今年に限らず毎年あることだが、センター試験の点数で第一志望の大学を諦め志望変更する受験生が必ず出てくる。志望大学を変更するだけならまだマシな方で、シビアなのがやはり国公立大医学部だ。
年々難易度を増す国公立大医学部。今年もセンター試験で780点あたりがボーダーラインとなった。
そのため740〜750点前後の点数だとかなり厳しくなる。
東大の足切りを通過できるレベルの得点ではあるが、センター試験の配点が高い上1点の争いとなるハイレベルな国公立大医学部受験において、30〜40点のビハインドは命取りとなる。
後期日程の縮小もあり国公立大医学部を諦めざるを得なくなるわけだ。
国公立大医学部を諦めた受験生が選ぶ学部は薬学部・歯学部・理学部・保健学科あたり。ただ最近国公立大薬学部もかなり人気があり軒並みボーダーは730点前後となっている。医学部受験生が大挙する中期日程の薬学部はヘタな国公立大医学部より難しい。歯学部も歯科医師過剰時代にありながら根強い人気がある。資格の取れる保健系も人気の学科だ。
現役生ならまだしも、1〜2浪となるといつまでも夢を見てはいられなくなる。
どこかで自分の夢に見切りをつけなければいけない。
僕の知り合いにも東大や医学部を目指していたものの地方の旧帝大・早慶・国公立大歯学部・薬学部に進学した人はたくさんいる。
引き際の美学というのもある意味重要なのかなとは思ったりする。
ヘタに東大・国公立大医学部に固執するあまり東大・国公立大医学部に落ちた上併願の私立にも落ち、自分の偏差値より5〜10下の大学に進学するハメになる人もいるし。
夢を諦めることが悪いとは僕は思わない。僕自身夢も希望もなくタラタラ生きてきた時期が20年以上続いたし、夢を追うリスクもある程度理解はしている。だから自分が納得するならセカンドベストの生き方を選択するのも悪くはない。
しかし、夢を諦めるなら自分でその決断をすることだ。「周りに言われたから諦めます」というのはやって欲しくない。そんなことをしたら20〜30年後確実に後悔するからだ。
僕は今、こうした夢を諦めた人たちを発奮材料にしている。40歳になった今でも東大理Ⅲを目指すことができるスタンスに感謝し、夢を叶えることができなかった受験生の分も頑張るぞ!と。