強雨のち快晴。中止が決まる直前に、サムスンの落合英投手コーチから電話がかかってきた。
「無理でしょ? 竜の背はどうするんですか?」。僕は「初志貫徹。46番で書きますよ」と返した。中日の練習が休みだった20日、僕は恩納村のサムスンキャンプを見学した。落合コーチはブルペンの投手の真後ろ、特等席に招き入れてくれた。僕が元兌仁(ウォン・テイン)を見たくて来たのを知っていたからだ。
地元優先の1次ドラフトで、慶北高から1位指名した18歳。最速151キロを誇る韓国の世代最強右腕は、昨秋のU-18アジア選手権の日本戦で2番手として登板した。僕が自己紹介すると、すぐに意図を察した。根尾が中日に入団したことも知っているのだ。
「あれはエラーです(笑)。でも記録はヒットだから、引き分けだと思っています。あんなに手首の力が強い打者は見たことがない。国は違いますが、同じ年齢だしライバルであり友人だと思っています」。試合は3-1で日本を下し、元も2イニング1/3を1失点に抑えた。ただし、根尾の二塁内野安打は、勝ったとも負けたとも考えていない。プロで決着をつける。
「(北谷にいけば)根尾はいるんですか? (いないと伝えると)そうですか。いつかWBCで戦えるといいですね」。近い将来、再び国を背負って根尾と戦う。その日を夢見る元に、落合コーチは目を細めた。
「投球にしっかりラインが出ますし、変化球も投げきれる。僕は1軍に置いておくつもりです」
ブルペンの他の投手と比べても、踏み出した左足の着地点が元だけ明らかに深く掘れていた。強い踏み込みから生み出される球威。落合コーチの秘蔵っ子は、どうやら根尾の終生のライバルとなりそうだ。