またポスターが学校の玄関に掲示されれば、いやでも来校者の目に留まるだろう(注3)

(注2)安曇野市では、柔軟剤などのニオイに不快感を示す児童・生徒が5人、教職員1人が報告されているだけで、消費生活センターへの相談はないという。しかし小林議員には「ニオイの感じ方には個人差もあり、健康被害だとは言いにくい」などの声が寄せられており、被害が表面化しにくいのが現実のようだ。

(注3)給食当番が着て、週末に当番の子の家庭で洗濯する給食着をめぐり、強い柔軟剤臭が各地の学校で問題になっている。
 これについて日本石鹸洗剤工業会の繁田明・広報部長が最近、「(柔軟剤は)共有で使う給食着には用いない方がいいかもしれません」という見解を示した(8月21日付け『読売新聞』の「発言小町」欄)。学校関係者はこの見解を踏まえ、早急に給食着の洗濯方法を見直すべきだろう。

化学物質過敏症の人は
「障害者差別解消法」の対象

 宮城県名取市も、一歩、踏み出した。

 仙台市の南に隣接する同市では、斎(さい)浩美市会議員(共産)が3月議会でこの問題を取り上げ、まず過敏症はアレルギーとは別の、病名登録され、健康保険が適用される病気であることを確かめた。

 さらに過敏症が「障害者差別解消法」の対象になることを市側に確認させ、山田司郎市長から「しっかり啓発していきたい」との答弁を得た。

 障害者差別解消法(2016年4月施行)は、障害のある人もない人も互いにその人らしさを認め合いながら、ともに生きる社会をつくることを目的に制定された。

 国・自治体や会社・商店などに対し、正当な理由なく障害を理由として差別することを禁止するとともに、障害のある人から社会の中のバリアを取り除くため何らかの対応を必要とするとの意思を伝えられた時には、負担が重すぎない範囲で対応するよう求めている。

 過敏症患者がこの法律の対象に含まれることは、昨年2月の高橋千鶴子衆院議員(共産)の質問への政府答弁で明らかになっていたが、名取市はそれを改めて確認したわけだ。

 過敏症患者はこれを根拠に、災害時の避難所や通学する学校で特別な対応を願い出ることができる。

 名取市は5月、担当部局の幹部と市会議員が、地元の患者団体「みやぎ化学物質過敏症の会~ぴゅあい~」の佐々木香織代表から説明を受けて動き出した。