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【政治】

沖縄県民投票 新基地断念こそ唯一の道

<解説> 沖縄県民は、名護市辺野古の新基地建設を認めない意思を明確に示した。安倍政権はこれまで、新基地建設の是非が問われた知事選などの結果を民意の表れと受け止めることを避け、計画を進めてきた。だが今回の県民投票は、直接民主主義の手法に基づき、単一争点で行われた。それでも民意を拒否していいのか。もはや政府には、新基地断念を検討していくほかに選択肢はないはずだ。

 政府は、住宅地に囲まれる米軍普天間飛行場の危険性を除去する「唯一の選択肢」として新基地建設を推進。二〇一三年に当時の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事から辺野古埋め立て承認を得たことを理由に、昨年十二月には土砂投入にも着手した。

 仲井真氏の承認後、二度の知事選で、新基地反対を掲げる故翁長雄志(おなが・たけし)氏、玉城デニー氏がいずれも圧勝。県民投票は、県民対象の選挙で示された民意を無視して建設を続ける安倍政権への審判の意味もあった。

 安全保障政策は国が考えるもので、地方の判断で変えるべきではないとの意見もある。だが、そう言い切れるだろうか。国の政策が民意に支えられなければ、民主主義は正当性を失う。地方自治も形骸化する。

 国土の0・6%に在日米軍専用施設の70%が集中する沖縄。政権はその現実を直視する責任がある。今回の結果を重く受け止めるならば、新基地建設断念だけでなく、沖縄に基地負担を押しつけ続ける姿勢そのものを転換すべきだ。 (関口克己)

 

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