| その昔、仙台城二の丸を造営する時に、国見あたりの石切場から切り出した石を牛に曳かせて運び降ろす時、あまりの急坂に牛たちですら、喘ぎ喘ぎ唸り唸り下ったという伝説がある、と辻標にあった。
 今は国見方面には新しく道が開かれ、それもかなりの急坂なのだが、この道はほぼ役目を終えている。それだけに古くからの坂道の姿を想像させてくれる坂でもあり、わりとお気に入りの坂道ではある。できれば一度も自転車から降りることなく坂を征服してみたいものである。
 頂上近くのJR仙山線国見駅を過ぎ、そこから葛岡の墓園を一気に下り降りる爽快感はなかなかなもので、休日など、のこのことでかけてしまう坂でもある。
 昔はこのあたりから清水が湧き、城下町を貫流する用水堀(四谷用堰)の水源となったと辻標にあるが、水道局の施設はあるもののその気配は見えない。お隣の八幡神社の参拝者などで賑わったあたりで、かってこのあたりは茶屋町としても栄えていたらしい。
 どうりで八幡町あたり、なかなか見逃せない街であるわけだ。
 
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