野球評論家の篠塚和典さん(61)が22日、読谷球場を訪れ、中日ドラフト1位・根尾昂内野手(18)の打撃練習を視察した。独特の雰囲気にほれ込んだ篠塚さんは、プロ1年目について3つ心得を説いた。
似た道を歩んできたからこそ分かる。「雰囲気があるし、いい目をしている。楽しみだね」。屋内で見た根尾の打撃練習に何かを感じた篠塚さん。千葉・銚子商時代は2年時から主砲として夏の甲子園優勝に導く活躍。金属バットが導入された大会で木製を使い、2本塁打を放った。
ドラフト1位で入った巨人では、176センチと決して大柄ではない体ながら「芸術的」と称された流し打ちを駆使し、2度の首位打者を獲得。プロ19年で通算打率3割4厘を残した。その篠塚さんが「考えてみてほしいことがある」と、同じ甲子園のスターで、右投げ左打ちの内野手である根尾へ3つの心構えを口にした。
まずは己のタイプを知ること。「自分が一番輝ける、チームに必要とされる役割はどこかを考えてほしい」。篠塚さんはプロでは早々に長距離砲になることを諦めた。通算本塁打は92本にとどまったが、巧打者として長く巨人を支えた。「実戦を積みながら2年目までには進む道を見つけて」。次は体幹の強化。「打撃練習でまだ足りないと感じた」。最後はいじられキャラ指令だ。「先輩にかわいがられる存在であれば精神的に楽でいられる」と語った。
午前の雨から一転、次第に晴れ間がのぞいた一日。「午前中から晴れてほしかったです」としょんぼりした表情を浮かべた根尾。「職人肌というイメージ」と語る篠塚さんからの言葉は、大切に胸に刻む。 (長森謙介)