帰宅するのは、できればあなたと一緒にいたくないからです。

そこまで娘さんがあなたのことを嫌いなのに、16歳で男性経験をすませたことや、ツイッターで男性を探しまわっていることを、どうしてあなたが知っているのですか？　家族でテレビドラマを見ていてうっかりキスシーンが流れると気まずくなるぐらいなのに、こんな話題はよっぽど親子関係が良好でないと言いたくないものですよ。

カフェで親子デートして、娘さんからうれしそうに彼氏ができたことを教えられたわけでも、ツイッターを一緒にやりながら「ママ、この人どうかなぁ」と相談されたわけでもないでしょう。

勝手な想像ですが、あなたが問い詰めたかスマホを強制的に見たのでしょうか。あなたはツイッターを制限すればいいとおもっているかもしれませんが、そんなことは根本的な解決にはなりません。娘さんに必要なのは、親のお金を盗まなくてもいい環境、深夜に帰宅しなくていい環境、買春をする男性の偽りの優しさに惹かれなくていい環境。

18歳の娘さんが持ってるゲーセンのぬいぐるみを疑うって、ぼくからすれば親の非行です。あなたが娘さんを疑うように、娘さんもあなたを疑っています。

親子関係というのは積み重ねです。あなたの積み重ねた結果がいまの娘さんです。子どもが大人に成長したあとの親への態度は、親が子どもにしていた態度です。

娘さんに変わってほしければ、あなたが変わるしかありません。

今週の幡野さん

旧正月明けのベトナムにいました。なにもしないでゆっくりする。という贅沢な時間をすごしていました。そのわりには写真をたくさん撮っていたので、ぼくにとって写真は睡眠や食事とおなじことなのだと思いました。

幡野広志「写真集の写真展」
２月23日（土）〜３月10日（日）
TOBICHI東京／京都　同時開催
https://www.1101.com/tobichi/tokyo/exhibition/det...