雨で登板日がずれた影響など何もなかった。来日初実戦のロメロが2イニングを1安打無失点。最速153キロの直球で2三振を奪い、変化球も低めに集めた左腕が胸を張った。
「最初の登板にしては良かった。全体的には90%の出来。キャンプでしっかり練習してきたことがいい形で出た」
3点をリードされた6回に3番手で登板。佐野、伊藤光はいずれも直球で内野ゴロを打たせた。大和に中前打を許してからが真骨頂。クイックで投げたかと思えば、次は脚を急に高く上げて走者を惑わせる。スタートを切らせることなく、桑原を右飛に仕留めた。
7回には体を大きくひねる動きも繰り出した。「タイミングをずらそうとして練習からやっている」。神里は150キロで見逃し三振。中井も左飛に打ち取った。最後は新人の伊藤裕を152キロで空振り三振。文句なしだった。
与田監督は「リリースポイントが大きく崩れないので悪い球がいっても、すぐに修正できる。待たれている球で勝負できるメンタルもすばらしい」と高評価。阪神の嶋田宗スコアラーは「昨年のガルシア(13勝)と同じくらいは勝つんじゃないか」と苦笑するしかなかった。
開幕投手の有力候補との話題には「首脳陣に言われれば受けるけど、そこにこだわってはいない」と受け流した。「変化球はまだ80%の精度。もっと日本の球にも慣れていかないといけない」。向上心旺盛な左腕に活躍の予感が漂っている。 (高橋雅人)