大手食品メーカーが大豆ミート食品に注力している。数年前までは健康志向の高い人や、肉が食べられない一部のユーザー向けの商品だったが、2015年に参入した味噌メーカーのマルコメに続き、昨年11月にボンカレーの大塚食品、菓子大手の亀田製菓も参入。一般的な消費者層の目に触れる機会が格段に増えた。同時に、欧米でビヨンド・バーガーやインポッシブル・バーガーが急拡大していることもあり、“お豆のお肉”に大きな注目が集まっている。ここでは、国内の大豆ミート食品の最新事情を紹介する。
見た目も味も食感も“まるでお肉”…。そんな、大豆を原料とした肉代替商品の国内市場が活性化している。
既に北米では、エンドウ豆を主原料とした「ビヨンド・バーガー」(※1)や、小麦やとうもろこし、大豆など様々な植物をベースにした「インポッシブル・バーガー」(※2)といった「ミートオルタナティブ」「フェイクミート」などと呼ばれる肉代替商品が急速にその存在感を高めている。
(※2):「インポッシブル・バーガー」(IMPOSSIBLE BURGER)は、米インポッシブル・バーガー社(Impossible Foods)が手がける肉代替商品。
欧米の食品スーパーには肉代替商品のコーナーが設けられ、客はそこで様々な肉代替商品を選んで買える状況が普通のものになりつつある。
「ビヨンド・バーガー」の衝撃
さらに、こうした肉代替商品を選べるハンバーガーショップが急拡大している。米国に2890店舗、世界37カ国に約700店舗を展開する全米第5のハンバーガーチェーン「カールスジュニア」(Carl's Jr.)でビヨンド・バーガーが採用されたほか、ニューヨークを中心に店舗展開するオーガニック系のハンバーガーチェーン「ベアバーガー」(Bareburger)では、ビヨンド・バーガーとインポッシブル・バーガー両方を選べるようになっている。
米国以外でも、ヨーロッパ、アジア圏でこれらを食べられる地域はどんどん広がっている。日本国内のテレビやネットでも、たびたび取り上げられるようになってきた。カールスジュニアもベアバーガーも既に日本進出を果たしており、日本で植物由来のハンバーガーを食べられる日は近いのではないかと期待が高まっている。