| スポーツセンターの交差点を右折し美術館方向に向い、最初の交差点を左折すると東北大学や宮城教育大学などを経由して青葉台に至る道がある。いってみれば坂道のダイエーって言うべきか、その品揃えは立派なものだ。 曲り端から道は緩い坂道になり、ここは青葉山の丘陵への入り口であることが実感出来る。 交差点の横断歩道脇に石柱(辻標)があり、この坂が行人坂と呼ばれていたことを知らせている。 『二の丸北裏にあった御裏池から広瀬川に注ぐ千貫沢の北にあり川内山屋敷に続く坂』『昔、この地に庵を結んだ行人の塚があったのでこの名前が付いた』のだそうだ。 いっけんすると、たいした坂でもないのだが、以外と頂上付近になるにつれて息が切れてくるような軟弱な中年を笑うような坂だ。時期になると学生がこの坂を自転車で駈け上がって行く姿を見るのだが、今はまだ休みが続いているためかその姿はない。 この先に扇坂というバス停もあり、一般的には、このあたり扇坂と呼ばれているのだが、先程の辻標によれば本来の扇坂は千貫沢の南側にあり現在は廃道になっているらしい。仙台の真ん中で登山道のガイドブックに使われているような廃道という文字が見られるのも不思議な感じがする。 坂に直行する澱橋通の東北大学グランドの法の宮城野萩は、さすがにまだ咲く気配はないようだ。 晩秋のころのカラマツの黄葉とともに、楽しみな光景ではある。 |